物体をドラッグして初速度ベクトルを設定(矢印の方向=速度方向)
t = 0.000 s
理論・主要公式
運動量保存則(衝突タイプ問わず):
$$m_1v_1 + m_2v_2 = m_1v_1' + m_2v_2'$$
反発係数の定義:$e = -\dfrac{v_1'-v_2'}{v_1-v_2}$ (弾性:$e=1$, 非弾性:$e=0$)
1D衝突後速度(一般式):
$$v_1' = \frac{m_1 v_1 + m_2 v_2 - m_2 e(v_1 - v_2)}{m_1 + m_2}$$
$$v_2' = \frac{m_1 v_1 + m_2 v_2 + m_1 e(v_1 - v_2)}{m_1 + m_2}$$
運動量保存則・衝突シミュレーターとは
🙋
運動量保存則って、衝突の時に必ず成り立つんですか?例えば車が壁にぶつかって非常に凹んでも?
🎓
そうなんだ。大まかに言うと、衝突の「力」は物体同士の内部で働くので、全体の運動量の合計は変わらないんだ。車が壁にぶつかっても、車と地球全体で考えれば運動量は保存されてるよ。このシミュレーターで、上の「反発係数 e」のスライダーを「0」にしてみて。完全に凹んだ、つまり非弾性衝突の状態だね。
🙋
え、そうなんですか!じゃあ「反発係数 e」が1の時と0の時で、何が一番違うんですか?
🎓
一番の違いは「運動エネルギー」が保存されるかどうかだ。e=1の完全弾性衝突では運動エネルギーも保存される。e=0だと、運動エネルギーは最大に失われて熱や音、変形のエネルギーに変わる。シミュレーターの右下にある「運動エネルギー」のグラフを見ると、衝突前後の変化が一目瞭然だよ。質量 m1 と m2 を変えて確認してみて。
🙋
2Dモードで角度を変えられるのは、どんな時に役立つんですか?実務では?
🎓
実務では斜めからの衝突が多いんだ。例えば自動車がガードレールに斜めに衝突する場合、衝突後の車の跳ね返る方向や速度を推定するのに使える。シミュレーターで「角度 θ₁」を変えると、衝突面に垂直な成分だけが反発係数の影響を受けることがわかるよ。CAEの衝突解析をする前の、初期条件の検討にぴったりなんだ。
よくある質問
1D衝突は一直線上での衝突をシミュレートします。2D衝突では、物体が斜めに衝突する場合の速度ベクトルや角度も可視化され、より現実的な衝突現象を確認できます。モード切替で簡単に試せます。
e=0.5は非弾性衝突に該当し、衝突後に運動エネルギーの一部が失われます。数値表示で衝突前後の運動エネルギーを比較でき、減少分が熱や変形に変換されたことを確認できます。
はい、運動量保存則に基づき、質量差が大きい場合でも正確に計算されます。例えば、軽い物体が重い物体に衝突すると、軽い物体の速度が大きく変化する様子をリアルタイムで確認できます。
はい、シミュレーション実行中でも各物体の質量や速度ベクトルをスライダーや数値入力で変更可能です。変更は即座に反映され、運動量やエネルギーの変化を動的に追跡できます。
実世界での応用
自動車安全設計:バンパーやボディの衝突安全性評価の基礎として利用されます。反発係数を調整することで、乗員保護に最適なエネルギー吸収特性をシミュレーションし、設計の初期検討に役立てます。
スポーツ工学:ゴルフボールやテニスボールの反発特性の解析、ビリヤードの球同士の衝突後の動きの予測など、スポーツ用具の開発やプレイの分析に物理モデルが応用されています。
ロボティクス:物体を把持・操作するロボットアームや、移動ロボットの衝突回避アルゴリズム開発において、衝突後の物体の挙動を予測する基礎理論として重要です。
CAE衝突シミュレーションの前処理:LS-DYNAやAbaqusなど大規模CAE解析を実施する前に、本ツールで衝突後の速度や運動エネルギーの変化を簡易計算し、解析条件や想定結果の妥当性をチェックする用途があります。
よくある誤解と注意点
まず、「反発係数eは定数ではない」という点を押さえましょう。ツールでは固定値で設定しますが、実物体のeは衝突速度や温度、材質の状態で変化します。例えば、同じゴムボールでも、冷えると硬くなってeが高くなり、高速衝突では変形が追いつかずeが低下することがあります。ツールでe=0.8と設定して「これが鉄球だ」と決めつけるのは危険で、あくまで挙動の傾向を掴むためのパラメータと考えるのがコツです。
次に、2D衝突における「衝突面」の見極め。ツールでは衝突面の法線方向が自動で計算されますが、実務で斜め衝突を考える時は、この「どの面からぶつかるか」の定義が全ての起点です。例えば、自動車が10度の傾斜がある壁に衝突する場合、衝突面は壁の面(地面に対して10度傾いた面)であり、地面水平方向の速度をそのまま使ってはいけません。シミュレーターで角度を変えながら、速度ベクトルがどう分解されるかを確認してください。
また、「運動量保存」と「力」を混同しないことも重要です。このツールは衝突「直前」と「直後」の状態を計算するもので、衝突「瞬間」にどのような大きな力が働いたかは出力しません。力(撃力)を知りたい場合は、運動量の変化量 $\Delta p$ を、非常に短い衝突時間 $\Delta t$ で割って $F = \Delta p / \Delta t$ と推定します。e=0の非弾性衝突でも運動量は保存されますが、力が大きければ変形は激しくなります。ツールの出力は、あくまで衝突後の「結果」であると理解しましょう。