NAFEMS FE 固有値解析ベンチマーク — V&V結果総括

カテゴリ: V&V(検証と妥当性確認) | 更新 2026-04-13
NAFEMS eigenvalue benchmark - natural frequency mode shapes comparison

ベンチマーク概要

🧑‍🎓

先生、NAFEMS固有値ベンチマークってどんな問題ですか? 何をチェックするためのものですか?

🎓

固有値解析(モーダル解析)のソルバーが正しい固有振動数を出せるかを検証するベンチマークだ。FV32(厚肉円筒)、FV52(片持ち梁)、FV41(円板)、FV42(薄肉円筒)の4問題があり、それぞれ解析的な参照解が既知だから、ソルバーの計算結果と直接比較できる。特に重要なのは、質量マトリクスの定式化(Consistent vs Lumped)が固有振動数に与える影響を定量化できることだ。

🧑‍🎓

質量マトリクスにConsistentとLumpedの2種類があるんですか? どう違うんですか?

🎓

簡単に言うと:

実務では陽解法(LS-DYNA等)は必ずLumped、Nastranのモーダル解析はデフォルトでConsistentだ。

全問題の結果一覧

問題構造参照解 $f_1$ (Hz)NastranAbaqusAnsys最大誤差(%)
FV32厚肉円筒243.53243.50243.55243.480.02
FV52片持ち梁17.84917.84717.85017.8460.02
FV41円板51.8551.8451.8651.830.04
FV42薄肉円筒112.4112.38112.42112.360.04
🧑‍🎓

全ソルバーで最大誤差が0.04%以下ってすごいですね。固有値解析はかなり精度が出やすいんですか?

🎓

十分に細かいメッシュと2次要素を使えばね。でもこれはベンチマーク用に慎重にメッシュを作った結果だ。実務の複雑な形状で同じ精度を出すには、メッシュ収束性の確認が必須だよ。特に高次モード(10次以降)になるとメッシュ依存性が急激に増すから要注意だ。

要素タイプ別の精度比較(FV52 $f_1$)

要素タイプ粗メッシュ誤差(%)中メッシュ誤差(%)細メッシュ誤差(%)
TET415.26.492.10
TET101.520.220.03
HEX83.850.730.12
HEX200.400.02< 0.01
BEAM20.15< 0.01< 0.01
🧑‍🎓

ここでもTET4が一番悪い...。固有値が15%もずれるとモード形状もおかしくなりますよね?

🎓

その通り。TET4は過剛(stiffness locking)の問題があって、本来の固有振動数より大幅に高く出る。15%のずれがあるとモードの順番が入れ替わることもある。例えば、本来は3次モードが問題なのに、TET4で計算すると4次モードになってしまうようなケースだ。固有値解析は最低でもTET10(2次要素)を使うこと。これは絶対のルールだ。

質量マトリクスの影響(FV52 $f_1$)

質量タイプNastran (Hz)Abaqus (Hz)Ansys (Hz)参照解比(%)
Consistent44.62044.62544.618+0.02
Lumped43.8543.8843.84-1.73
🧑‍🎓

Lumpedだと-1.73%低く出るんですね。Consistentのほうがいいということですか?

🎓

精度だけで見ればConsistentが上だ。ただし、Consistentは質量行列が非対角(full matrix)になるから計算コストが増える。実務的な判断としては:

計算効率の比較(FV52 10モード)

構成DOFNastran (秒)Abaqus (秒)Ansys (秒)
HEX8 x 粗9000.20.30.2
HEX8 x 中3,3000.50.60.5
HEX20 x 粗3,3000.80.90.7
HEX20 x 中12,6002.53.02.3
HEX20 x 細49,20012.015.011.0

結論と推奨事項

🎓

NAFEMS固有値ベンチマークの結論をまとめよう:

🧑‍🎓

よくわかりました! まずFV52を自分でやってみて、手計算と比較するところから始めます。

検証データの視覚化

理論値と計算値の比較を定量的に示す。誤差5%以内を合格基準とする。

評価項目理論値/参照値計算値相対誤差 [%]判定
最大変位1.0000.998
0.20
PASS
最大応力1.0001.015
1.50
PASS
固有振動数(1次)1.0000.997
0.30
PASS
反力合計1.0001.001
0.10
PASS
エネルギー保存1.0000.999
0.10
PASS

判定基準: 相対誤差 < 1%: 優良、1〜5%: 許容、> 5%: 要検討

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