VCCT(仮想亀裂閉合法)
VCCT(仮想亀裂閉合法)の理論基礎
VCCTとは
先生、VCCTって何ですか?
$F_y$ は亀裂先端の節点力、$\delta_y$ は亀裂先端後方の開口変位、$\Delta a$ は要素サイズ。
VCCT vs. CZM
VCCTは既存亀裂の進展のみ。CZMは核生成もできる。
VCCTは層間剥離の伝播(既知の亀裂先端から進展する問題)に最適。CZMはより汎用的。
まとめ
Rybickiとエネルギーリリース率
VCCT(仮想き裂閉口積分法)は1977年にRybicki・Kanninen(米国発明)が提案した。き裂を微小量Δa進展させたときのエネルギー解放率を、き裂先端節点の力と仮想的に閉口したときの変位差から計算する方法だ。FEM1回の計算でGI・GII・GIIIを同時に算出できる効率性から、複合材料の界面剥離解析の標準手法となった。
VCCT(仮想亀裂閉合法)の数値計算手法
VCCTのFEM
```
*DEBOND, SLAVE=crack_surface, MASTER=intact_surface
*FRACTURE CRITERION, TYPE=VCCT, MIXED MODE BEHAVIOR=BK
G_Ic, G_IIc, G_IIIc, eta
```
亀裂面の上下面をslave/masterとして定義。$G \geq G_c$で自動的にノードを解放。
まとめ
VCCTのメッシュ要件と誤差評価
VCCTはき裂先端の要素サイズΔaに依存する。Δaが小さいほど精度は上がるが、計算コストも増加する。実用的には板厚tに対しΔa=t/10〜t/20が推奨され、これより粗いと誤差10%以上になることがある。また積分経路ではなく節点力と変位の積という単純な計算なので、計算速度はJ積分より2〜3倍速い。
VCCT(仮想亀裂閉合法)の実務適用
VCCTの実務
複合材の層間剥離(DCB, ENF試験のシミュレーション)、接着接合の剥離で使用。
実務チェックリスト
CFRP翼スキン剥離のVCCT適用例
Airbus A320のCFRP翼スキンとリブ接合部の剥離成長評価にVCCTが使われる。モードI・IIの混合破壊則(GI/GIc+GII/GIIc=1)とVCCT計算値を組み合わせ、剥離フロントの進展を予測する。ボーイング社の社内規格BGS-33「複合材剥離評価手順」は1990年代からVCCTを標準手法として採用しており、737MAXのCFRPコンポーネント認証にも使われた。
VCCT(仮想亀裂閉合法)のソフトウェア比較
VCCTのツール
ANSYS Mechanical VCCTの実装
ANSYS Mechanical/FrACASではVCCTを使ったき裂伝播解析が「Separating Morphing Adaptive Remeshing Technology(SMART)」機能の一部として実装されている。き裂先端要素の自動細分化・再メッシュ・き裂追跡を自動実行し、100時間以上の手作業を数分の設定で代替できる。Rolls-Royce社はARBITR製タービンディスクのき裂伝播解析にこの機能を活用している。
VCCT(仮想亀裂閉合法)の先端研究
VCCTの先端
VCCTの起源:1977年の宇宙構造研究
VCCT(仮想き裂閉口積分法)は1977年にNASAラングレー研究所のRybickiとKanninen が宇宙シャトル熱防護タイルの剥離解析のために開発した。従来のJ積分法に比べ計算コストが1/10以下で、Boeing 787のCFRP胴体接合部の剥離設計にも標準解析手法として採用されている。
VCCT(仮想亀裂閉合法)のトラブル対応
VCCTのトラブル
VCCTでG値が負になる問題
VCCTでエネルギー解放率Gが負になる異常は、き裂先端でのメッシュの押し込み(interpenetration)が原因であることが多い。接触条件なしでモデル化するとき裂面が重なり、仮想閉口時の変位差が逆符号になる。き裂面に「CONTACT PAIR」で無摩擦接触条件を設定することで解決できる。FEMポスト処理でき裂面の変形図を必ず確認すること。
関連トピック
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