CLT — CAE用語解説
CLT
先生、CLTって複合材料の理論ですか? 炭素繊維強化プラスチックに使うんですよね?
そう、CLT(Classical Laminate Theory / 古典積層板理論)はCFRP(炭素繊維強化プラスチック)やGFRP積層板の力学的挙動を予測する理論だ。各プライ(一層の繊維+樹脂の薄板)を角度を変えて積み重ねた積層板の剛性・強度を計算できる。航空機の翼・胴体パネル、レーシングカーのシャシー、風力タービンブレードなど軽量高剛性が求められる構造に不可欠な理論だ。
定義
プライの角度を変えるとどんな効果があるんですか?
積層構成(スタッキングシーケンス)を最適化することで、等方性材料では不可能な特性が作れる。例えば[0/90/±45]sという対称積層では面内方向に近い等方性を持たせられる。[0/90]のみだと90°方向の剛性が0°の1/10以下になるから方向依存が強くなる。CLTの[A/B/D]マトリクス(膜剛性・連成剛性・曲げ剛性)を計算することで、荷重に対する面内変形・曲げ・ねじれの結合挙動を予測できる。
FEMとの連携
FEMで積層材を解析するときはどうするんですか?
シェル要素に積層定義を与える方法が主流だ。AbaqusならComposite Section、AnsysならACP(Ansys Composite PrepPost)で各プライの材料・角度・厚さを定義すると、CLTに基づいた等価板剛性が自動計算される。破壊判定にはTsai-Wu基準やHashin基準がよく使われる——これらは繊維破断・マトリクスクラック・層間はく離を別々に評価する。プライ間の層間せん断を捉えるには3Dソリッド要素やCoHesive層間要素が必要になる。
実際の製品設計ではCLTだけで十分なんですか?
CLTは面内・曲げ応力の予測には強いけど、端部(エッジ)や切り欠き近傍の層間応力、衝撃後圧縮強度(CAI)、デラミネーション進展は扱えない。実務では「概念設計→CLTで積層最適化→3D FEM+破壊則で詳細検討→試験検証」という段階的プロセスが標準だ。航空機部品は最終的に材料認定試験(クーポン→要素→サブコンポーネント→フルスケール)まで必要で、解析だけでは認証が下りないよ。
関連用語
複合材料設計って理論と実験の両輪が必要なんですね!
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