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流体解析

等エントロピーノズル流れ計算機

MachまたはA/A*を指定して等エントロピーノズル流れの圧力・温度・密度・マッハ角をリアルタイム計算。垂直衝撃波の影響も可視化でき、超音速インテークや推力ノズルの設計理解に活用できます。

流体・条件設定

1.101.67
空気=1.4, 水蒸気=1.3, Ar=1.67
0.015.0

垂直衝撃波 (Normal Shock)

1.05.0
主要公式
計算結果
Mach数 M
面積比 A/A*
P/P₀
T/T₀
ノズル内 Mach数分布
A/A* vs Mach数
流体特性比 (T/T₀, P/P₀, ρ/ρ₀) at M
ノズル流れアニメーション — マッハ数コンター

等エントロピーノズル流れと垂直衝撃波とは

🙋
「等エントロピーノズル流れ」って何ですか?ロケットのノズルの話ですか?
🎓
その通り!大まかに言うと、ロケットエンジンやジェットエンジンのノズルの中で、摩擦や熱の出入りがない理想的な流れを計算するためのモデルだ。このシミュレーターでは、まず上の「比熱比γ」を1.4(空気)に設定して、入力モードを「Mach数」にしてみて。Mach数を0.5から2.0に変えると、圧力や温度がどう変わるか確認してみよう。
🙋
え、Mach数が1を超えると面積比A/A*が1より大きくなってます。これが「超音速ノズル」ってやつですか?
🎓
鋭いね!その通り。ノズルが最も細くなる「スロート」で流速が音速(Mach1)に達し、その先で広がると超音速になる。実務では、ロケットノズルの設計でこの面積比が特に重要だ。今度は入力モードを「面積比」に切り替えて、A/A*を5.0に設定してみて。対応するMach数が2つ出てくるはずだ。これが亜音速解と超音速解だね。
🙋
「垂直衝撃波を追加」をONにすると、急に圧力と温度が跳ね上がります!これが衝撃波ですか?
🎓
そう、それが垂直衝撃波だ。超音速流れが急に減速するときに発生する、ごく薄い不連続面だ。シミュレーターで上流Mach数M₁を2.0から4.0に上げてみて。衝撃波を通過すると、圧力比P₂/P₁が10以上にもなるのがわかる。例えば、超音速機が衝撃波を起こすと、これがドンという衝撃音(ソニックブーム)の原因になるんだ。

よくある質問

ノズル形状が決まっている場合はA/A*を、流れの状態(速度)を直接指定したい場合はMach数を選択します。例えば、スロート面積が既知のノズル設計ではA/A*、風洞の運転条件を決める際はMach数が便利です。
超音速インテークやノズル内部で衝撃波が発生した際の圧力・温度上昇を確認できます。例えば、エンジン始動時の衝撃波位置や、設計点から外れたときの性能低下を定量的に評価するのに役立ちます。
等エントロピー仮定の理想値ですので、実際の設計では損失(摩擦や熱伝達)を考慮した補正が必要です。ただし、理論上限やトレンド把握には有効で、設計の初期検討や教育用途に適しています。
γが大きい(例:1.4の空気→1.67のアルゴン)ほど、同じMach数でも圧力比・温度比が大きくなり、ノズル膨張が促進されます。燃焼ガス(γ≒1.2〜1.3)を扱う際は、実際の作動流体に合わせて設定してください。

実世界での応用

ロケット・宇宙推進系ノズルの設計:ロケットエンジンのノズル形状(特にスロート面積と出口面積の比 $A_e/A^*$)は、この等エントロピー関係式を用いて最適化されます。出口で超音速流れを効率よく生成し、最大推力が得られるように設計します。

超音速・極超音速航空機の空力設計:機体周りの流れ場に衝撃波が発生し、機体表面の圧力分布や熱流束に大きな影響を与えます。インレット(吸気口)の設計では、衝撃波の位置制御が吸入空気の効率を決定します。

ターボ機械(タービン・コンプレッサー)の流路解析:ガスタービンエンジン内の静翼・動翼間の流れは、高速で複雑な圧縮性流れです。ブレード間の流路をノズルとみなして、流れの加速・減速や衝撃波損失を評価する際に基礎理論として用いられます。

CAE(数値流体力学:CFD)の検証・基礎データ:複雑なCFD解析を行う前に、このような一次元の理論解を求めることで、解析設定(境界条件、物性値)が正しいかどうかの検証(ベンチマーク)に利用されます。特に衝撃波の取り扱いの検証は重要です。

よくある誤解と注意点

「A/A*が大きいほど流速が速い」と思いがちですが、実際は亜音速域と超音速域で逆の関係になります。A/A*が1より大きい場合、亜音速では面積増加とともに流速が減少しますが、超音速では面積増加とともに流速が増加します。この「流れの可逆性」を誤解すると、ノズル設計でスロート位置や拡大部の形状を間違える原因になります。また、「垂直衝撃波後は完全に亜音速になる」と思いがちですが、衝撃波前後のマッハ数は衝撃波の強さに依存し、衝撃波直後でもマッハ数が1に近い場合がある点に注意が必要です。さらに、「等エントロピー流れは常に非粘性・断熱を仮定する」ため、実在のノズルでは境界層や熱損失により計算値と実測値が乖離することを理解しておく必要があります。特に超音速インテーク設計では、衝撃波と境界層の干渉が性能に大きく影響するため、本ツールの結果をそのまま実機に適用する際は注意してください。