古典積層理論(Classical Lamination Theory)に基づくABD行列、面内歪み・曲率、各ply応力、Tsai-Wu/Tsai-Hill破壊基準をリアルタイム計算。CFRP・GFRPの積層設計検討に。
| Ply # | 角度 [°] | σ₁ [MPa] | σ₂ [MPa] | τ₁₂ [MPa] | Tsai-Wu FI | Tsai-Hill FI | 判定 |
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積層板の合力-歪み関係(ABD行列):
$$\begin{bmatrix}N \\ M \end{bmatrix}= \begin{bmatrix}A & B \\ B & D \end{bmatrix}\begin{bmatrix}\varepsilon^0 \\ \kappa \end{bmatrix}$$各ply応力(材料主軸):$\{\sigma\}_k = [Q]_k [T]_k \{\varepsilon\}(z_k)$
$A_{ij}= \sum_k \bar{Q}_{ij}^{(k)}(z_k - z_{k-1})$,$D_{ij}= \frac{1}{3}\sum_k \bar{Q}_{ij}^{(k)}(z_k^3 - z_{k-1}^3)$
航空機・宇宙構造物:CFRP(炭素繊維複合材料)を用いた主翼や胴体パネルの設計で必須です。軽量化と強度確保のため、疑似等方積層[0/±45/90]sや、荷重経路に合わせた積層設計が行われ、CLTによる初期検証が行われます。
風力発電ブレード:長大なGFRP(ガラス繊維複合材料)ブレードは、曲げとねじりが複合した荷重を受けます。積層板のD行列(曲げ剛性)を最適化し、かつTsai-Wu基準に基づいて疲労寿命を考慮した安全率を設定します。
自動車・スポーツ用品:F1マシンのモノコックや高性能自転車のフレームでは、衝撃吸収と剛性のバランスが重要です。積層パターンを変えて(例えば±45度層を増やす)面内せん断剛性を調整する設計にCLTが活用されます。
CAEモデルの検証(V&V):AbaqusやNastranなどのFEMソフトで複合材料シェル解析を行う際、その要素が正しくABD行列を計算しているか、本シミュレーターのような手計算ツールで結果を照合し、モデルの信頼性を確認する第一ステップとして使われます。
まず、「材料定数を適当に入力しても結果が出る」という誤解。例えば、CFRPのE₁(繊維方向ヤング率)は120GPa程度なのに、GFRPの値(約40GPa)をそのまま使っていませんか? これでは計算結果の桁自体が変わってしまい、全く参考になりません。最初はツール内のデフォルト値や材料データベースの値をそのままコピーして使うのが安全です。次に、「破壊基準の値が1.0を超えなければ絶対安全」という思い込み。Tsai-Wu比が0.95でも、現実では層間剥離や製造欠陥、繰り返し荷重で破壊が起こり得ます。シミュレーション結果はあくまで「比較のための目安」。最後に、「積層角度は0°と90°だけ考えればいい」という落とし穴。確に対称積層[0/90]sは基本ですが、せん断剛性を上げたいなら±45°層が必須です。例えば、[0/±45/90]sのように多様な角度を組み込むことで、複合的な荷重に強くなります。
CFRP積層板[0/90/45/-45]s(総8層、各層0.125mm)に面内荷重Nₓ=500N/mm、Nᵧ=200N/mm、Nₓᵧ=100N/mmを加えた場合、等価Eₓ≈95GPa、等価Eᵧ≈95GPa、等価Gₓᵧ≈35GPa、総板厚1.0mmが得られます。0度層の最大主応力σ1≈180MPa、45度層で最大τ12≈120MPaとなり、CFRP樹脂系の破壊強度Xt=1600MPa、Xc=1200MPa、Yt=50MPa、Yc=200MPaに対してTsai-Wu破壊指数は0.35となり、安全性が確認できます