スリップ条件 — CAE用語解説
スリップ条件
ノースリップ条件は壁面で流速がゼロ、つまり流体が壁にくっついて止まるイメージだ。一方スリップ条件は、壁を突き抜ける方向(法線方向)の速度だけゼロにして、壁に沿って滑ることは許すんだ。摩擦がない理想的な壁面ってことだね。
摩擦がない壁なんて現実にはないですよね? どういうときに使うんですか?
一番よく使われるのは対称面だよ。例えば左右対称の飛行機を半分だけモデル化するとき、対称面にスリップ条件を貼る。あとは壁の粘性効果に興味がなくて、圧力損失やバルクフローだけ知りたい場合にも使えるね。
あー、対称面か! そういえばOpenFOAMでsymmetryPlaneって指定しますけど、あれがスリップ条件なんですか?
そう、symmetryPlane は法線方向のフラックスをゼロにするから、物理的にはスリップ条件と同じだ。ダクト流れの解析で「この壁の摩擦抗力はどうでもいい」って場面でも使ったりする。計算コストも壁関数を解くノースリップより軽いしね。
境界層を解かなくていいからメッシュも粗くて済むってことですか?
その通り。ノースリップだとy+を合わせるために壁面近くに極薄のプリズムレイヤーが必要だけど、スリップ条件ならそれが不要。ただし、壁面近傍の流速分布や摩擦係数が必要な場合は、絶対にノースリップを使わないとダメだよ。
スリップかノースリップか、何を知りたいかで選ぶってことですね。対称面なら迷わずスリップ、壁の影響を見たいならノースリップ。
そうそう。間違えるとまったく意味のない結果になるから、境界条件は設定前に「この面で何が起きるべきか」を物理的に考える癖をつけておこう。
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