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熱工学シミュレーター

ヒートポンプ・冷凍機COP計算機

要点
ヒートポンプの理論上限はカルノーCOPで、暖房 COP_H = T_H/(T_H − T_L)、冷房 COP_cool = T_L/(T_H − T_L)(T=絶対温度 [K])。実機は COP_real = η·COP_Carnot(η=カルノー効率係数)で、温度差が小さいほど COP は高くなります。

高温側・低温側の温度とカルノー効率係数を調整して、ヒートポンプ・冷凍機・エアコンのCOP(成績係数)を即時計算。年間電気代試算まで対応。

モード選択
プリセット
温度条件
高温側 TH
°C
低温側 TL
°C
機器パラメータ
カルノー効率係数 η
消費電力 W
kW
計算結果
実COP—
カルノーCOP(理論上限)—
電気代の条件

電力量=W×時間、電気代=電力量×単価。固定したWでは、COPやηだけを変えても電気代は変わりません。初期値の8760時間・27円/kWhは仮定で、現在の契約単価ではありません。

一時停止中はスライダーを動かすと結果が即座に更新されます。

計算結果
—
実COP
—
カルノーCOP
—
QH (kW)
—
QL (kW)
—
ΔT (K)
—
年電気代(万円)
サイクル
COP比較

高温側とηを固定して低温側を変えた曲線です。点は現在の入力条件。流れる粒子は模式表現で、冷媒の流量や相状態の計算ではありません。

理論・主要公式
$$\text{COP}_\text{H,Carnot}= \frac{T_H}{T_H - T_L}$$ $$\text{COP}_\text{cool,Carnot}= \frac{T_L}{T_H - T_L}$$ $$\text{COP}_\text{real}= \eta \cdot \text{COP}_\text{Carnot}$$

ηは選択モードのCOPとカルノーCOPの比です。暖房/冷房を同じηで別々に計算した値の差は、一般に1にはなりません。同一サイクルの熱収支では常にQ_H−Q_L=Wです。

ヒートポンプ・冷凍機COPとは

🙋
「COP」って何ですか?電気代の計算で見たことがあるけど、数字が大きいほどお得ということですか?
🎓
その通り!大まかに言うと、電気1の力で熱を何倍取り出せるかの「お得度」を表す数字だ。例えば、このシミュレーターで「高温側」を20℃、「低温側」を5℃に設定してみて。暖房COP(カルノー)が約19.5になるはずだよ。
🙋
え、19倍も!?そんなに効率いいんですか?でも家のエアコンのカタログにはCOP「5」とか書いてあります。
🎓
そこがポイント!19.5は摩擦も損失もない「理想」の値。実機ではモーターのロスや配管抵抗があるから、実際のCOPはもっと低くなる。シミュレーターの「カルノー効率係数」を0.3から0.7の間で動かしてみると、右側の「実COP」がカタログ値に近づくのがわかるよ。
🙋
なるほど…。でも、冬の寒い日はエアコンの効きが悪いって聞きます。それはCOPと関係あるんですか?
🎓
大アリ!その感覚が物理そのものだ。外気温(低温側)が-10℃、室内(高温側)が20℃の状況をシミュレーターで作ってみて。暖房COP(カルノー)が約9.8まで下がるだろ?これに効率係数をかけると、実COPは3〜5程度。真夏の冷房時よりずっと低くなる。これが「寒いと効率が落ちる」理由だね。

よくある質問

本ツールは内部で自動的に摂氏を絶対温度(ケルビン)に変換して計算します。ただし、温度差が0に近いとCOPが極端に大きくなるため、現実的な範囲(例:高温側40℃、低温側0℃など)で入力することを推奨します。
このツールのηは、選択モードでの推定COPをカルノーCOPに対する比で指定するモデル入力です。入力範囲は0.30〜0.70で、機種の新旧や圧縮機形式と一対一に対応する値ではありません。同じ境界温度・運転条件の実測値がある場合に限り、モデルの目安として合わせてください。
電気代は入力電力W×年間の等価全負荷時間×円/kWhで計算します。COPから熱需要や消費電力を逆算していません。Wを固定するとηや温度だけでは電気代は変わりません。初期8760時間・27円/kWhは仮定であり、契約単価や運転条件に合わせて変更してください。
暖房時は高温側(室内)へ熱を供給するためCOP = T_H/(T_H−T_L)、冷房時は低温側(室内)から熱を除去するためCOP = T_L/(T_H−T_L)となります。本ツールでは動作モードを選択することで自動的に適切な式を適用します。

実世界での応用

家庭用エアコン(ヒートポンプ)の省エネ性能評価:カタログに記載されるAPF(通年エネルギー消費効率)は、年間を通じた平均的なCOPを表します。シミュレーターで夏と冬の温度条件を設定し、COPがどのように変動するかを確認することで、機器選定の参考になります。

業務用冷凍冷蔵庫の熱収支:冷凍庫側−20℃、周囲側30℃などの条件で、入力電力から吸熱量と放熱量を確認できます。必要な冷却能力から電力を自動選定する機能や、実機の性能曲線は含みません。

電気代の簡易見積もり:電気代は入力電力W×年間の等価全負荷時間×円/kWhで計算します。COPから熱需要や消費電力を逆算していません。Wを固定するとηや温度だけでは電気代は変わりません。初期8760時間・27円/kWhは仮定であり、契約単価や運転条件に合わせて変更してください。

省エネ政策・機器の基準設定:各国で実施されている省エネラベル制度(トップランナー制度等)では、特定の温度条件におけるCOPの最低基準値が定められています。シミュレーターは、その物理的な背景を理解するための教育ツールとしても活用できます。

よくある誤解と注意点

温度の単位:式の分子には必ず絶対温度を使います。高温側20℃は293.15K、低温側5℃は278.15Kです。温度差は15Kでも、293.15を20に置き換えて計算してはいけません。ツールでは273.15を足して変換しています。

カルノー効率係数ηの設定:ηは選択モードの対カルノー比を仮定する入力です。0.3を旧式、0.7を最新機種と対応づける尺度ではありません。同じ熱源温度・運転条件で実測COPが5、カルノーCOPが10なら、その条件での比は0.5です。条件が変われば同じηを使える保証はなく、機種の優劣をこの係数だけで判断できません。

固定電力と固定熱需要の違い:このツールの電気代は入力電力Wを固定して計算するため、COPを変えるだけでは変わりません。同じ熱需要を満たす機器を比較したい場合は、必要電力W=熱需要/COPを別途求め、運転時間と単価も揃えて比較してください。建物の負荷や季節変動は計算していません。

使い方ガイド

  1. 暖房・冷房・冷凍機を選びます。冷房と冷凍機は低温側から取り去る熱を有効出力とする、同じ式を使います。
  2. 高温側20〜80℃、低温側−30〜20℃、η=0.30〜0.70、入力電力0.5〜20kWを設定します。高温側は低温側より高くしてください。
  3. 高温側への放熱Q_Hと低温側からの吸熱Q_L、入力Wの関係Q_H−Q_L=Wを確認します。暖房で吸熱が正にならない設定は計算対象外と表示します。
  4. 「電気代の条件」を開いて年間の等価全負荷時間と円/kWhを指定します。共有URLにはモードと電気代の条件も含まれます。

入力して確認できる実例

「冷凍機」を選び、高温側40℃・低温側−20℃・η=0.70・電力20kWを入力します。低温側は253.15K、温度差は60Kなので、カルノーCOP=253.15/60≈4.22、推定COP≈2.95、吸熱Q_L≈59.07kW、放熱Q_H≈79.07kWです。差の20kWが入力電力に一致します。

年間2000時間・30円/kWhなら、20×2000×30=1,200,000円、表示は120.0万円です。初期条件の8760時間・27円/kWhでは473.0万円になります。Wを固定したままηを上げると取り扱う熱量が増え、この電気代は変わりません。同じ熱需要で比較する場合は必要電力W=熱需要/COPを別途評価してください。

モデルの前提と限界

定義と検算の出典: Introduction to Engineering Thermodynamics · Virginia Tech: energy use and cost

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