保存則 — CAE用語解説
保存則
先生、CFDの授業で「保存則」を満たすことが大事と言われたんですが、なぜそこまで強調されるんですか?
物理の根本法則だからだ。流体解析は連続の式(質量保存)、運動方程式(運動量保存)、エネルギー方程式(エネルギー保存)の3つをセットで解いている。これらを離散化するとき、保存則を局所的に満たすよう設計した手法(保存型定式化)を使わないと、計算格子を細かくしても解が正しい物理量に収束しないことがある。「保存型かどうか」はCFDコードの根幹設計に関わる問題なんだ。
定義
「保存型」と「非保存型」ってどう違うんですか?
具体的に言うと、保存型の連続の式はdiv(rho*u)=0 という発散形で書く。これをFVMで離散化すると、各セルの境界を通る質量流束の合計がゼロになる——つまりセルレベルで質量が完全に保存される。非保存型はrho*(div u)=0 のような形で書き直したもので、微分形は同じだが離散化すると各セルでの厳密な保存は保証されない。ショック波の位置計算や長時間積分では保存型が有利で、FVMは本質的に保存型の手法だ。
CFDにおける重要性
FEMは保存則を満たさないんですか?
FEMは弱形式(重み付き残差)で定式化するから保存則の満たし方がFVMと少し違う。要素レベルでの局所保存は一般に保証されないが、大域的には保存される。流体解析でFEMよりFVMが主流なのは、FVMの局所保存性が衝撃波・不連続問題で有利だから。ただし構造解析ではFEMが圧倒的に多い——固体では局所保存が問題になるケースが少なく、FEMの高次精度が優位になるから。適材適所だ。
実際のCFDコードで保存則が破れるとどうなりますか?
顕著な例は非構造格子での圧力-速度カップリングだ。Rhie-Chow補間を正しく実装しないと、コロケート格子でチェッカーボード状の圧力振動が発生する——これは局所的な質量保存が破れているサインだ。OpenFOAMはRhie-Chow補間を正しく実装しているが、自作のFVMコードやカスタム改造では油断すると保存則が崩れる。質量収支のチェック(inlet/outlet流量の差が1%未満か確認)は解析後の基本チェックの一つだよ。
関連用語
保存則は物理の根本なんですね。FVMとFEMの違いもイメージできました!
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