SGSモデル — CAE用語解説
SGSモデル
先生、LESの論文で「SGSモデル」って出てくるんですけど、これって何のモデルですか?
SGSはSub-Grid Scaleの略で、メッシュで解像できないくらい小さい渦の効果をモデル化するものだ。LESでは大きな渦は直接計算するけど、格子幅より小さい渦は計算できないから、そこをSGSモデルで補う仕組みだよ。
小さい渦を無視しちゃダメなんですか?
小さい渦はエネルギーを散逸させる役割があるんだ。無視すると計算にエネルギーが溜まりすぎて発散しちゃう。SGSモデルはこの散逸効果を渦粘性の形で表現するのが基本的な考え方だよ。
Smagorinskyモデルっていうのをよく見かけますけど、どんな仕組みですか?
一番古典的なSGSモデルだね。SGSの渦粘性を $\nu_{sgs} = (C_s \Delta)^2 |\bar{S}|$ で計算する。$\Delta$ はフィルタ幅(大体メッシュサイズ)、$|\bar{S}|$ はひずみ速度テンソルの大きさ、$C_s$ は定数で0.1〜0.2くらい。シンプルで実装しやすいのが強みだ。
定数が固定って、問題によって変えなくていいんですか?
そこが弱点でね。壁近くでは散逸が強すぎて層流遷移を再現できなかったりする。それを解決するのが動的モデル(Dynamic Smagorinsky)で、$C_s$ を流れ場に応じて自動調整してくれる。チャネル流とかでの精度はかなり上がるよ。
WALEモデルっていうのも聞いたことがあります。これは何が違うんですか?
WALEは壁近くで自然に渦粘性がゼロに近づく性質を持っていて、ダンピング関数なしで壁面の挙動を扱える。回転流でも過剰に散逸しないから、自動車の外装まわりとか建物の風解析では人気がある。最近の商用ソルバーではデフォルトにしてるものも多いね。
SGSモデルの選び方って、結局どう判断すればいいんですか?
壁面が重要じゃない自由せん断流ならSmagorinskyで十分。壁面が絡むならWALEか動的モデル。精度を追求するなら動的モデルだけど計算コストは高い。まずはWALEで試して、結果が怪しければ動的モデルに切り替える、というのが実務的なアプローチだね。
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