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流体工学

粒子径分布・ロジン-ラムラー分布解析

Rosin-Rammler・対数正規・GGS分布のパラメータを調整しながら、累積通過曲線・頻度分布・d10/d50/d90・ザウター平均径・比表面積をリアルタイム計算します。

分布パラメータ
分布タイプ
代表径 d' (μm)
μm
拡がり指数 n (—)
最小粒径 dmin (μm)
μm
最大粒径 dmax (μm)
μm
分割数
統計指標
計算結果
d10 (μm)
d50 (μm)
d90 (μm)
スパン (d90-d10)/d50
ザウター径 d32 (μm)
比表面積 Sv (m²/m³)
累積通過曲線 Q3(d) — 対数横軸
頻度分布ヒストグラム q3(d)
理論・主要公式
$Q(d) = 1 - \exp[-(d/d')^n]$

$d_{50}= d'(\ln 2)^{1/n}$

対数正規: $Q(d) = \Phi\left[\frac{\ln(d/d_{50})}{\sigma}\right]$

GGS: $Q(d) = (d/d_{\max})^n$

d32=Σ(ni·di³)/Σ(ni·di²), Sv=6/d32

粒子径分布・ロジン-ラムラー分布解析とは

🙋
粒子径分布って、粉体の大きさのバラツキを表すものだと思うんですけど、d50とかd90って具体的に何を表しているんですか?
🎓
大まかに言うと、全体の何%がその大きさ以下かを示す値だよ。例えばd50は「中央径」で、粒子を大きさ順に並べた時、真ん中(体積で50%)の粒子の大きさだ。シミュレーターのグラフで、累積分布曲線が50%の高さと交わるところの粒径がd50だね。上の「分布タイプ」を切り替えて、d50の値がどう変わるか確認してみよう。
🙋
なるほど!ロジン-ラムラー分布の「n」ってスライダーがありますけど、これは何を変えてるんですか?「分布の急峻さ」って書いてありますが。
🎓
その通り、nが大きいほど粒子の大きさが揃っている(分布が狭い)ことを意味するんだ。例えば、噴霧乾燥で作った微粒子はnが大きく、粗い粉砕で作った砂はnが小さいことが多い。右のグラフでnのスライダーを動かすと、累積分布カーブの傾きが急になったり緩やかになったりするのがわかるよ。d50は同じでも、d10とd90の値が大きく変わるはずだ。
🙋
「ザウター平均径」や「比表面積」もリアルタイムで計算されてますね。これって何に使われるんですか?
🎓
実務では非常に重要だよ。ザウター平均径d32は、燃焼や溶解の反応速度に直結する。例えば燃料噴霧の液滴が小さい(d32が小さい)ほど燃えやすいんだ。比表面積は、触媒や塗料の性能評価に必須だ。「代表径 d'」のスライダーを動かして、d32と比表面積がどう反応するか確かめてみて。粒子が全体的に小さくなると、表面積は劇的に増えることが実感できるはずだ。

よくある質問

d'は累積通過率63.2%に対応する粒径で、粒子群の代表的な大きさを示します。nは分布の広がりを表し、値が大きいほど粒径が均一でシャープな分布に、小さいほど幅広い分布になります。粉砕条件の評価に役立ちます。
累積通過曲線は粒径以下の粒子の割合を示し、全体の傾向把握に適します。頻度分布は各粒径の出現割合を示し、ピークや分布形状の詳細分析に有効です。目的に応じて使い分けてください。
d50は中央径で粒子群の代表径、d10とd90はそれぞれ微粉側・粗粉側の端を表します。例えば、フィルター設計ではd10が目詰まり評価、粉体流動性ではd90が詰まりやすさの指標として使われます。
ザウター平均径は体積と表面積の比から求まる平均径で、反応や燃焼の効率評価に用います。比表面積は粒子の総表面積を質量で割った値で、吸着や溶解速度の指標となります。両者は連動して変化します。

実世界での応用

粉砕・製粉工程:鉱石の粉砕やセメントの製造では、製品の粒度分布が反応性や強度を決定します。ロジン-ラムラー分布を用いてミルの性能評価や最適な粉砕条件の設定を行います。

噴霧乾燥・塗装:食品や医薬品の噴霧乾燥では、液滴の粒径分布(d32)が乾燥速度と製品の粒子形状に影響します。塗装では、塗料粒子の分布が仕上がり表面の平滑性を左右します。

燃焼工学:ディーゼルエンジンやガスタービンの燃料噴霧では、ザウター平均径(d32)が燃料と空気の混合速度、ひいては燃焼効率と排ガス特性を支配する重要なパラメータとなります。

粉体プロセス:製薬での錠剤圧縮、セラミックスの成形では、原料粉末の粒度分布が充填性や焼結後の密度に直接影響するため、d10, d50, d90を用いた厳密な管理が行われます。

よくある誤解と注意点

まず、「d50が平均径だ」という思い込みは捨てましょう。d50は中央径(メジアン)であり、算術平均径とは異なります。例えば、非常に細かい粉と粗い粒子が混ざったバイモーダル分布では、d50はその「混ざり具合」の真ん中を示すだけで、粒子全体の「平均的な大きさ」の直感とはズレることがあります。実務では、d50だけでなくd10とd90を必ずセットで確認し、分布の幅を把握することが鉄則です。

次に、分布モデルの安易な選択。ロジン-ラムラー分布は粉砕物に、対数正規分布は自然発生エアロゾルに、という大まかな指針はありますが、測定データに無理やりフィッティングするのは危険です。例えば、粉砕工程でも初期の粗砕品はロジン-ラムラーに従わないことが多々あります。ツールでパラメータをいじる前に、まずは実測データのプロット形状を観察し、「なぜこの分布が適しているのか」を工学的に考える癖をつけましょう。

最後に、比表面積計算の前提条件。ツールで算出される比表面積は、すべての粒子が球で、かつ表面が滑らかという理想仮定に基づいています。しかし、実際の触媒粒子は多孔質ですし、フレーク状の顔料は表面積が桁違いに大きい。このツールの値は「完全に球状だった場合の理論値」として扱い、実測値との乖差から粒子形状の複雑さを推察する材料にするのが賢い使い方です。

使い方ガイド

  1. 特性粒子径(d')をスライダーで設定します。セメント微粉末の場合は3~10μm、石灰石粉砕品は50~150μmが標準範囲です。
  2. 分布指数n(スプレッドパラメータ)を調整し、分布の広がりを制御します。n=1.0で均一分布、n=1.5~2.0で製粉機の典型分布です。
  3. 最小粒径(dmin)と最大粒径(dmax)の範囲を設定すると、d50・ザウター平均径(D3,2)・比表面積がリアルタイム更新されます。

具体的な計算例

セメント焼成品の粉砕シミュレーション:d'=8μm、n=1.8、dmin=0.5μm、dmax=100μmの条件で、計算結果はd50≈15.2μm、D3,2≈4.8μm、比表面積≈1,250m²/kgとなります。ボールミル出口でBET測定値350m²/kgに対し、ロジン-ラムラー分布から予測された比表面積の差異は粉砕効率の評価に活用できます。

実務での注意点