熱解析 — 自然対流
自然対流は、温度差による密度差だけで駆動される流れです。ファンレス機器の放熱・室内温熱環境・電力機器の冷却など「静かで信頼性の高い冷却」の物理であり、駆動力が弱いぶん、形状・姿勢・すき間寸法への感度が強制対流より高いのが特徴です。CFDでは浮力項の扱い(Boussinesq近似の適用限界)と、層流-乱流遷移の判定が精度の鍵になります。
収録記事「グラスホフ数・レイリー数相関」は、自然対流の強さを表す無次元数と、垂直平板・水平円柱・密閉空間の標準相関式(Churchill-Chu等)を整理します。「レイリー・ベナール対流」は、下面加熱層で臨界レイリー数(Ra≈1708)を超えると対流セルが自発形成される古典問題で、不安定性理論とCFD検証ベンチマークの両面から解説しています。