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板金・プレス設計

板金加工計算器 — 曲げ代・スプリングバック

材料・板厚・曲げ半径・曲げ角度を入力して、曲げ代(Bend Allowance)・フラット展開長・スプリングバック角度を即時計算。

パラメータ設定
材料
板厚 t (mm)
mm
曲げ半径 R (mm)
mm
曲げ角度 θ (°)
°
直線部1 L1 (mm)
mm
直線部2 L2 (mm)
mm
曲げ控除 BD (mm)
展開長 (mm)
スプリングバック (°)
計算結果
曲げ代 BA (mm)
材料別 曲げ代比較(現在の R / t 条件)
曲げ角度 vs 曲げ代(選択材料)
理論・主要公式
$$BA = \frac{\pi}{180}(R + k\cdot t)\cdot\theta$$

k:Kファクター(中立軸位置)
スプリングバック ≈ θ×(1 − R/(R + 5t))

板金加工計算器とは

🙋
「曲げ代」って何ですか? 板金を曲げる前の展開図を描く時に必要な寸法って聞いたけど…。
🎓
大まかに言うと、板が曲がる部分の“中立軸”に沿った長さのことだ。板を曲げると外側は伸び、内側は縮むけど、その中間で長さが変わらない線があるんだ。その線の長さを計算で求めるのが曲げ代(BA)さ。このシミュレーターで、上の「板厚」や「曲げ半径」のスライダーを動かしてみると、BAの値がリアルタイムで変わるよ。例えば、板厚を2mmから4mmにすると、BAがどう変わるか確認してみよう。
🙋
え、そうなんですか! でも、材料を「鋼」から「アルミ」に変えたら、Kファクターって値が0.33から0.38に変わりました。これって何が違うんですか?
🎓
いいところに気がついたね。Kファクターは、さっき話した“中立軸”が板厚のどこにあるかを表す係数なんだ。0.33なら板の内側から板厚の33%の位置だ。材料が柔らかいアルミは変形しやすく中立軸が内側よりになるから、Kファクターの値が少し大きくなる。実務では、このKファクターを正確に見積もらないと、展開長が合わずに製品が小さくなってしまうんだ。
🙋
なるほど! じゃあ「スプリングバック角度」って、曲げた後にバネみたいに戻る角度の補正値ですよね? これも材料で変わるんですか?
🎓
その通り。スプリングバックは弾性回復だから、材料が硬いほど、また曲げ半径が大きいほど戻り量は大きくなる。このツールの式は経験則に基づいているんだ。試しに「曲げ半径」を大きくしてみて。スプリングバック量が増えるのがわかるだろう? 現場では、この戻りを見込んで金型の角度を少し大きく削るんだよ。例えば、90度に曲げたい時は、92度くらいのパンチとダイを使うことが多いね。

よくある質問

Kファクターは材料や板厚、曲げ半径によって変化します。一般的な目安として、鋼は約0.33、アルミニウムは約0.4、ステンレスは約0.5がよく使われます。実際の加工条件に近い値を入力することで、より正確な曲げ代が計算できます。
スプリングバックは材料のヤング率や降伏応力、加工速度、工具の摩耗など多くの要因に影響されます。本ツールは簡易モデルに基づくため、実際の値と差が出ることがあります。試し打ちで補正値を得て、Kファクターや曲げ角度を微調整することを推奨します。
フラット展開長は、曲げ部を挟む左右の直線部分の長さに、本ツールで計算された曲げ代(BA)を加算して求めます。このBAは中立軸の円弧長さに相当し、正確な展開長を算出するために必須の値です。
使用可能ですが、極端な板厚ではKファクターの値が一般的な範囲から外れる可能性があります。薄板では中立軸が内側に寄り、厚板では外側にシフトする傾向があるため、実績データに基づいたKファクターを入力することで精度が向上します。

実世界での応用

筐体・シャーシ設計:電子機器の外箱や機械のフレームは板金製が多く、複数の曲げ部を持つ展開図の作成が必須です。曲げ代を正確に計算しないと、組み立て時に穴位置がずれたり、寸法が合わなくなったりします。

自動車部品製造:ドアの内板やブレーキペダルのブラケットなど、強度と形状精度が要求される部品の製造では、材料特性に合わせたKファクターの選定とスプリングバックの補正が品質を左右します。

建築・建材:ダクトやカーテンウォールの金属部材など、長尺物を曲げる場合、曲げ代の計算ミスは材料のロスと工期の遅延に直結します。現場での簡易計算ツールとして活用されます。

試作・金型設計:新しい製品を試作する際、理論的な展開長とスプリングバック量を事前に計算することで、金型の修正回数を減らし、試作コストとリードタイムを大幅に短縮できます。

よくある誤解と注意点

この計算ツールを使い始める時に、いくつかつまずきやすいポイントがあるから気をつけてね。まず、「曲げ半径R」は内半径だということ。図面に「R5」と書いてあれば、それはたいてい内側の丸みの半径を指す。でも、たまに工具(パンチ)の先端半径を指す場合もあるから、図面の指示は必ず確認しよう。間違えると展開長が大きく狂うよ。例えば、板厚2mmで内半径R3と工具半径R3は全く別物だ。

次に、Kファクターは材料ごとの「初期値」でしかないということ。ツールに表示される0.33(鋼)や0.38(アルミ)はあくまで目安。実際の加工では、使用するプレス機械や工具の状態、さらには潤滑油の有無でも微妙に変わる。重要なのは、最初はこの値で試し曲げをして、実測した展開長から逆算して自社の「実績Kファクター」をデータベース化していくことだ。1つの材料で全ての板厚・曲げ半径に同じKファクターを使うのは危険だよ。

最後に、スプリングバックの式は「経験則」だという理解が大事。表示される補正値は傾向を掴むためのもので、絶対的な保証値じゃない。特に高張力鋼やステンレスなど加工硬化しやすい材料では、実際の戻り量が計算より大きくなることが多い。このツールの結果は「このくらい戻る可能性があるから、工具角度はこれくらい余裕を見て設計しよう」という議論のスタート地点として使ってね。

使い方ガイド

  1. 板厚t(mm)、曲げ半径R(mm)、曲げ角度θ(度)、曲げ前後の直線部L1(mm)を入力フォームに入力します
  2. Kファクター(中立軸位置係数)は材料により自動選択されます。軟鋼0.33、ステンレス0.40、アルミ0.35が標準値です
  3. 計算ボタンをクリックすると、曲げ代BA = π×R×(θ/180)×K、展開長 = L1 + BA + L1、スプリングバック角度Δθ ≈ θ×(1 − R/(R + 5t))が即座に表示されます

具体的な計算例

SPCC軟鋼、板厚t=1.2mm、曲げ半径R=3.0mm、曲げ角度90度、曲げ前後直線部各25mmの場合:Kファクター=0.33を適用し、曲げ代BA=π×3.0×(90/180)×0.33≈1.55mm。展開長=25+1.55+25=51.55mm。スプリングバック角度≈90×(1−3.0/(3.0+5×1.2))≈90×(1−0.333)≈60度補正が必要です。加工時は91~92度に設定して仕上がり90度を実現します

実務での注意点