DO-160 — CAE用語解説
DO-160
先生、DO-160って航空機の試験規格って聞いたんですが、CAE解析に関係があるんですか?
DO-160(正式名称:RTCA DO-160)は航空機搭載電子機器の環境条件と試験手順を定めたRTCAの規格だ。振動・衝撃・温湿度・EMI(電磁干渉)など20以上のカテゴリの試験方法を規定している。CAEとの関係は「実物試験の前に計算機シミュレーションで適合性を事前予測する」ところにある。特に振動カテゴリのランダム振動試験はFEM解析と直結していて、電装ユニットの実装強度や基板の共振周波数を事前に評価するために使うんだ。
定義
航空機の振動ってどのくらい厳しい条件なんですか?
DO-160のカテゴリSは最も厳しいランダム振動レベルで、パワースペクトル密度(PSD)0.04 g²/Hz程度のブロードバンド振動を3軸それぞれ1〜2時間かける。エンジンマウント近傍の機器になるとさらに厳しい。FEM解析ではこのPSD入力を使って応答スペクトル解析を行い、はんだ接合部の疲労寿命やコネクタ保持力を評価する。ただし解析だけで認証は取れなくて、最終的には実機試験が必要——解析は「試験前の設計改善」と「試験ポイントの絞り込み」に使う形だ。
航空宇宙解析における役割
電子機器の振動解析って、機体の構造解析と何が違うんですか?
機体構造解析はNASTRANで大規模FEM(数百万DOF)を解くのが主流だけど、電装品の解析は「プリント基板+コンポーネント」という複雑な実装を対象にする。部品のはんだ接合部に発生する応力を精度よく評価するには、基板の直交異方性(ガラスエポキシGFRPの繊維方向)と実装部品の質量・剛性を正確にモデル化する必要がある。DO-160試験に落ちると改版・再試験でコストが跳ね上がるから、事前FEM解析への投資対効果は高いんだ。
EMI(電磁干渉)の試験もシミュレーションで事前評価できるんですか?
できる。DO-160のSection 21(電磁放射)やSection 20(伝導感受性)に対しては、CST StudioやAnsys HFSS、SIwaveを使った電磁界シミュレーションで事前評価できる。筐体のシールド効果、基板の電源インピーダンス、ケーブルのコモンモードノイズなどを解析して、試験前に問題箇所を特定する。avionicsの開発では「DV(設計検証)試験前にシミュレーションでスクリーニング」というプロセスが定着してきているよ。
関連用語
なるほど、認証試験の事前検証ツールとしてCAEが活躍するんですね!
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