Smagorinskyモデル — CAE用語解説
Smagorinskyモデル
LESの話で「Smagorinskyモデル」ってよく出てきますけど、RANSのk-εモデルとは何が違うんですか?
いい質問だね。RANSは乱流の全スケールを時間平均でモデル化するけど、LESは大きな渦を直接計算して、メッシュより小さい渦だけをモデル化する。その「小さい渦の効果」を表現するのがSGS(サブグリッドスケール)モデルで、Smagorinskyモデルはその代表格なんだ。
定義
具体的にはどういう仕組みで小さい渦の効果を表してるんですか?
ざっくり言うと、「メッシュサイズ(フィルタ幅Δ)と局所的な流れのひずみ速度から渦粘性νtを計算する」モデルだよ。νt = (Cs·Δ)²·|S̄| という式で、Csがモデル定数で大体0.1〜0.2。例えばビル風のLES解析では、ビル周りの大きな剥離渦は直接解いて、格子で捉えきれない小さな乱流だけをこの渦粘性で表現するんだ。
流体解析における役割
Csの値って、どの問題でも同じ値を使えばいいんですか?
実はそこがSmagorinskyモデルの弱点でね。等方性乱流ではCs≈0.17でうまくいくけど、壁面近くではCs=0にしないと減衰が強すぎて、Van Driestダンピング関数を追加する必要がある。例えばチャネル流れの壁近傍で定数を固定すると、速度分布が実験と全然合わなくなるんだ。
え、じゃあ壁がある問題ではSmagorinskyモデルは使えないってことですか?
使えなくはないけど、より高度な対応が必要になる。それを解決したのがGermanoらが開発した動的Smagorinskyモデルで、Csを流れ場から自動計算する。ただ、標準Smagorinskyモデルはシンプルで計算コストが低いから、例えば大気境界層や燃焼のLESでは今でも広く使われているよ。
LESのフィルタリングされたNavier-Stokes方程式はこうなる。
OpenFOAMでSmagorinskyモデルを使いたい場合、設定は難しいですか?
turbulencePropertiesでLESを選んで、SGSモデルにSmagorinskyを指定するだけだから設定自体は簡単だよ。ただし、LESはメッシュ解像度が結果に直結するから、十分に細かいメッシュと適切な時間刻みを確保することの方がはるかに重要だね。
関連用語
Smagorinskyモデル以外のSGSモデルにはどんなものがありますか?
代表的なものを挙げるとこのあたりだね。WALEモデルは壁近傍の振る舞いが改善されていて、壁関数なしでも使いやすい。
壁があるかないかでモデルの使い分けが変わるんですね。LESを始めるならまずSmagorinskyから試してみます!
そうだね、まずはチャネル流れみたいなベンチマーク問題でSmagorinskyを試して、DNSや実験データと比較してみるといい。モデルの特性を肌感覚で掴めるようになるから。
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