$\Delta P = \dfrac{8\eta Q L}{\pi R^4}$
冷却時間:
$t_c = \dfrac{t^2}{\pi^2\alpha}\ln\!\left(\dfrac{4}{\pi}\cdot\dfrac{T_m - T_{mold}}{T_{ej}- T_{mold}}\right)$
$\alpha = k/(\rho c_p)$ — 熱拡散率
ランナー形状・溶融粘度・成形品肉厚を入力して充填圧力・冷却時間・型締め力・サイクルタイムを即計算。溶融樹脂の充填過程をアニメーションで可視化します。
家電製品の筐体成形:薄肉で軽量なノートPCやスマートスピーカーの外枠を成形する際、冷却時間を正確に見積もることでサイクルタイムを最適化し、コスト競争力を高めます。充填圧力から必要な型締め力を決定し、適切な射出成形機を選定します。
自動車部品の生産:大型で肉厚のあるバンパーやドアトリムでは、冷却時間が生産効率のボトルネックになります。肉厚設計と冷却水路配置の最適化に、これらの計算が基礎データとして活用されます。
医療用ディスポーザブル製品:シリンジや培養皿など、大量生産される薄肉製品では、1サイクルあたりの時間が製造コストに直結します。冷却時間のわずかな短縮が、年間では莫大な生産量の増加につながります。
金型設計の初期検討:ランナーの径や長さを決める際、充填圧力の計算は必須です。圧力が高すぎると金型が開いたりフラッシュ(バリ)が発生するため、計算結果をもとにランナーサイズやゲート位置を決定します。
このツールを使い始める時に、いくつか気をつけてほしいポイントがあるよ。まず、「計算された冷却時間は絶対的な値ではない」ということ。計算式は理想的な平板冷却を仮定しているから、実際の成形品にはリブやボス、曲面があって熱が逃げにくい部分がある。例えば、スマホケースの側面にあるボタン用のリブは、本体の肉厚が1mmでも、その部分だけは冷却が遅れるんだ。だから計算値は「ベースライン」として捉えて、経験則で1.2〜1.5倍の安全係数をかけて考えるのが現場の知恵だね。
次に、粘度が固定値と思い込まないで。ツールでは樹脂種ごとに代表的な粘度を設定してるけど、実際の溶融樹脂の粘度は、せん断速度(流す速さ)と温度で大きく変わる。例えば、高速で充填すると樹脂が擦れて発熱し、粘度が下がって計算より低い圧力で流れる「せん断発熱」って現象が起きる。逆に、金型温度が低すぎると、樹脂がすぐに固まり始めて粘度が急上昇し、計算値よりはるかに高い圧力が必要になることもあるんだ。
最後に、「ランナー半径を大きくすれば圧力は下がるから安心」は危険ということ。確かに圧力は下がるけど、ランナーが太くなるとその分、冷却に時間がかかるし、無駄な樹脂も増える。ランナー自体の冷却が不十分だと、成形品を eject(取り出す)した後でランナー内部がまだ溶けてて、次のショットで混ざってしまう「オーバーパック」の原因にもなる。圧力低下と材料ロス/冷却時間のトレードオフを常に意識しよう。