比散逸率 — CAE用語解説
比散逸率
k-ωモデルの「ω」って何を表しているんですか?散逸率εとは違うんですよね?
ωは「比散逸率」で、乱流運動エネルギーkが散逸する「頻度」のようなものだよ。ω = ε/k という関係で、単位は[1/s]。εが乱流エネルギーの散逸速度[m²/s³]なのに対して、ωは乱流の「時間スケールの逆数」と考えるとイメージしやすい。
定義
なぜεではなくωを使う乱流モデルが存在するんですか?
壁面近傍の振る舞いが全然違うんだ。εは壁面でゼロにはならず、勾配条件が必要で扱いが難しい。一方ωは壁面で自然な境界条件を設定でき、低Reynolds数効果も追加ダンピング関数なしで表現できる。だからk-ωモデルは壁面境界層の計算に強いんだよ。例えばタービン翼の表面近傍の流れを精度よく計算したいときに重宝する。
流体解析における役割
でもk-ωモデルにも弱点があるって聞きましたけど…
鋭いね。Wilcoxのオリジナルk-ωモデルは自由流の境界条件に対して解が敏感に変わるという欠点がある。入口で設定するωの値によって結果が大きく変動してしまうんだ。この問題を解決したのがMenterのSST k-ωモデルで、壁面近傍ではk-ω、壁から離れた領域ではk-εに切り替える仕組みになっている。
ωの輸送方程式もNavier-Stokes方程式と連立して解くよ。
入口でωの値を設定するとき、どう決めればいいんですか?
乱流強度Iと乱流長さスケールlから、k = 1.5·(U·I)²、ω = k^0.5 / (C_μ^0.25 · l) で計算するのが一般的。工業用CFDではI=5%、l=水力直径の7%くらいがよく使われるデフォルトだけど、実験データがあればそちらを使うべきだね。
関連用語
εとωの関係がわかってきました。関連する乱流モデルも整理したいです。
散逸率εとの違いを意識しつつ、k-ωモデルとSST k-ωモデルをセットで理解するのがポイントだよ。
ωの壁面近傍での利点がわかりました。実務ではSST k-ωを使うことが多いので、まずは入口条件の設定を見直してみます。
いいね。入口のωの値が結果にどう影響するか感度解析してみると、モデルの特性がよくわかるよ。
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