比吸収率 — CAE用語解説

カテゴリ: 用語集 | 2026-01-15
CAE visualization for sar - technical simulation diagram

比吸収率

🧑‍🎓

先生、スマホの新機種開発で「SAR規制をクリアしないと販売できない」って聞いたんですけど、SARって何ですか?


🎓

SAR(Specific Absorption Rate / 比吸収率)は、電磁波が人体の組織にどれだけエネルギーを吸収させるかの指標だ。単位はW/kgで、これが基準値を超えると人体への影響が懸念される。


🧑‍🎓

基準値ってどのくらいなんですか?


🎓

国際的にはICNIRPの基準で、頭部と胴体で10g平均2.0 W/kgが上限。アメリカのFCC基準だと1g平均1.6 W/kg。スマホのアンテナ設計ではこれをクリアしつつ通信性能を確保するのが一番の難所だよ。


🧑‍🎓

どうやってシミュレーションするんですか? 人体の形って複雑ですよね。


🎓

FDTD法が主流だね。MRIデータから作った人体のボクセルモデル(皮膚、筋肉、骨、脳…と組織ごとに電気特性が違う)にスマホを近づけて電磁界解析する。計算規模としては数千万セルになることもあるよ。


🧑‍🎓

スマホ以外にもSARを気にする製品ってあるんですか?


🎓

ウェアラブル端末、ワイヤレスイヤホン、MRI装置なんかもそう。特にMRIは強力な電磁波を使うから、患者の体温上昇をSARで管理している。EMCとセットで電磁環境安全を考える必要がある分野だ。


🧑‍🎓

SAR試験って実測もするんですか?


🎓

認証には実測が必須だよ。人体模型に電気特性を模した液体を入れて、電界プローブで測定する。ただし実測は1条件ずつしか測れないから、設計段階ではシミュレーションでアンテナ位置を最適化して、最終確認だけ実測する流れが効率的だね。


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