それがまさにハーゲン・ポアズイユの法則 $Q = \pi R^{4}\Delta P/(8\mu L)$ だ。針の半径 R の4乗、圧力差 ΔP に比例し、針の長さ L と薬液の粘性 μ に反比例する。R⁴ なのが効いていて、針径を半分にすると流量は 1/16 になる。だから医療現場で「太い針か細い針か」の選択は流量に決定的に効くんだ。
🙋
え、半径の4乗ですか!じゃあ管が少し細くなるだけで流れが激減するんですね。
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そうそう。動脈硬化で血管が少し狭くなるだけで血流が大きく落ちるのも同じ理屈だよ。シミュレーターで R を 2 mm から 1 mm にしてみて。流量がきっちり 1/16 になるのが確認できる。逆に圧力差 ΔP は1乗だから、これを倍にすると流量も倍にしかならない——「管を太くする」ほうが「圧力を上げる」よりずっと効率的だ。
いい質問だ。ハーゲン・ポアズイユ式は「層流である」という前提のもとでだけ正確に成り立つ。だから Re をモニタリングして「本当に層流域か?」を確認する必要があるんだ。目安は Re < 2300 が層流、2300〜4000 が遷移、4000 以上が乱流。デフォルト値で Re = 2000 と層流境界の近くだから、ΔP を上げていくと Re も比例して増え、いつか乱流域に入る。乱流域では別途、ダーシー・ワイスバッハ式とムーディー線図が必要になる——ぜひ「ムーディー線図」シミュレーターも試してみて。
よくある質問
層流ではナビエ・ストークス方程式の慣性項が無視でき、粘性項と圧力項のバランスだけで運動方程式が解析的に解けます。その解が放物線速度分布であり、断面積分から Q = πR⁴ΔP/(8μL) が導かれます。乱流になると慣性項に起因する乱流応力(レイノルズ応力)が支配的になり、解析解が存在しません。実用上は Re が約2300を超えると乱流に遷移するため、ハーゲン・ポアズイユ式は Re < 2300 で適用するのが基本です。それ以上では Q ∝ ΔP の線形関係が崩れ、Q ∝ √ΔP に近づきます。
次に多いのが、「半径と直径」「平均と最大」を取り違えることです。ハーゲン・ポアズイユ式に出てくる R は半径であり、直径 D ではありません。直径表記の式 Q = πD⁴ΔP/(128μL) と混同すると16倍の差が出ます。同様に Re = ρVD/μ は直径ベース、平均流速 V_avg は最大流速 V_max の半分、と細かい定義の違いを必ず確認してください。本ツールでは半径 R 入力・平均流速 V_avg・直径ベース Re で統一しています。