SUPG法 — CAE用語解説
SUPG法
FEMで対流拡散方程式を解くと解が振動するって聞いたんですけど、SUPG法ってその対策ですか?
その通り。標準的なGalerkin FEMで対流支配問題(ペクレ数が大きい)を解くと、解にスプリアスな振動(ウィグル)が出る。これは中央差分で対流項を扱うのと同じ問題だね。SUPG法(Streamline Upwind Petrov-Galerkin法)は、重み関数に流線方向の上流成分を追加して安定化する手法だよ。
定義
風上差分でも安定化できますよね。SUPGは何が違うんですか?
単純な風上差分(full upwinding)は安定だけど1次精度で数値拡散が大きい。SUPGは流線方向にだけ最小限の人工拡散を入れるから、横流れ方向の精度を犠牲にしない。結果として安定かつ高精度を両立できる。Hughes教授が1979年に提案して以来、FEMベースのCFDコード(COMET、Elemerなど)の標準手法になっているんだ。
CAEにおける位置づけ
FVM(有限体積法)ではSUPGは使わないんですか?
FVMでは風上スキーム(Upwind、TVD、HRスキーム)が同等の役割を果たすからSUPGは使わない。SUPGはFEMの弱形式に基づく安定化で、FEM特有の手法。構造解析ソフト(Abaqus、COMSOLなど)が熱対流-拡散問題を解くときにSUPG安定化を内部で使っていることが多いよ。
SUPGの安定化パラメータτって自動で設定されるんですか?
通常は要素サイズと流速からτを自動計算する定式化(Codina型、Shakib型など)が組み込まれている。ユーザーが手動で設定する必要はほぼないけど、特殊な問題(強い衝撃波など)ではτの定式化を変更することもあるよ。
関連用語
SUPG法の関連概念を教えてください。
Petrov-Galerkin法の一般論とFEMの基礎がベースになるよ。
- Petrov-Galerkin法
- FEM
- 安定化
流線方向にだけ拡散を入れるのがポイントなんですね。FEMで対流問題を解くときに覚えておきます。
COMSOLのCFDモジュールでは「安定化」の設定項目にSUPGが出てくるから、OFFにするとウィグルが出るか試してみると理解が深まるよ。
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