設計式
ボルトすべり耐力: $R_b = \mu \cdot n_f \cdot N_0 \cdot n_b$(μ=0.45, $n_f$=1 せん断面)
溶接のど厚: $a = 0.707 s$
$R_w = f_w \cdot a \cdot L_w$
($f_w$=195 N/mm²)
ボルトすべり耐力と溶接耐力をリアルタイムに計算します。ボルト配置を可視化し、利用率の色分けで支配的な破壊モードを確認できます。
ボルト群のすべり耐力は、締め付けられた鋼板間で発揮できる摩擦力の合計で決まります。摩擦係数、摩擦面数、各ボルトの導入軸力、ボルト本数が主な支配因子です。
$$R_n = \mu \times n_f \times N_0 \times n_b$$Where:
$R_n$ = 公称すべり耐力
$\mu$ = すべり係数
$n_f$ = 摩擦面数
$N_0$ = ボルト導入軸力
$n_b$ = ボルト本数
すみ肉溶接の耐力は、有効のど断面に作用するせん断応力に基づいて評価します。有効のど厚は、溶接ルートから表面までの最短距離です。
$$P_w = 0.707 \times s \times L \times F_{w}$$Where:
$P_w$ = 溶接耐力
$s$ = 溶接脚長
$L$ = 有効溶接長
$F_{w}$ = 溶接金属の設計強度
$0.707 \times s$ が有効のど厚に相当します。
鋼橋: 繰返し荷重や疲労が問題になる部材では、すべりを抑える摩擦接合が重要です。大型車両の通行で接合面が微小に動くことを防ぎます。
高層建物の骨組: 梁柱接合部では、溶接と高力ボルトを組み合わせて曲げ・せん断を負担する構成がよく使われます。
クレーン走行梁: 移動荷重による繰返し作用が大きいため、接合部のすべりやボルト疲労を防ぐ設計が必要です。
風力タワー: フランジ接合に多数の高力ボルトを用い、大きな曲げモーメントに対して接合面が開いたりすべったりしないよう設計します。
ボルト本数を2倍にすれば単純に耐力も2倍とは限りません。ボルト群の偏心や荷重経路によって、各ボルトの負担は均等にならない場合があります。
溶接サイズの指定にも注意が必要です。脚長6mmの場合、有効のど厚は約4.2mmです。溶接長が短すぎると端部欠陥の影響が相対的に大きくなり、計算上の性能を得にくくなります。
利用率100%未満なら絶対安全というわけでもありません。このツールは主に静的耐力を扱うため、実務では疲労、施工品質、変形能力、地震時の靱性なども別途確認します。
H形鋼柱脚接合部設計:F10T M20ボルト12本(nb=20mm、nbNum=12)、軸力700kN、せん断力150kN、隅肉溶接6mm×900mm(ws=6、wl=900)の場合、ボルト耐力825kN、溶接耐力840kNとなり、両者の利用率はそれぞれ85%、78%と算出されます。この結果により、高力ボルトが支配的な部材となることが確認でき、ボルト配置の最適化が必要と判断できます