一時停止中はスライダーを動かすと結果が即座に更新されます。
フリスの伝達方程式で受信電力・SNR・リンクマージンをリアルタイム計算。BPSK〜64QAMの変調比較・雨減衰・大気吸収損失も含む。
一時停止中はスライダーを動かすと結果が即座に更新されます。
衛星通信のリンク設計:地球局と衛星間の超長距離通信の成立可否を検討します。可視範囲や降雨減衰(ITU-Rモデル)を考慮し、必要なアンテナサイズ(利得)や送信出力を決定する際の基本計算ツールとして使われます。
5G/6G基地局のネットワーク計画:ミリ波帯を用いる5Gでは、路損失が大きく、建物や人体の遮蔽の影響が深刻です。カバレッジエリアをシミュレーションし、基地局の最適な配置間隔や、ビームフォーミングによるアンテナ利得の効果を評価します。
IoTデバイスのバッテリー寿命見積もり:LPWA(省電力広域)ネットワークに接続するセンサーデバイスでは、最小限の送信電力で最大通信距離を達成する設計が求められます。リンクバジェット計算から必要な送信電力を決め、消費電力とバッテリー容量の設計にフィードバックします。
CAE(電磁界解析)との連携:FDTD法やモーメント法によるアンテナの詳細な電磁界解析で得られた「放射パターン」や「実効利得」の値を、この計算機の $G_t$ や $G_r$ に入力します。これにより、個々のアンテナ性能がシステム全体の通信可能距離に与える影響を、システムレベルで素早く評価できます。
この計算ツールは強力ですが、いくつかの落とし穴があります。まず、「計算結果がプラスなら絶対に通信できる」と考えるのは危険です。フリスの公式は「見通し(LOS)環境」が前提。実際には、木やカーテン、さらには人が通るだけで数dBの損失が発生します。例えば、2.4GHz帯で、計算上は10dBのマージンがあっても、オフィスのパーティションを1枚挟むだけで簡単に吹き飛びます。次に、アンテナ利得[dBi]の意味を誤解しないでください。dBiは「等方性アンテナ(全方向に均等に放射する仮想アンテナ)に対する相対値」です。10dBiのアンテナはパワーを増幅する魔法の装置ではなく、電波を特定方向に「絞る」ことで実現する相対的な強さです。最後に、送信電力[dBm]と消費電力[W]は別物です。回路の消費電力が大きくても、アンテンへの給電効率が悪ければ送信電力は小さくなります。データシートの「送信出力」と「消費電力」は必ず区別して確認しましょう。
衛星リンク(雨減衰考慮):送信電力Pt=40 dBm、周波数f=12 GHz(Ku帯)、距離d=38,000 km、送信ゲインGt=50 dBi、受信ゲインGr=40 dBi、雑音指数NF=2 dB、帯域幅BW=36 MHz、その他損失1 dB、降雨減衰3 dBの場合、自由空間損失L_fs≈205.6 dBで受信電力Pr≈−79.6 dBmとなります。雑音フロアN_floor≈−96.4 dBmからSNR≈16.8 dBが得られ、QPSK(所要SNR≈10.5 dB、BER=10⁻⁶)ではリンクマージンM≈+6.3 dBで通信が成立します。