SST k-ωモデル — CAE用語解説
SST k-ωモデル
CFDの乱流モデルで「迷ったらSST k-ωを使え」ってよく言われますけど、なぜそんなに万能なんですか?
SST k-ωモデルはMenterが1994年に提案した「いいとこ取り」のモデルなんだ。k-ωモデルは壁面近傍の計算に強いけど自由流では弱い。k-εモデルは自由流に強いけど壁面で弱い。SSTはブレンディング関数で壁面近傍ではk-ω、壁から離れた領域ではk-εとして動作する。だから幅広い問題で安定して使えるんだよ。
定義
SSTの「Shear Stress Transport」って、何を輸送してるんですか?
名前の由来は、渦粘性の計算にせん断応力の輸送を考慮するリミッター(Bradshawの仮定)を導入したことにある。従来のk-ωだと逆圧力勾配下で渦粘性を過大評価して剥離開始位置を間違えることがあった。SSTのリミッターがこの問題を修正して、例えば翼後縁の剥離予測精度が格段に向上したんだ。
流体解析における役割
SSTモデルを使うときのメッシュ要件は?y+の値はどうすればいいですか?
理想はy+≈1で壁面を解像すること。ただしSSTモデルは自動壁関数(automatic wall treatment)に対応しているソルバーが多いから、y+が30〜100の範囲でも壁関数モードで動作する。とはいえ剥離の予測が重要な場合はy+≈1がおすすめだよ。
SST k-ωが苦手な問題ってあるんですか?
強い旋回流(サイクロンや渦崩壊)や大規模な非定常剥離では精度が落ちることがある。そういう場合はSAS(Scale-Adaptive Simulation)やDESのようなハイブリッドRANS-LESに切り替えるのが有効だよ。
RANSの枠組みでNavier-Stokes方程式を解く点は他の乱流モデルと同じだ。
関連用語
SST k-ωと比較されるモデルをまとめて教えてください。
k-εとk-ωの特性を理解した上でSSTの立ち位置を把握するのが大事だよ。
- k-ε
- k-ω
- RANS
「いいとこ取り」の仕組みがよくわかりました。まずはy+をチェックして、必要なら壁面メッシュを細かくしてみます。
いいね。FluentでもOpenFOAMでもSST k-ωはデフォルトで使えるから、まずはベンチマーク問題(平板境界層やバックステップ流れ)で精度を確認してから実問題に適用するのがおすすめだよ。
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