スライディングメッシュ法 — 収束不良と結果検証
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典型的なトラブル
Sliding Mesh計算でよくあるトラブルは?
1. 初期発散
いきなりSliding Meshで非定常計算を始めると、初期の流れ場が未発達で発散しやすい。MRFまたはFrozen Rotorの定常解を初期値にすることで回避できる。
2. タイムステップが大きすぎる
CFLが大きいと発散しますか?
CFXの結合型ソルバーは陰的なのでCFL制限は緩いが、Sliding Mesh界面の補間精度はタイムステップに依存する。界面でのクーラン数が10を超えると補間精度が急激に劣化する。翼通過1ステップでの回転角度が5度以内になるようにする。
3. 界面のメッシュ密度不足
回転側と静止側で界面付近のメッシュ密度が大きく異なると、補間誤差が非定常計算で蓄積して振動やドリフトが発生する。界面前後のセルサイズは1:2以内に揃える。
結果検証のチェックリスト
Sliding Meshの結果をどう検証すればいいですか?
時間平均効率がMRFと大きくずれたら何が問題ですか?
2ポイント以上ずれる場合は、タイムステップ不足、メッシュ品質不良、または初期過渡の切り捨て不十分が考えられる。時間平均の開始点を十分に遅らせて(5回転以降から平均開始等)再評価すること。
スライディングメッシュCFDで非定常力が振動する——タイムステップとAMI補間の関係
スライディングメッシュCFDで「ロータへの力がタイムステップごとに大きく振動し、収束判定ができない」問題は、タイムステップとAMI補間の組み合わせに起因することが多い。ロータが1タイムステップで大きく回転すると、AMI界面のセル相対位置が大きく変わり補間エラーが発生する。ガイドライン:翼通過角度あたりのタイムステップ数を最低20ステップ以上確保すること(翼枚数Zと回転数Nから Dt_max = 1/(20*N*Z) を計算)。またロータ-ステータ力を「翼通過周期(BPP: Blade Passing Period)」で平均化することで短周期の数値振動を除去する。さらにAMI補間のorder(1次 vs 2次)を上げると振動が低減するが計算コストが増す——収束性の確認後に選択することが実務的な手順だ。
トラブル解決の考え方
「解析が合わない」と思ったら
- まず深呼吸——焦って設定をランダムに変えると、問題がさらに複雑になる
- 最小再現ケースを作る——スライディングメッシュ法の問題を最も単純な形で再現する。「引き算のデバッグ」が最も効率的
- 1つだけ変えて再実行——複数の変更を同時に行うと、何が効いたか分からなくなる。科学実験と同じ「対照実験」の原則
- 物理に立ち返る——計算結果が「重力に逆らって物が浮く」ような非物理的な結果なら、入力データの根本的な間違いを疑う
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