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振動・波動

騒音マップ作成・ISO 9613-2準拠

複数点音源・遮音壁・地面減衰を考慮したISO 9613-2音伝搬モデル。2D等音線マップ・Lden算定・EU騒音規制比較をリアルタイム可視化。

音源設定
地面種別
受音点高さ Hr
m
遮音壁高さ Hw
m
遮音壁距離 dw
m
夜間割増 (Lnight)

一時停止中はスライダーを動かすと結果が即座に更新されます。

ライブ騒音フィールド(音源が放射・合成される様子)
<40
>80 dB
マップ上をクリック/ドラッグすると受音点(◎)を移動できます。等音線は55/60/65/70 dBの等高線です。
計算結果(ライブ)
最大SPL (dB)
受音点SPL (dB)
>65dB面積 (m²)
>55dB面積 (m²)
有効音源数
EU規制適合
騒音マップ(x-y平面・詳細)
<40
>80 dB
SPL vs 距離(各音源)
理論・主要公式

点音源の音圧レベル:$L_p = L_W - 20\log_{10}r - 11 + D_I - A_{atm}- A_{gr}$

大気吸収:$A_{atm}= \alpha \cdot r / 100$ ($\alpha \approx 3.5$ dB/100m at 1 kHz)

地面減衰:$A_{gr}= 3\,G_m$ dB(軟地面ほど減衰大、低周波成分)

前川式(遮音壁):$\Delta L \approx 10\log_{10}(3+20N)$、$N = 2\delta/\lambda$

複数音源合算:$L_{sum}= 10\log_{10}\!\sum_i 10^{L_{pi}/10}$

騒音マップ作成・ISO 9613-2準拠とは

🙋
騒音マップって、地図の上に色がついてるやつですよね。あれってどうやって計算してるんですか?
🎓
大まかに言うと、音源から離れるほど音が小さくなる「減衰」を、国際規格(ISO 9613-2)に基づいて計算して色分けしているんだ。このシミュレーターでは、上のスライダーで「地面種別」を「硬い地面」から「柔らかい草地」に変えると、地面で吸収される音の量が変わって、マップの色が広がり方が変わるよ。操作してみて。
🙋
え、地面の種類で音の伝わり方が変わるんですか?あと、パラメータにある「遮音壁」って効果は大きいんですか?
🎓
そうなんだ。コンクリートの地面は音を反射するから遠くまで響くけど、草地は吸収してくれる。遮音壁の効果は現場では非常に重要で、高さ(Hw)や音源からの距離(dw)をほんの数メートル変えるだけで、壁の裏側の騒音レベルが5dB以上変わったりする。右のパネルで遮音壁の高さを上げてみると、音源の後ろにできる「音影領域」がはっきりと青く(静かに)なるのがわかるよ。
🙋
LdenとかLnightって聞きますが、あれはどうやって決めてるんですか?このツールでも計算できるんですか?
🎓
LdenはEUの環境アセスメントでよく使われる24時間の平均騒音指標だ。夕方と夜間は静かにしてほしいから、それぞれ+5dB, +10dBの「ペナルティ」を加えて計算する。このツールでは、各音源の「夜間割増」チェックボックスをオンにすると、その音源の計算に+10dBが加算される。複数の工場や道路の騒音を、時間帯を考慮して重ね合わせたマップを作れるんだ。

よくある質問

本ツールはISO 9613-2に基づくエネルギー和(パワー和)で計算するため、位相干渉は考慮しません。各音源の寄与をdBで加算するため、実用的な騒音評価には十分対応できます。
左パネルの「遮音壁高さ Hw」と「遮音壁距離 dw」を設定してください。ツールが前川式の回折減衰を自動計算し、等音線マップに反映します。Hwを0より大きくすると壁背後に音影領域が現れます。
ISO 9613-2の地面減衰モデルに従い、ユーザーが指定した地面タイプ(例:硬質/軟質/草地)と音源・受音点の高さから周波数帯域別に計算されます。軟質地面ほど低周波で減衰が大きくなります。
左パネルの「夜間割増 (Lnight)」で昼間(補正なし)・夕方(+5dB)・夜間(+10dB)を選択でき、選択した割増がSPLに加算されます。区分の境界時刻はEU指令の標準値(昼07-19時/夕19-23時/夜23-07時)を前提としています。

実世界での応用

工場・発電所の環境アセスメント:新設や拡張に伴い、周辺住宅地への騒音影響を予測・評価します。複数の換気扇やポンプを点音源として配置し、遮音壁の最適な高さと位置をこのツールで試行錯誤しながら設計します。

道路・鉄道騒音の予測マップ作成:EU騒音指令に基づく「戦略的騒音マップ」の作成にISO 9613-2が採用されています。道路を線音源として複数の点音源でモデル化し、時間帯別(Lden, Lnight)の影響範囲を可視化します。

空港周辺の土地利用計画:航空機の離着陸経路下の騒音曝露を評価します。飛行経路を連続する移動点音源と見なしてシミュレーションし、学校や病院の立地が規制値(Lden 55dB等)を超えないか確認する際の概算ツールとして活用されます。

詳細なCAE音響解析の前処理・検証:大規模な境界要素法(BEM)や有限要素法(FEM)を用いた詳細な音響解析を行う前に、本ツールで音の伝播傾向や遮音壁の大まかな効果を把握します。計算コストの高いCAE解析の入力条件(重要領域の特定)を決めるのに役立ちます。

よくある誤解と注意点

まず、「騒音マップは絶対的な予測値ではない」という点を押さえておこう。このツールは規格に基づく「標準的な計算」をしているが、実際の現場では地形の凹凸や建物の複雑な反射、風や気温の影響が大きく加わる。例えば、計算上は「草地」で設定しても、実際に雨で濡れていれば吸音特性は変わる。あくまで初期検討や比較評価のための「指標」として使うのが正解だ。

次に、点音源の仮定。このツールは音源を「点」として扱うが、実在する大型ファンや変圧器は「面音源」だ。無理に点で近似すると、近距離の予測が大きく外れることがある。例えば、辺の長さが数メートルもある機械は、少なくともそのサイズの2倍以上離れた地点での予測に使うのが目安だ。

最後に、パラメータ入力の単位とスケール感。遮音壁の高さ「Hw」を1mから2mに変える効果と、音源のパワーレベル「Lw」を80dBから85dBに変える効果は、初学者には比較しづらい。実は、Lwの5dB増加は音のエネルギーが約3倍になることを意味し、遮音壁による減衰量を簡単に上回ってしまう。小さな遮音壁の検討より、まず音源そのものを低騒音化できないか検討する方が効果的、というケースも多いんだ。

使い方ガイド

  1. 受音点高さ(hr)と遮音壁高さ(hw)をメートル単位で入力し、遮音壁距離(dw)を10~200m範囲で設定します
  2. 最大3つの音源について、各々の音圧レベル(Lw:dB)、X/Y座標を指定し、チェックボックスで有効化します
  3. 地盤減衰(G係数0~1)、遮音壁高さと減衰量を設定後、計算実行ボタンでISO 9613-2式に従い幾何減衰(-20logr)、大気吸収(αd)、地面効果(Cf)を自動演算します
  4. Ldenカーブ表示と>65dB、>55dB領域面積をリアルタイム更新し、EU騒音規制(Lden≦55dB)への適合判定を確認できます

具体的な計算例

工場敷地内で複数圧縮機を想定:音源1(Lw=90dB)、音源2(Lw=85dB)、受音点高さ1.5m、地盤(Gm=0.5混合地面)、遮音壁(高さ3m)配置時、距離30mでの計算:幾何拡散=20log(30)+11≒40.5dB、大気吸収(α=3.5dB/100m)≒1.1dB、地面減衰=3×Gm≒1.5dB、遮音壁の前川式回折減衰を合算すると、受音点SPLは約47dB(障壁なし)となります。遮音壁を高くするほど壁背後の音影領域でさらに減衰し、>65dB・>55dB面積が縮小する様子をマップで確認できます

実務での注意点

  1. ISO 9613-2は相対湿度45~90%、気温15℃付近での標準値を使用;冬季乾燥時は大気吸収が増加するため結果が5dB程度異なる可能性があります
  2. 地盤減衰係数Gは舗装路(G≒0)、草地(G≒0.6)、耕作地(G≒1.0)で大きく変動するため、現地踏査で正確に判定してください
  3. 複数音源を重ね合わせる際、10dB以上差がある場合は大きい方が支配的となるため、小さい音源の微調整は実質影響しません
  4. 建設機械の騒音は瞬間最大値(Lpeak)ではなく等価騒音レベル(Leq)をLwに換算して入力し、時間加重平均(朝6時~22時、夜22時~6時)でLden算定します
  5. 遮音壁背後の計算点では回折損失を考慮していますが、多重反射は簡略化されるため、反射面(建物壁)が複数ある場合は別途詳細解析が必要です