ベクトル場ビジュアライザー 戻る
数学・物理

ベクトル場ビジュアライザー

電気双極子・磁気渦・重力井戸など7種のベクトル場を矢印グリフと色で可視化。キャンバスをクリックすると流線をトレース。カーソル位置の発散と回転をリアルタイムで確認できます。

場の選択

表示設定

操作

キャンバスをクリックして流線をトレース

カーソル X
カーソル Y
発散 ∇·F
回転 ∇×F
|F| 大きさ
分類
ベクトル場 — クリックで流線をトレース
理論・主要公式

$$\mathbf{F}(x,y) = P(x,y)\,\mathbf{i} + Q(x,y)\,\mathbf{j}$$

2次元ベクトル場:各点に大きさと方向をもつベクトルを割り当てる

$$ abla imes \mathbf{F} = \left(\frac{\partial Q}{\partial x} - \frac{\partial P}{\partial y}\right)\mathbf{k}$$

2次元回転(渦度):渦の強さと向きを表すスカラー場

$$ abla \cdot \mathbf{F} = \frac{\partial P}{\partial x} + \frac{\partial Q}{\partial y}$$

発散:流体の湧出し・吸込みの強さを表す(非圧縮流れでは0)

計算結果

ベクトル場ビジュアライザーとは

🙋
画面上の矢印(グリフ)が一斉に向きを変えたり、流線が渦を巻いたりしていますね。これって何を表しているんですか?
🎓
これは「ベクトル場」を可視化しているんだ。大まかに言うと、空間の各点に、向きと大きさを持った矢印(ベクトル)が割り当てられている状態だよ。例えば「重力井戸」を選ぶと、中心に向かって矢印が集まるのがわかる。これは中心が重力の源(ソース)のように振る舞うからだ。上のカラーマップを変えると、ベクトルの「大きさ」の見え方が変わるから確認してみて。
🙋
カーソルを動かすと「発散」と「回転」の値が変わるみたいです。これって何の意味があるんですか?
🎓
良いところに気づいたね!発散(div)は、その点からベクトルが湧き出しているか(正)、吸い込まれているか(負)を表す数値だ。例えば「電気双極子」の正電荷の近くでは発散が大きな正の値になる。逆に「磁気渦」の中心では、発散はほぼゼロで、代わりに「回転」(curl)が大きな値になる。回転は、その点の周りでベクトルがどれだけ渦を巻いているかを示すんだ。シミュレーター上で、渦の中心と外側をカーソルでなぞって比べてみると実感できるよ。
🙋
画面をクリックすると流線が描かれますが、これはどういう計算で出しているんですか?実務でも使うんですか?
🎓
あの流線は、仮想的な粒子がベクトルの方向に沿ってどう動くかをトレースした軌跡だ。計算には「RK4法」という高精度な数値積分を使っている。実務では、例えば自動車のエンジンルーム内の気流を解析するとき、この流線を見て「ここに渦が滞留して熱がこもるな」とか判断するんだ。このツールでも「鞍点」を選んで、安定方向と不安定方向でクリック位置を変えると、流線の動きが劇的に変わるから確認してみて。

物理モデルと主要な数式

ベクトル場の基本的な性質を特徴づけるのが「発散」と「回転」です。2次元ベクトル場 $\vec{F}= (F_x, F_y)$ に対して、発散は以下のスカラー量で定義されます。

$$\text{div}\, \vec{F}= \nabla \cdot \vec{F}= \frac{\partial F_x}{\partial x}+ \frac{\partial F_y}{\partial y}$$

ここで、$\nabla = (\frac{\partial}{\partial x}, \frac{\partial}{\partial y})$ はナブラ演算子です。発散が正の点は「ソース」(湧き出し)、負の点は「シンク」(吸い込み)を表します。発散がゼロの場(例えば「磁気渦」)は、湧き出しも吸い込みもないことを意味します。

2次元における回転(正確にはz成分)は、その点での渦の強さを表すスカラー量として定義されます。

$$\text{curl}_z \, \vec{F}= (\nabla \times \vec{F})_z = \frac{\partial F_y}{\partial x}- \frac{\partial F_x}{\partial y}$$

この値が正なら反時計回り、負なら時計回りの回転を意味します。流体力学ではこれが渦度(ヴォーティシティ)に、電磁気学では電流密度に比例する重要な量です。

よくある質問

クリックした点を始点として、ベクトル場に沿った流線(ストリームライン)がトレースされます。流線は場の方向を視覚的に追跡できるため、電場や磁場の経路を直感的に理解するのに役立ちます。
キャンバス上でマウスカーソルを移動させると、画面の所定の位置(通常は下部またはツールチップ)に、その座標における発散(div)と回転(curl)の数値がリアルタイムで表示されます。これにより、場の湧き出しや渦度を定量的に確認できます。
電気双極子、磁気渦、重力井戸など、合計7種類のベクトル場を切り替えて表示できます。各場は矢印グリフと色で可視化され、物理現象の違いを比較しながら学習できます。
矢印の長さはベクトルの大きさ(強さ)を、色はベクトルの方向や大きさを表すことが多いです。例えば、色相で方向を、明度や彩度で強さを示すカラーマップが一般的に使用されており、視覚的に場の強弱や向きを把握できます。

実世界での応用

流体力学(CFD):自動車や航空機の周りの空気の流れ(速度場)を解析します。発散がゼロ(非圧縮性)の条件は連続の式そのものです。翼の後端に発生する渦(高い回転)は抗力や揚力に直結するため、流線可視化は設計の必須ツールです。

電磁気学:電界や磁界は典型的なベクトル場です。電荷がある点では電界の発散がゼロではなくなり(ガウスの法則)、電流があるところでは磁界に回転が生じます(アンペールの法則)。モーターやトランスの設計では磁界分布の可視化が重要です。

構造力学:材料内部の応力状態は「応力テンソル」で表され、その主応力の方向をベクトル場として可視化できます。発散や回転の概念は、力のつり合い方程式や適合条件式の中に現れます。

地球物理学:大気や海洋の流れ、地殻内の応力場、地球内部のマントル対流など、地球規模の現象をベクトル場としてモデル化し、その発散(収束・発散域)や回転(渦)を解析することで、気象予報や地震予知の研究に役立てています。

よくある誤解と注意点

このツールを使い始めるとき、いくつか勘違いしやすいポイントがあるから気をつけてね。まず、「矢印の長さ=ベクトルの絶対値」だけど、見やすさのために自動でスケーリングされているということ。重力井戸の中心付近は理論上、無限大に近い値になるけど、ツール上では最大長でクリップされている。だから、絶対値の比較はカラーマップで確認するのが確実だ。例えば、電気双極子の電荷近くの色が真っ赤になっている場所が、実際に場が最も強い領域だよ。

次に、「発散や回転の値は、計算する範囲(微分のΔx)に依存する」という点。ツールはカーソル位置の周囲の数ピクセルから数値微分で計算している。だから、非常に鋭い変化を持つ場では、カーソルを1ピクセル動かしただけで値が大きく変動することがある。実務でCAEソフトを使うときも、メッシュの粗さがこれらの微分値の精度を決めるということは常に頭に入れておこう。

最後に、2D表示の限界を理解しておくこと。このツールはあくまで2次元のスライスを可視化している。現実の物理現象はほとんどが3次元だ。例えば、画面いっぱいに広がる一様な流れ(一様場)でも、実は奥行き方向に渦が巻いている「らせん流」かもしれない。2Dで発散ゼロに見えても、3Dでは $ \frac{\partial F_z}{\partial z} $ の項があって、全体では非ゼロなんてことはよくあるんだ。