膜応力:\(\sigma = \frac{T}{t}\left(1 + \frac{qL^2}{8fT}\right)\)
最小プレテンション:\(T_{min}= \frac{qL^2}{8f}\)
q = qw + qs, f = f/L × L
PTFE・ETFE・PVC膜材の張力・荷重条件を入力し、最大膜応力・たわみ・安全率・形状安定指数をリアルタイムで解析します。
膜応力:\(\sigma = \frac{T}{t}\left(1 + \frac{qL^2}{8fT}\right)\)
最小プレテンション:\(T_{min}= \frac{qL^2}{8f}\)
q = qw + qs, f = f/L × L
大型公共施設(スタジアム・空港):PTFE膜が多用されます。大スパンを実現しつつ、積雪や強風に耐えるために高いプレテンションが要求されます。形状安定指数は特に厳しくチェックされ、シミュレーターで荷重ケースを複数検証します。
商業施設・駅舎の屋根:採光性の高いETFE膜や、コストバランスの良いPVC膜が選択されます。デザイン性の高い曲面形状を実現するため、プレテンションの分布が均一になるよう細かく解析します。
仮設テント・イベント施設:短期間の使用が前提のため、PVC膜が主流です。設営の簡便さからプレテンションは最小限に抑えがちですが、突風による飛散を防ぐため、ツールで計算した最小プレテンション\(T_{min}\)は必ず確保します。
農業用ハウス・植物園ドーム:ETFE膜の高い透光性と自己洗浄性が活かされます。内部の環境負荷(温度・湿度差による圧力)も一種の荷重として考慮し、年間を通じて形状が安定するプレテンションを設計します。
まず、「プレテンションは強ければ強いほど良い」という誤解があります。確かに形状安定指数は上がりますが、膜材自体の引張強度や、それを支える支柱・基礎、そして端部の固定金具(エッジケーブルやクランプ)に過大な負担がかかります。例えば、スパン20mのPVC膜で無理に高プレテンションをかけると、膜の応力が許容値を超える前に、接合部の溶接やボルトが先に破壊するリスクがあります。ツールで「溶接強度要求値」が赤く警告を出す領域は、実構造では非常に高コストな補強が必要になることを意味します。
次に、荷重の組み合わせを単純化しすぎること。ツールでは風圧と積雪荷重を単純加算していますが、実際の設計基準(例えば建築基準法)では、積雪と強風が同時に最大値で発生する確率は低いとして、組み合わせ係数が設定されています。全てを単純合算すると過大設計になりがちです。一方で、「たるみ(矢高)」の設定も盲点。見た目の曲線美のために矢高を大きく取りすぎると、必要な最小プレテンション \( T_{min} = \frac{qL^2}{8f} \) の式から分かるように、分母が大きくなるため \( T_{min} \) が小さくなります。一見「張力が少なくて済む」と喜びたくなりますが、これは逆に風による振動(フラッタ)が起きやすく、雨だまりが形成されるリスクが高まることを意味します。実務では形状と機能のバランスが鍵です。
PTFE膜(E=172MPa、厚さ0.8mm)のスパン6.0m、プレテンション280kN/m(両方向)、風荷重1.5kN/m²、積雪0.8kN/m²のケースでは、最大応力約14.2MPa、中央たわみ約38mm、安定指数4.8が算出されます。溶接部の要求強度は材料降伏比から27.6MPa以上が必要となり、TIG溶接で品質確保が可能です