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振動・波動

LC・CR発振回路設計計算機

コルピッツ・ハートレー・クラップ・ウィーンブリッジ・RC位相推移・水晶発振器の発振周波数をリアルタイム計算。バルクハウゼン条件の検証とループゲイン解析付き。

パラメータ設定
インダクタンス L
µH
C1
pF
C2
pF
抵抗 R
Q値
ループゲイン A
バルクハウゼン条件
計算結果
発振周波数 f₀
フィードバック比 β
ループゲイン |Aβ|
Q値
利得余裕 [dB]
位相雑音 [dBc/Hz]
ナイキスト線図 — ループゲイン Aβ(jω)
ナイキスト線図
理論・主要公式

コルピッツ: $f_0 = \dfrac{1}{2\pi\sqrt{L\cdot\frac{C_1 C_2}{C_1+C_2}}}$

ウィーンブリッジ: $f_0 = \dfrac{1}{2\pi RC}$, 利得条件 $A \geq 3$

RC位相推移: $f_0 = \dfrac{1}{2\pi\sqrt{6}\cdot RC}$, $A \geq 29$

バルクハウゼン条件:$|\mathbf{A\beta}| \geq 1$ かつ $\angle A\beta = 0°$

LC・CR発振回路設計計算機とは

🙋
このシミュレーターで「発振周波数」って計算できるんですか?どうやって変わるのかイメージがわかないです。
🎓
大まかに言うと、コイル(L)とコンデンサ(C)の組み合わせで決まる“振動の速さ”を計算するツールだよ。例えば、上の「コルピッツ」タブを選んで、Lのスライダーを大きくしてみて。周波数が下がるでしょ?これは振り子の重りを重くするとゆっくり揺れるのと同じ原理なんだ。
🙋
え、そうなんですか!でも「発振する」ってどういう条件なんですか?適当にLとCを入れても振動し続けないですよね?
🎓
良いところに気づいたね。振動を“維持する”ためには「バルクハウゼン条件」という2つのルールを満たす必要があるんだ。1つはループゲインAが1以上(エネルギーが減衰しないこと)、もう1つは位相がぴったり0度(タイミングが合うこと)だ。このツールでは、パラメータを変えながら右下の「ナイキスト線図」がどう動くか確認できるよ。線が(1,0)の点を囲んでいれば発振するんだ。
🙋
「ウィーンブリッジ」ってのもありますが、あれは何が違うんですか?実務ではどっちを使うんですか?
🎓
コルピッツが高周波(RF)向けなのに対し、ウィーンブリッジは主にオーディオ帯域の低周波で使われるんだ。特徴は、発振条件が「A ≥ 3」とシンプルで、歪みの少ないきれいな正弦波が得られること。シミュレーターで「ウィーンブリッジ」タブに切り替えて、RやCを動かしてみ。発振周波数が変わるし、ループゲインAを3より小さくすると発振条件を満たさなくなるのが確認できるよ。

よくある質問

コルピッツは共振タンクに2つのコンデンサと1つのコイルを使用し、タップ点から帰還を取ります。ハートレーは2つのコイルと1つのコンデンサで構成され、コイルの中間タップから帰還します。本ツールでは両方の回路定数を入力して発振周波数を比較できます。
主な原因は、回路の浮遊容量や実装上の寄生インダクタンス、トランジスタの内部容量です。特に高周波ではこれらの影響が顕著になります。ツールのループゲイン解析で位相余裕を確認し、実際の基板設計では部品の配置を最短にすることで誤差を低減できます。
ループゲイン|Aβ|が1未満なら発振しません。対策として、トランジスタのバイアス電流を増やして利得を上げるか、帰還容量(コルピッツならC1/C2比)を調整します。ツールのゲイン解析画面でリアルタイムに値を変えながら条件を満たす定数を探せます。
水晶振動子のデータシートに記載された等価直列抵抗(ESR)、直列容量(C1)、並列容量(C0)、インダクタンス(L1)を入力してください。不明な場合は、一般的なHC-49Sパッケージの値(例:8MHzならL1=10mH, C1=0.04pF, C0=4pF, ESR=50Ω)を参考に初期計算できます。

実世界での応用

無線通信(RF局部発振器):スマートフォンやWi-Fiルーターの内部では、コルピッツやハートレー発振回路が局部発振信号を生成しています。高周波数でも安定した発振が得られる特性が活用され、PLL(位相同期ループ)の基準源としても用いられます。

オーディオ機器(低歪み信号源):オーディオアナライザーや高級オーディオ機器のテスト信号発生器には、ウィーンブリッジ発振回路が使われます。発振条件が単純で歪み率が低いクリーンな正弦波を生成できるため、性能測定に適しています。

デジタル機器のクロック生成:あらゆるマイコン(MCU)やCPUの動作クロックは、水晶発振器(クリスタル・オシレータ)によって供給されています。水晶の非常に高いQ値(鋭い共振特性)を利用することで、温度変化に強い極めて安定した発振周波数を実現しています。

センサー・計測機器:RC位相推移型発振回路は、構成がシンプルでIC化しやすいため、さまざまなセンサーの信号処理回路や、低コストの簡易信号発生器に応用されています。

よくある誤解と注意点

まず、「計算上の発振周波数=実際の回路の出力周波数」と思い込むことです。シミュレーターは理想的な素子を前提としていますが、現実のコイルには寄生容量や直流抵抗があります。例えば、100MHzの計算値が出ても、コイルの自己共振周波数が80MHzなら、それ以上の周波数は出せません。必ず部品のデータシートを確認しましょう。

次に、発振条件を「計算だけ」で済ませてしまうこと。バルクハウゼン条件は、温度や電源電圧で変動します。例えば、増幅器の利得Aが温度上昇で低下すると、|Aβ|≧1を満たさなくなり発振が停止します。実務では、シミュレーション後、実際の回路で電源電圧を±10%変動させても発振が維持されるか、余裕を持って設計します。

三つ目は、水晶発振器を「単なる高精度のLC共振回路」と扱うこと。水晶は等価回路が複雑で、並列共振と直列共振の2つの周波数があります。このツールで計算するのは、負性抵抗を考慮した発振可能な周波数領域の確認です。「発振周波数は水晶自体で決まる」が大原則で、周辺のトリーマ容量(C_L)は微調整用と理解してください。