ランキンサイクル(4状態点):
タービン仕事:$w_t = \eta_t(h_1 - h_{2s})$
ポンプ仕事:$w_p = v_f(P_{high}-P_{low})/\eta_p$
入熱量:$q_{in}= h_1 - h_4$
$$\eta_{th}= \frac{w_{net}}{q_{in}}= \frac{w_t - w_p}{q_{in}}$$水蒸気物性は多項式近似(IAPWS-IF97ベース簡略版)で計算
ボイラー圧力・復水器圧力・タービン効率を設定して熱効率・T-s線図をリアルタイム計算。再熱サイクル対応。火力発電・蒸気タービン設計に活用。
ランキンサイクル(4状態点):
タービン仕事:$w_t = \eta_t(h_1 - h_{2s})$
ポンプ仕事:$w_p = v_f(P_{high}-P_{low})/\eta_p$
入熱量:$q_{in}= h_1 - h_4$
$$\eta_{th}= \frac{w_{net}}{q_{in}}= \frac{w_t - w_p}{q_{in}}$$水蒸気物性は多項式近似(IAPWS-IF97ベース簡略版)で計算
超臨界圧火力発電所の設計最適化:ボイラー圧力を25MPa以上の超臨界圧に高め、再熱サイクルを組み合わせることで、熱効率45%以上を実現します。このシミュレーターで圧力と再熱の効果を確認し、最適な運転条件を探る基礎となります。
地熱発電や廃熱回収(ORC):地熱熱水や工場の排熱など、中低温の熱源を利用する場合、水ではなくペンタンなどの有機媒体を使う「有機ランキンサイクル(ORC)」が採用されます。基本的なサイクル解析の考え方は、この水蒸気サイクルシミュレーターと共通です。
産業用蒸気タービンの効率改善:製鉄所や化学プラントでは、工程で発生する蒸気をタービンで発電に利用します。タービン効率やポンプ効率のパラメータを変えて、設備更新による省エネ効果を簡易評価できます。
原子力・太陽熱発電のサイクル解析:原子炉や太陽熱集熱装置が「熱源」、復水器が「冷源」となるランキンサイクルです。熱源温度の制約(原子力は約300℃)を「ボイラー出口温度」パラメータで設定し、可能な熱効率の限界を考察するのに役立ちます。
このツールを使い始める際、特に学習目的の方はいくつかつまずきやすいポイントがあります。まず「ボイラー圧力を上げれば上げるほど効率が良くなる」という単純な思い込み。確かに圧力差は効率向上の鍵ですが、例えばボイラー圧力を30MPa以上(超臨界圧)に設定すると、ツール上では効率が頭打ちになるか、場合によっては微減することに気づくはずです。これは材料強度の限界やポンプ仕事の増加、そしてタービン出口での蒸気の「乾き度」の低下が主な原因。湿り蒸気はタービン翼を侵食するので、現実の設計では乾き度0.88以下にならないように調整します。「再熱」はこの問題を解決するための必須技術なんです。
次に、「ポンプ仕事は無視できるから」とポンプ効率を100%のままにしておくこと。学習用の理想サイクルではそれで構いませんが、実機を想定するならポンプ効率も70〜85%程度に下げてみましょう。全体の効率への影響は小さいですが、ネット仕事($$w_{net} = w_t - w_p$$)が確実に減少し、特に低圧・低温のサイクル(例えば地熱発電)では無視できないコスト要因になることが体感できます。
最後に、T-s線図上の「点」と「実際の機器」の対応関係の見落とし。線図上の1→2の過程が「タービン」だと理解していても、その線が「等エントロピー線」からどれだけ右にずれているか(エントロピー増加)が、タービン内部の摩擦や漏れ、冷却損失の総和を表している、という視点が大切です。タービン効率を85%から90%に上げるということは、この「ずれ」を小さくする、つまり何億円もの設計改良を意味するんだ、という実感を持って操作してみてください。