DPM — CAE用語解説
DPM
先生、DPM(Discrete Phase Model)って、粒子を個別に追いかける方法ですか?
その通り。DPMはEulerian-Lagrangian法の一種で、連続相(気体・液体)はEuler的に格子上で解きつつ、粒子・液滴・気泡などの分散相は個々の粒子軌跡をLagrange的に追跡する。Ansys FluentやCFX、OpenFOAMのlagrangianライブラリで実装されている。スプレー噴霧、石炭粒子燃焼、エアロゾル輸送、薬剤吸入器の解析など、粒子が流体に混ざって輸送・反応する問題で広く使われているよ。
定義
粒子を全部個別に計算するんですか? 数が多いと大変そうですね。
DPMには代表粒子(parcels)という概念があって、物理的に同じサイズ・速度・温度を持つ多数の実粒子を1つの代表粒子として扱う。例えば1億個の液滴を100万個のparcelで代表させる形だ。各parcelにはNewton第2法則を解いて軌跡を追跡し、流体との間で運動量・熱・質量を交換させる。一方向連成(粒子→流体の影響なし)か双方向連成(相互影響あり)かを選べて、粒子体積分率が高い場合はDEM(離散要素法)との組み合わせも使われる。
流体解析での実装
燃焼解析でのDPMってどんな感じで使うんですか?
ディーゼルエンジンの噴射解析が典型例だ。高圧インジェクターから噴射された燃料液滴をDPMで追跡しながら、液滴の蒸発(質量移動)→燃料蒸気の混合→化学反応(燃焼)をシーケンシャルに計算する。液滴の抗力はSchiller-Naumann相関式、蒸発はRanz-Marshall伝熱モデルを使うのが標準だ。液滴の一次破砕にKH(Kelvin-Helmholtz)不安定、二次破砕にRT(Rayleigh-Taylor)不安定のモデルを組み合わせて、噴霧微粒化を再現するケースが多い。
OpenFOAMだとどのソルバーを使うんですか?
sprayFoamがDPM対応の反応性スプレー解析ソルバーで、エンジン筒内解析でよく使われる。非反応のDPM輸送なら、simpleFoamやrhoSimpleFoamにlagrangian/intermediate ライブラリを組み合わせるのが一般的だ。粒子形状の影響(非球形粒子の抗力補正)や壁面衝突モデル(反射・付着・粒状化)、粒子間衝突のo2一次元モデルなども利用できる。計算負荷は粒子数と一方向/双方向連成の設定で大きく変わるから、まず粒子影響を無視した一方向連成で流れ場を確認してから双方向に移行するのが実務的な進め方だよ。
関連用語
代表粒子という発想がうまいですね。燃焼からエアロゾルまで使えるとは!
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