CFD — CAE用語解説
CFD(数値流体力学 / Computational Fluid Dynamics)
先生、CFDって「コンピュータで流体を解析する」くらいのイメージしかないんですが…
CFD(Computational Fluid Dynamics)はNavier-Stokes方程式を数値的に解いて流体の速度・圧力・温度分布を求める技術だ。自動車の空力抵抗、建物の風荷重、航空機の揚力、化学プラントの混合——流体が絡む問題ならほぼ何でもCFDで解析できる。商用ツールではAnsys Fluent・STAR-CCM+・OpenFOAMの3強が知られていて、それぞれ得意分野が少しずつ違う。
定義
Navier-Stokes方程式って解くのがそんなに難しいんですか?
数学的には「ミレニアム懸賞問題」のひとつで、一般的な解析解は存在しない。だからメッシュで空間を離散化して有限体積法・有限要素法・有限差分法などで数値的に解く。さらに乱流という厄介者がいて、Re数が大きくなるとあらゆるスケールの渦が発生する。これを全部解こうとするとDNS(直接数値シミュレーション)という莫大な計算が必要で、実務では乱流モデル(k-εや k-ωなど)で平均化して近似する。
乱流モデルと解法
乱流モデルにはどんな種類があるんですか? 選び方が分からなくて…
代表的な序列を教えよう。k-ε標準モデルは最も広く使われていて収束も早いが、はく離流れや逆圧力勾配では精度が落ちる。k-ωSSTはk-εとk-ωのハイブリッドで壁近傍とフリーストリーム両方に対応、今の実務標準に近い。LES(Large Eddy Simulation)は大スケール渦を直接解くので精度は高いが計算コストが10〜100倍になる。自動車空力や建築風工学ではLESの採用が増えている。
メッシュって流体解析でどれくらい重要なんですか?
CFDの精度の7割はメッシュで決まると言っても過言じゃない。特に壁近傍のy+(無次元壁距離)の管理が重要で、壁関数を使う場合はy+ = 30〜300、Low-Re壁扱いではy+ < 1に第一層セルを配置する必要がある。六面体主体のメッシュは精度・収束ともに優れるが生成に時間がかかる。複雑形状では多面体メッシュが折衷案として普及している。メッシュ依存性検討(細かくしても解が変わらないことの確認)は論文・報告書必須の作業だ。
関連用語
CFDって奥が深いですね。乱流モデルとメッシュの選択だけでも一冊書けそう…
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