風上差分 — CAE用語解説
風上差分
先生、CFDのソルバー設定で「1次風上」とか「2次風上」って選択肢があるんですけど、風上差分って何ですか?
対流項を離散化するとき、「上流側の値」を使って近似するスキームだよ。例えば右に流れている場合、あるセルの値を計算するときに左隣(上流側)のセルの情報を使う。情報が流れの方向に伝わるという物理を忠実に反映しているから、安定性に優れているんだ。
定義
安定なのはいいけど、1次風上は精度が悪いって聞いたことがあります。本当ですか?
本当だよ。1次風上差分には「数値拡散」という人工的な拡散効果が入ってしまう。例えばインクが水に混ざる様子をシミュレーションすると、実際よりもはるかに速くインクが広がってしまう。格子を細かくすれば改善するけど、現実的なメッシュサイズだとかなりボヤけた結果になることが多いんだ。
流体解析における役割
じゃあCFDでは2次精度以上を使うべきってことですか?
最終的な結果を出すときは2次精度風上(Second Order Upwind)かそれ以上を使うのが基本だ。ただし計算の初期段階で収束が不安定なときは、まず1次風上で解を安定させてから2次精度に切り替えるテクニックがよく使われる。FluentでもOpenFOAMでもこのステップは定番だよ。
風上差分が離散化するのはNavier-Stokes方程式の対流項部分だ。
メッシュの向きと流れの向きがずれてると数値拡散が増えるって聞いたことがあるんですけど、本当ですか?
鋭い指摘だね。非構造格子だとセル面の法線方向と流れの方向がずれるから、構造格子より数値拡散が大きくなりやすい。だから非構造格子では特に2次精度以上のスキームが重要なんだ。ただし2次精度でも振動が出ることがあるから、TVDスキームで振動を抑制するのが実務の定番だよ。
関連用語
風上差分と一緒に覚えておくべき用語はありますか?
「1次風上で安定させてから2次に上げる」って実用的なテクニックですね。収束しないときに試してみます。
その通り。あと1次風上のままで最終結果を出す人が時々いるけど、数値拡散の影響で渦構造が消えたり熱伝達率が過小評価されたりするから要注意だ。計算が安定しているかどうかだけでなく、結果の精度もちゃんと評価する癖をつけよう。
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