土の圧密沈下計算 戻る
地盤工学

土の圧密沈下計算ツール

テルツァーギ圧密理論に基づき、正規圧密/過圧密粘土の最終沈下量・t50・t90をリアルタイム計算。圧縮指数や圧密係数を変えて沈下挙動を直感的に把握できます。

土質条件
初期間隙比 e₀
圧縮指数 Cc
膨潤指数 Cs(OC用)
応力条件 (kPa)
初期鉛直有効応力 σ'v0
kPa
載荷増分 Δσ
kPa
粘土層条件
排水長 Hdr (m)
m
圧密係数 cv (m²/year)
m²/yr
計算結果
最終沈下量 S (mm)
t₅₀ (year)
t₉₀ (year)
時間 — 沈下量曲線(↓ が沈下方向)
メイン
時間係数 Tv — 圧密度 U(%)
Tv
理論・主要公式

正規圧密:

$$S = \frac{C_c}{1+e_0}H_{dr}\log_{10}\!\frac{\sigma'_{v0}+\Delta\sigma}{\sigma'_{v0}}$$

時間係数・圧密度:

$$T_v = \frac{c_v t}{H_{dr}^2},\quad U = 1 - \sum_{m=0}^{\infty}\frac{2}{M^2}e^{-M^2 T_v}$$

M = (2m+1)π/2

土の圧密沈下計算ツールとは

🙋
「圧密沈下」って何ですか?地震みたいに一瞬で沈むのではないんですか?
🎓
大まかに言うと、粘土が荷重で「じわじわ」つぶれていく現象だね。砂ならすぐ沈むけど、粘土はスポンジみたいに水を含んでいて、その水がゆっくり抜けていく間に沈むんだ。このツールで「載荷増分 Δσ」を大きくすると、最終沈下量がどう変わるか、すぐに試せるよ。
🙋
え、そうなんですか!じゃあ、何十年もかかるということ?「t90」って表示されてますけど、これが関係あるんですか?
🎓
その通り!t90は沈下が90%完了するまでの時間さ。実務ではこの時間をどう短くするかが課題なんだ。シミュレーターで「圧密係数 cv」のスライダーを動かしてみて。cvが大きい(排水しやすい)と、t90がグッと短くなるのがわかるよ。
🙋
なるほど!「正規圧密」と「過圧密」ってのもありますね。これはどう使い分けるんですか?
🎓
いいところに気が付いたね。地盤が過去に今より大きな圧力(先行圧密応力 σ'c)を受けていたら「過圧密」だ。シミュレーターで「σ'c」を「σ'v0」より大きく設定してみ。最初は硬いから沈みにくい(膨潤指数 Cs が効く)けど、ある応力を超えると急に沈み始める(圧縮指数 Cc が効く)のがグラフで確認できるはずだ。

よくある質問

正規圧密は現在の地盤が過去に受けた最大応力と同じ状態、過圧密はそれより小さい応力下にある状態です。過圧密粘土は圧縮性が低く、同じ載荷でも沈下量が小さくなります。本ツールでは過圧密状態を想定した計算も可能です。
Ccは載荷による最終的な沈下量を決める指標で、土の圧縮性の高さを示します。Cvは沈下の進行速度(時間経過)を決める指標で、値が大きいほど早く沈下が収束します。両方を入力することで、沈下量と時間の両方を計算できます。
排水長は圧密時に水が抜ける最長距離です。両面排水の場合は層厚の半分、片面排水の場合は層厚そのままを入力します。実際の地盤条件(上下の透水層の有無)に応じて選択してください。
圧密係数Cvが極端に小さいとt50・t90が大きくなり、逆にCvが大きすぎると小さくなります。また、排水長Hdrの入力ミス(層厚と排水条件の不一致)も原因です。入力値の桁や単位(m、kN/m²)を再確認してください。

実世界での応用

建築物・構造物の基礎設計:高層ビルや橋脚を軟弱粘土層の上に建設する際、数十年にわたる沈下量とその速度を予測します。過大な不同沈下を防ぐため、基礎の形状や場所を決定する重要な計算です。

道路・盛土の施工計画:軟弱地盤上に道路を建設する場合、工事完成後の沈下により路面が凹凸になるのを防ぎます。プレロード(事前載荷)工法では、この計算に基づいて必要な載荷重量と期間を決定します。

埋立地の安定性評価:廃棄物処分場や港湾の埋立地では、埋め立て荷重による長期的な沈下を予測し、覆土や排水設備の設計に活用します。沈下が終了するまでの管理期間の目安にもなります。

地盤改良効果の検討:サンドドレーン工法などで地盤改良を行う場合、排水長Hdrを短く設定することで圧密期間がどの程度短縮されるかをシミュレーションし、工法選択やコスト比較の基礎データとします。

よくある誤解と注意点

まず、「圧密係数 cv は土質定数だから、地盤が決まれば変わらない」と思いがちですが、実はそう単純じゃないんだ。この値は、実は試験方法や応力レベルによって結構ばらつくことがある。例えば、同じ粘土でも、室内圧密試験で求めたcvと、現場の観測結果から逆算したcvが1桁も違うことだって珍しくない。だから、シミュレーターでcvをいじる時は、「この値はあくまで目安。実務では複数の方法で検証する必要がある」という意識を持っておこう。

次に、初期間隙比 e₀ と排水長 Hdr の設定ミス。e₀はボーリングで採取した「乱されていない」試料を使って正確に求めるのが大前提。現場をよく知らずに適当な値を入れると、沈下量が数倍も違ってくる。排水長Hdrも要注意だ。単純な単面排水(水が上か下の一方にしか抜けない)なら地層厚さそのものだけど、上下両面から水が抜ける両面排水なら、その半分がHdrになる。例えば厚さ10mの粘土層が上下の砂層に挟まれているなら、Hdr = 5mだ。これを間違えると、t90の予測時間が4倍も狂う($$t \propto H_{dr}^2$$だからね)。

最後に、「過圧密」の判定は慎重に。先行圧密応力σ'cを過去の地盤履歴から推定するのは、地盤調査の醍醐味でもあり難しさでもある。OCR(過圧密比)= σ'c / σ'v0 が1より少し大きいだけで「過圧密」と判定してCsを使うと、実際より沈下量を過小評価してしまう危険がある。特に、自然堆積した粘土でも少し圧密が進んでいることはよくあるので、判定には圧密試験の結果(e-logσ'曲線の形状)をよく見て、総合的に判断することが大事だよ。