理論・主要公式
$I_p = \dfrac{I_{Hi}-I_{Lo}}{C_{Hi}-C_{Lo}}\,(C_p - C_{Lo}) + I_{Lo}$
各汚染物質のサブAQIは、濃度区間の境界値を使った線形補間で求めます。$C_p$ は測定濃度、$C_{Lo},C_{Hi}$ は濃度の下限・上限境界、$I_{Lo},I_{Hi}$ は対応するAQI値です。
$\text{AQI}_{overall}=\max\bigl(I_{PM2.5},\,I_{PM10},\,I_{NO_2},\,I_{O_3},\,I_{CO}\bigr)$
表示される総合AQIは、各サブAQIの最大値です。最大値を与える汚染物質が支配的な汚染物質となり、健康カテゴリを決めます。
空気質指数(AQI)とは
🙋
天気アプリに出てくるAQIの数字は何を表しているのですか?「不健康」と出ても、具体的な意味がよくわかりません。
🎓
AQIは、複数の大気汚染データを健康リスクとして読みやすい1つの数値に変換した指標です。0〜500で表し、0〜50は「良好」、300を超えると「危険」です。このシミュレーターでPM2.5を35 µg/m³付近まで上げると、敏感な人には不健康な領域へ移ることがわかります。喘息などがある人には、実際の行動判断に関わる水準です。
🙋
AQIは1種類の汚染物質だけで決まるのではないのですか?PM2.5やオゾンなどをどうやって1つの数値にまとめるのですか?
🎓
良い問いです。総合AQIは、主要な汚染物質ごとに計算したサブAQIのうち最大値を採用します。たとえば暑く晴れた交通量の多い日は地表オゾンが支配的になることがありますし、冬は燃焼由来のPM2.5が支配的になることがあります。スライダーを動かすと、どの汚染物質が総合AQIを決めているかが確認できます。
🙋
健康カテゴリは一番悪い汚染物質で決まるのですね。では、すべての汚染物質は同じように危険なのですか?COはどう扱いますか?
🎓
汚染物質ごとに健康影響が違うため、濃度からAQIへの換算表も異なります。COは血液中の酸素運搬を妨げるため、閉鎖空間で高濃度になると非常に危険です。一方、屋外では交通由来汚染の指標として扱われることも多く、AQI上で支配的になるには比較的高い濃度が必要です。
物理モデルと主要な数式
AQIの中心は、汚染物質の測定濃度 C を指数値 I に変換する区分線形関数です。濃度がどの境界値の間にあるかを探し、その区間で線形補間します。
$$I = \frac{I_{high}- I_{low}}{C_{high}- C_{low}}(C - C_{low}) + I_{low}$$
ここで:
I = 対象汚染物質のAQI値
C = 測定濃度(PM2.5などは µg/m³)
Clow = C 以下の濃度境界値
Chigh = C 以上の濃度境界値
Ilow = Clow に対応するAQI値
Ihigh = Chigh に対応するAQI値
各汚染物質(PM2.5、O3など)には、環境機関が定めた固有の境界値表があります。
総合AQIは平均値ではありません。計算されたサブAQIの中で最も大きい汚染物質によって決まります。
$$AQI_{Overall}= \max(I_{PM2.5}, I_{PM10}, I_{O_3}, I_{NO_2}, I_{CO})$$
この「最悪値を採用する」考え方が健康注意報の基礎です。最大値を与える汚染物質を支配的な汚染物質と呼び、健康カテゴリはその最大AQI値で決まります。
よくある質問
AQIは、大気汚染の状態を健康リスクに対応する0〜500の数値へまとめた指標です。0〜50は良好、51〜100は普通、101〜150は敏感な人には不健康、151〜200は不健康、201〜300は非常に不健康、301以上は危険です。この計算機では各汚染物質の濃度からサブAQIを求め、その最大値を総合AQIとして表示します。
PM2.5(2.5µm以下)は肺の奥や血流に入りやすく、循環器・呼吸器リスクと関係します。PM10(10µm以下)は主に上気道に影響します。WHOのPM2.5 24時間指針は15µg/m³で、AQIの「普通」付近に相当する濃度よりも厳しい値です。
各汚染物質について、濃度境界値表を用いて I = (I_Hi − I_Lo)/(C_Hi − C_Lo)·(C − C_Lo) + I_Lo でサブAQIを求めます。総合AQIはその最大値で、最大値を与えた汚染物質が支配的な汚染物質として表示されます。
地表付近のオゾンは、NOxとVOCが日光の下で反応して生じる二次汚染物質です。直接排出されるものではないため、交通量や産業活動の多い都市部で、暑く晴れた午後に高くなりやすく、日没後に下がる傾向があります。
実務での活用例
健康注意報: 自治体はAQIを使って大気汚染注意報を発表します。AQIが「不健康」と予測される場合、学校の屋外活動を控えたり、子ども・高齢者・呼吸器疾患のある人へ屋内待機を促したりします。
個人の曝露管理: アプリやウェアラブル端末は、観測局のリアルタイムAQIを利用します。ランニング前にAQIを確認し、PM2.5が高い日は屋内運動に切り替える、といった判断に使えます。
都市計画と政策評価: 長期的なAQIの推移は、自動車排出規制、産業排出対策、電動化政策などの効果を評価する材料になります。高AQIが続く地域では、公共交通やクリーンエネルギーへの投資判断にも関係します。
工業地域の監視: 港湾、製油所、建設現場などでは空気質モニターを設置し、PM10などを監視します。リアルタイムAQIにより、散水による粉じん抑制などの対策を早めに行えます。
よくある誤解と注意点
「AQIは全汚染物質の平均」ではありません。 表示されるAQIは平均ではなく、最も大きいサブAQIです。同じAQI 150でも、冬のPM2.5が原因の場合と夏のO₃が原因の場合では、発生源対策が大きく異なります。
「屋内AQIは屋外AQIと同じ」ではありません。 屋外観測局は、調理、受動喫煙、カビ、新しい家具からのVOCなどを反映しません。換気の悪い室内では調理中にPM2.5が屋外の数倍になることがあります。逆に、HEPAフィルターを使った密閉室では屋外が煙霧でも低AQIを保てることがあります。
「AQI 100なら誰にとっても安全」とも言い切れません。 AQI 100は短期基準に相当する目安であり、リスクゼロではありません。子ども、高齢者、妊婦、喘息や循環器疾患のある人は、AQI 100未満でも症状が出る場合があります。このため、本ツールではWHO指針に対する濃度比も表示しています。