充電: $V(t)=V_0\!\left(1-e^{-t/\tau}\right)$
放電: $V(t)=V_0\,e^{-t/\tau}$
$\tau=RC,\quad I(t)=\dfrac{V_0}{R}e^{-t/\tau}$
R・C・V₀ スライダーを動かして充放電の指数曲線をリアルタイム観察。τ=RC の時定数と t=5τ の完充電時間が瞬時にわかる。
充電: $V(t)=V_0\!\left(1-e^{-t/\tau}\right)$
放電: $V(t)=V_0\,e^{-t/\tau}$
$\tau=RC,\quad I(t)=\dfrac{V_0}{R}e^{-t/\tau}$
カメラのフラッシュ:電池だけでは瞬間的な大電流を供給できません。そこでRC回路でコンデンサに事前に電荷を蓄え(充電)、シャッターを切るときに一気に放電して発光ダイオード(キセノン管)を光らせます。プリセット値はこの用途を想定しています。
心臓除細動器(AED):心室細動を止めるために、一瞬で高エネルギーを心臓に与える必要があります。内部の大容量コンデンサを高電圧で充電し、制御されたタイミングで胸部に放電します。人命に関わるため、充電時間と放電波形の設計が極めて重要です。
電子回路のタイマー・波形生成:時定数τ=RCに基づいた正確な時間遅延を発生させるため、さまざまなデジタル・アナログ回路で使われます。例えば、マルチバイブレータ回路ではコンデンサの充放電時間が発振周期を決定します。
電源回路の平滑化:交流を直流に変換した後の電圧にはリップル(脈動)が含まれます。これに並列に大容量のコンデンサを入れると、電圧が高い時に電荷を蓄え、低い時に放出することで、出力直流電圧を平滑化(安定化)します。
まず、「コンデンサは電池のように“電圧”を貯める」という表現は厳密には誤りです。コンデンサが蓄えるのは「電荷」であり、その結果として両端に電圧が現れます。$Q=CV$の関係を思い出してください。容量Cが同じなら、電荷Qが多いほど電圧Vが高くなる。これが充放電のカーブを生む根本です。よくある間違いは、充電中なのに抵抗Rの両端電圧を無視すること。充電中は電流が流れているので、オームの法則により抵抗で電圧降下が起き、電源電圧$V_0$は「コンデンサの電圧$V_C$」と「抵抗の電圧$V_R$」に分かれます($V_0 = V_C + V_R$)。グラフで$V_C$だけを見がちですが、$V_R$の変化を追うと電流の減衰が理解しやすくなります。
次に、時定数τ=RCは「充電完了までの時間」ではないという点。τの時点で約63%の充電、3τで約95%、5τで約99%です。実務では「ほぼ完了」とみなす時間を、回路の要求精度から決めます。例えば、電源回路の平滑コンデンサなら5τまで待つ設計が一般的です。また、シミュレーターでは理想的な電源と部品を使っていますが、現実の電源には出力電流制限があり、コンデンサには「等価直列抵抗(ESR)」が存在します。特に大電流を瞬間的に流すカメラフラッシュのような回路では、このESRが発熱や効率低下の原因になります。プリセット値で遊ぶ際は、あくまで「理想的な挙動の基本形」として捉えましょう。