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地盤工学

基礎沈下計算ツール

基礎幅・根入れ深さ・荷重・N値・土質を入力すると、テルツァーギ式で極限支持力と安全率を計算し、圧密沈下曲線を即描画。土層断面と応力球の可視化付きで、基礎設計の初期検討に使えます。

パラメータ設定
計算結果
極限支持力 qu (kPa)
安全率 Fs
即時沈下 Si (mm)
圧密沈下 Sc (mm)
地盤
圧密沈下曲線(時間-沈下量)
理論・主要公式

$$S_{total} = S_i + S_c + S_s$$

全沈下量(m):即時沈下 $S_i$(弾性)+一次圧密沈下 $S_c$+二次圧縮沈下 $S_s$。

$$S_i = \frac{qB(1-\nu^2)}{E} I_s$$

即時弾性沈下(m):$q$ は基礎接地圧(kPa)、$B$ は幅(m)、$I_s$ は形状係数。

$$T_v = \frac{c_v t}{H_{dr}^2}$$

時間係数(無次元):$c_v$ は圧密係数(m²/s)、$H_{dr}$ は排水距離(m)。

基礎沈下計算ツールとは

🙋
このシミュレーターで計算している「基礎の沈下」って、家が傾いてしまうあの現象ですか?
🎓
その通り!建物の重さで地面が沈む現象だね。このツールでは、テルツァーギという学者の有名な公式を使って、地盤が壊れる限界の力「極限支持力」と、実際にどれだけ沈むかを計算しているよ。上の「土質タイプ」を「砂質土」と「粘性土」で切り替えてみると、挙動が大きく異なるのがわかるよ。
🙋
え、土の種類でそんなに変わるんですか?砂地盤と粘土の地盤、どっちが沈みやすいんですか?
🎓
大まかに言うと、砂は荷重をかけた直後に「即時沈下」がほぼ終わるんだ。一方、粘土、特に水で飽和した粘土は「圧密沈下」といって、水がじわじわ抜けながら何十年もかけて沈むことがある。シミュレーターのグラフを見ると、粘性土の方は時間とともに沈下量が増える曲線になってるだろう?これが圧密沈下の特徴だね。
🙋
なるほど!で、計算結果に出てくる「安全率」って何ですか?これが小さいと危ないということ?
🎓
鋭いね!安全率は、地盤の壊れる力に対して、実際にかかる荷重がどれだけ余裕があるかを示す数字だ。例えば安全率3.0なら、壊れる力の1/3の荷重しかかけないということ。実務では、建物の種類や地盤の確実性によって2.5〜3.0くらいを設定するよ。シミュレーターでパラメータを動かして安全率が1.0を切るようにすると…どうなるか確認してみて!

よくある質問

砂質土は透水性が高く、載荷と同時に沈下がほぼ完了するため、曲線が急に立ち上がります。一方、粘土質土は透水性が低く、間隙水の排出に時間がかかるため、時間経過とともに緩やかに沈下が進行する圧密曲線が描かれます。
内部摩擦角や粘着力の入力値が現実的でない可能性があります。特に、内部摩擦角が0度に近い粘土で粘着力を極端に小さくすると支持力が低くなり、逆に大きな角度を入力すると支持力係数が急増します。土質に応じた標準的な数値範囲(例:砂質土のφ=25〜40°)を参考にしてください。
テルツァギ公式では基礎幅Bが大きいほど極限支持力は増加しますが、圧密沈下量は基礎幅の増加に伴い大きくなる傾向があります。これは、荷重が地盤のより深く広い範囲に伝わるためです。本ツールでBを変更しながら曲線を比較すると、このトレードオフを視覚的に確認できます。
粘土層の厚さや透水係数に依存しますが、一般的に数ヶ月から数年かかります。本ツールでは時間軸を対数表示に切り替えると、初期の急激な沈下から長期の収束傾向まで確認しやすくなります。設計では、圧密度90%に達する時間を目安にすることが多いです。

実世界での応用

建築物の基礎設計:戸建住宅から高層ビルまで、全ての建物の基礎(直接基礎、杭基礎など)の設計に必須の計算です。不同沈下(偏った沈下)を防ぎ、建物の傾きやひび割れを未然に防ぎます。

土木構造物(橋梁・擁壁):橋の橋脚や擁壁(土留め壁)の安定計算に応用されます。特に盛土の下の軟弱粘土層が圧密沈下すると、完成後に道路がデコボコになるため、事前の沈下予測と対策(地盤改良など)が重要です。

プラント・タンク基礎:化学プラントや石油タンクなど、巨大で重い構造物を支える基礎の設計で多用されます。均一な沈下は許容されることもありますが、タンクが傾くと液面計測に誤差が生じるなど、運用上の問題が発生します。

地盤調査の計画と結果の解釈:設計の前に実施するボーリング調査や試験載荷の計画を立てる際、また得られた土質パラメータ(c, φなど)をどう設計に活かすかを判断する際の基礎理論となります。

よくある誤解と注意点

このツールを使い始めるとき、いくつか気をつけてほしいポイントがあるよ。まず、「安全率が大きければ大きいほど良い」という誤解。確かに安全ではあるけど、経済性とトレードオフなんだ。例えば安全率を5.0や10.0にすると、必要以上に大きな基礎を設計することになり、コストが跳ね上がる。実務では、地盤調査の精度や構造物の重要性を考慮して、2.5〜3.0という「適切な」範囲を目標にするんだ。

次に、パラメータ入力の「単位」。これは本当に大事!ツールでは[kN/m²]や[kN/m³]を使っているけど、現場のデータが[tf]や[g/cm³]で来ることがよくある。例えば、単位体積重量γを間違えて1.8[tf/m³]のまま入力すると(正しくは18[kN/m³])、計算結果が1/10になって重大な誤りだ。入力前には必ず単位換算を確認しよう。

最後に、この計算は「均質な地盤」と「中心荷重」が前提だという点。実際の現場はもっと複雑だ。地盤が層状だったり、基礎に偏心荷重(例えば建物の端に機械を設置するなど)がかかったりすると、計算式がもっと複雑になる。このツールの結果は「第一近似」として捉え、複雑な条件では専門ソフトや詳細な検討が必要だと覚えておいてね。

使い方ガイド

  1. 基礎幅B(m)と根入れ深さDf(m)を入力し、ボーリング調査から得たN値を設定します
  2. 作用荷重Q(kN)と土のヤング係数E0(kPa)を指定すると、テルツァーギ式により極限支持力quが自動計算されます
  3. 計算結果から安全率Fs(通常2.0以上が必須)、即時沈下Si、圧密沈下Scが表示され、土層断面図と沈下曲線がリアルタイムで描画されます

具体的な計算例

関東ロームの現場でB=2.0m、Df=1.5m、N値=15、Q=500kN、E0=15000kPaの条件を入力した場合:極限支持力qu≈280kPaが算出され、安全率Fs≈1.12となります。この場合、即時沈下Si≈8.5mm、1年後の圧密沈下Sc≈18mm程度が予測されるため、安全率が不足するため基礎幅を2.5mに拡大するか、根入れを2.0mに深くする再設計が必要です。

実務での注意点