CO2排出量・LCA計算 戻る
環境・エネルギー

CO2排出量・ライフサイクル評価ツール

電気・都市ガス・輸送・建材などの活動量からIPCC Tier 1手法でCO2排出量を計算。ネットゼロ達成年数・植林換算・カーボンオフセット量を算出。

活動量入力
プリセット
電力消費量
kWh/年
都市ガス
m³/年
灯油/重油
L/年
LPG
kg/年
乗用車走行距離
km/年
国内航空便
往復/年
国際航空便
往復/年
鉄鋼使用量
t/年
コンクリート
t/年
削減目標 (%/年)
%/年
計算結果
合計 (tCO2/年)
1人当たり (tCO2)
最大排出源
必要植林本数
排出源別内訳
ネットゼロ経路
排出源別内訳リスト
ベンチマーク比較
理論・主要公式

排出量 $E = A \times EF$

($A$: 活動量, $EF$: 排出係数)

電力:$EF_{elec}$ = 国別係数 (kg-CO2/kWh)

都市ガス(CH₄主成分):$EF = 2.23$ kg-CO2/m³

乗用車:$EF = 0.168$ kg-CO2/km(ガソリン普通車)

CO2排出量・ライフサイクル評価ツールとは

🙋
「ライフサイクル評価」って何ですか?製品を作る工場だけのCO2を計算するのではないんですか?
🎓
大まかに言うと、製品の「一生」にかかる環境負荷を全部足し算する考え方だよ。例えば電気自動車(EV)の場合、工場で車体を作る時の排出(スコープ1)だけでなく、走行に使う電気を作る発電所の排出(スコープ2)、さらに鉄やアルミなどの素材を作る時の排出(スコープ3)まで含めるんだ。このツールの「建材内包炭素」のパラメータを動かすと、まさにそのスコープ3の影響がわかるよ。
🙋
え、そうなんですか!じゃあ「国別電力排出係数」って、電気の作り方で結果が全然変わるということ?
🎓
その通り!実務ではこれが一番大きい違いになることが多いね。フランスのように原子力が多い国と、石炭火力が多い国では、同じ1kWhの電気を使ってもCO2排出量が10倍も違う。このシミュレーターで「電力消費量」はそのままに、国を変えてみてごらん。ネットゼロに必要な年数が大きく変わるから。
🙋
「削減目標」のスライダーを動かすと、グラフの曲線が変わりますね。これはどういう計算をしてるんですか?
🎓
あれは、毎年一定の割合で排出量を減らしていったら、あと何年でネットゼロ(実質排出量ゼロ)に到達するかを計算しているんだ。例えば「削減目標」を5%/年に設定すると、排出量は毎年0.95倍になっていく。この指数関数的な減少をシミュレートして、累積排出量と到達年数を出しているんだよ。企業がSBT(科学的根拠に基づく目標)を設定する時にも、同じような考え方を使うんだ。

よくある質問

各カテゴリごとに指定された単位(電力はkWh、ガスはkg、輸送はkm、建材はkgなど)で入力してください。ツール内部で排出係数と掛け合わせる際に自動的に統一単位に変換されます。不明な場合は、お使いの請求書や仕様書の単位をそのままご利用ください。
IPCC Tier 1は、国連の気候変動パネルが定める最も基本的な算定手法で、活動量に標準的な排出係数を掛けるシンプルな計算式です。詳細な地域データが不要で、誰でも簡単にCO2排出量を推定できるため、初期評価や概算に最適です。
削減目標率は、年間で何%ずつ排出量を減らすかを示す数値です。例えば「5%」と入力すると、毎年5%ずつ排出量が減少するモデルで計算されます。目標は自社の脱炭素計画や業界基準を参考に設定してください。数値が大きいほど早期にネットゼロに到達します。
このツールの植林換算やオフセット量は、排出量を視覚的に理解するための参考値です。実際のカーボンクレジット購入やオフセットプログラムへの参加には、認証機関が発行するクレジットが必要です。本ツールの数値を基に、専門のオフセット事業者へ相談されることをお勧めします。

実世界での応用

製品設計・CAE連携:CAEで設計した製品の重量や使用材料量をこのツールに入力し、製造段階(スコープ3)の内包炭素を即座に評価できます。例えば自動車のボディを鋼鉄からアルミニウムに変更した場合のCO2増減を、強度解析と並行して環境面から検討できます。

企業の環境経営・SBT設定:本社ビルの電力・ガス使用量(スコープ1&2)と、従業員の出張・通勤、購入資材(スコープ3)のデータを入力することで、企業全体のカーボンフットプリントを算定し、科学的根拠に基づく削減目標(SBT)の策定を支援します。

都市・施設計画:新しい街区の開発計画において、想定される電力需要、住民の交通量、建設に用いるコンクリートと鉄鋼の量をパラメータとして与え、計画全体のライフサイクルCO2排出量を事前にシミュレーション・比較できます。

個人のカーボンライフ管理:家庭の光熱費(電気・ガス)の請求額から消費量を推定し、車の走行距離や飛行機の利用回数と合わせて入力することで、個人・世帯レベルの年間CO2排出量を「見える化」し、効果的な削減行動を考えるきっかけを作ります。

よくある誤解と注意点

まず最初に、「このツールの結果が絶対的な正解だ」と思わないでください。これはあくまで「見積もり」のツールです。特に「活動量」の入力値の精度が結果を大きく左右します。例えば、自宅のガス使用量を「感覚で」月額5,000円と入力するのと、検針票を見て正確にm³単位で入力するのとでは、計算結果が大きく変わることがあります。まずは手元にある確かなデータ(請求書、走行距離計など)から始めるのが鉄則です。

次に、「スコープ3」の範囲は無限にあるという点。このツールでは「建材内包炭素」など主要な項目を扱えますが、例えばオフィスで使うコピー用紙や、サーバーの電力消費など、全てを網羅することは現実的ではありません。このツールの目的は、「どこに大きな排出源(ホットスポット)が潜んでいるかを発見し、優先順位をつける」ことです。全てを完璧に計算しようとすると前に進めなくなるので、まずは影響が大きそうな項目から着手しましょう。

最後に、削減目標のシミュレーションについて。5%/年の削減を設定するとグラフが綺麗に下がりますが、これは「技術的・経済的に毎年確実に達成できる」という保証ではありません。初期の省エネ改修は効果が大きいですが、年を重ねるほど削減が難しくなるのが普通です。シミュレーション結果は「このペースを維持できれば」という理想的なケースであり、実務では段階的な目標(初期は大幅削減、後期は微調整)を組み合わせて計画する必要があります。