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電気化学シミュレーター

バッテリー等価回路モデル・放電シミュレーター

Li-ion・LFP・鉛蓄電池のThevenin等価回路モデルで放電挙動をリアルタイム再現。容量・内部抵抗・RC分極・C-rateを自由に設定して端子電圧とSOCの変化を可視化しよう。

電池パラメータ
容量 Q
Ah
内部抵抗 R₀
分極抵抗 R₁
分極容量 C₁
F
初期 SOC
%
放電レート
C
プリセット
計算結果 ● 停止中
端子電圧 (V)
SOC (%)
供給エネルギー (Wh)
電力 (W)
電流 (A)
残り時間 (min)
バッテリー
端子電圧 vs 時間
SOC vs 時間
電流 vs 時間
OCV – SOC 曲線
理論・主要公式

$$V_{term}= V_{OCV}(SOC) - I R_0 - V_{RC}$$

$$\frac{dV_{RC}}{dt}= -\frac{V_{RC}}{\tau}+ \frac{I}{C_1},\;\tau = R_1 C_1$$

$$\frac{dSOC}{dt}= -\frac{I}{3600 Q}$$

R₀:純抵抗降下、R₁C₁:拡散分極(遅延応答)、VOCV:SOCの多項式近似

バッテリー等価回路モデルとは

🙋
バッテリーの等価回路モデルって、どうして電気回路で電池の動きが表せるんですか?
🎓
大まかに言うと、電池内部の複雑な化学反応を、わかりやすい電気部品の組み合わせに置き換えた「翻訳」だよ。例えば、内部抵抗 $R_0$ は電流を流した瞬間に起こる電圧降下を、RC並列回路は化学反応が追いつくまでの「もたつき」を表すんだ。このシミュレーターで「電池種類」をLi-ionからLFPに変えてみると、OCV-SOC曲線の形が大きく異なるのがわかるよ。
🙋
「分極抵抗 $R_1$」と「分極容量 $C_1$」って何が違うんですか?両方スライダーで変えられますけど。
🎓
いいところに気が付いたね。$R_1$ は分極の「大きさ」、$C_1$ はその「持続時間」を決めるパラメータだ。実務では、バッテリーの劣化とともに $R_0$ と $R_1$ が増加するんだ。シミュレーターで $R_1$ を大きくすると放電開始時の電圧降下が大きくなり、$C_1$ を小さくするとその分極が素早く解ける様子がグラフで確認できるよ。
🙋
「放電レート」を非常に大きくしたら、どうして電圧が大きく下がってしまうんですか?
🎓
それは内部抵抗 $R_0$ による即時電圧降下が支配的になるからだ。数式 $V_{term}= V_{OCV}- I R_0 - V_{RC}$ で、電流 $I$ が大きいほど $I R_0$ の項が効いてくる。例えば、ドローンが急上昇するときのような高負荷(高C-rate)では、端子電圧がBMS(電池管理システム)の下限値に達して、実際の容量より早く「空」と判定されてしまう現象を、このツールで再現できるんだ。

よくある質問

内部抵抗R0は電流印加直後に瞬間的な電圧降下を引き起こす抵抗成分です。一方、RC分極はコンデンサと抵抗の並列回路でモデル化され、電流変化に対して遅れて応答する過渡的な電圧変動を再現します。R0は即時応答、RC分極は時間遅れのある応答を担当します。
C-rateは放電電流の大きさを電池容量に対する倍率で表します。C-rateが高いほど放電電流が大きくなり、内部抵抗R0による電圧降下とRC分極による電圧低下が増加するため、端子電圧が早期に低下し、SOCの減少も速くなります。実用的には高C-rateほど実放電容量が減少する挙動を確認できます。
はい、可能です。OCV-SOC曲線、内部抵抗R0、RC時定数τと容量Cを実際の電池の計測データに合わせて調整することで、実測に近い放電曲線を再現できます。ただし、温度依存性や経年劣化はモデルに含まれていないため、それらを考慮する場合は別途パラメータ補正が必要です。
リアルタイムで変更可能です。容量、内部抵抗、RC分極、C-rateの各パラメータを変更すると、その時点のSOCと分極電圧を初期値として即座に計算が再開され、端子電圧とSOCのグラフが更新されます。ただし、パラメータ変更前の履歴は保持されないため、比較したい場合は別途データを記録してください。

実世界での応用

電気自動車(EV)のバッテリー管理システム(BMS):走行中のリアルタイムなSOC推定にECMが活用されます。特に回生ブレーキ時の急激な充電や加速時の大電流放電をモデルで予測し、バッテリーの過充電・過放電を防ぎます。

再生可能エネルギーの出力平滑化システム:太陽光発電の変動する電力を蓄電池で平滑化する際、ECMを用いて蓄電池の瞬時的な応答と発熱を予測し、システムの最適制御と寿命予測に役立てます。

民生用電子機器のバッテリー残量表示:スマートフォンやノートPCの「あと○%」の表示は、単純な電圧測定ではなく、ECMを簡略化したアルゴリズムを用いて、負荷変動下でもより正確な残量を表示するために計算されています。

ドローン・ロボットのパワーマネジメント:急激な動作変化によるバッテリー電圧の瞬間的な低下(サグ)をECMで予測し、動作計画や安全装置の作動タイミングを決定します。これにより、飛行中の急な電力低下による墜落を防ぎます。

よくある誤解と注意点

このモデルを使い始める時に、いくつかつまずきやすいポイントがあるから気をつけてね。まず、「OCV-SOC曲線はバッテリーの“指紋”」だと思ってほしい。同じLi-ionでもメーカーや製品系列で全然形が違う。例えば、ツールに用意されている代表曲線をそのまま使うと、実機との誤差が大きくなる可能性がある。実務では、実測データから曲線をフィッティングして、専用のパラメータセットを作るのが第一歩だ。

次に、パラメータ設定の順序。いきなり $R_1$ や $C_1$ をいじり始める人が多いけど、正しい手順は「OCV-SOC曲線」→「内部抵抗 $R_0$」→「分極パラメータ $R_1, C_1$」の順で調整すること。例えば、1Cレートでの放電終止電圧が実測より常に0.1V高いなら、それは $R_0$ が小さすぎる可能性が高い。分極の調整は、放電を止めた後の電圧回復曲線を見ながら行うんだ。

最後に最大の落とし穴は、「このモデルは熱の影響を直接計算しない」ということ。内部抵抗 $R_0$ は温度で大きく変わる。冬の寒い日にEVの航続距離が減るのはその典型だ。シミュレーションで高精度を求めるなら、異なる温度条件下でパラメータを取得した複数のモデルを用意して、温度に応じて切り替えるような工夫が必要になるよ。