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地盤工学

杭基礎支持力計算機(単杭・群杭)

αメソッド・βメソッド・SPT-N法による単杭の周面摩擦力・先端支持力をリアルタイム計算。群杭効率(Converse-Labarre式)にも対応。

杭体条件
杭タイプ
計算手法
杭形状
杭径 d
mm
杭長 L
m
土質(均一層)
N値(SPT)
粘着力 cu
kPa
単位体積重量 γ
kN/m³
内部摩擦角 φ
°
群杭設定
行数 m
列数 n
間隔比 s/d
載荷中ライブ数値
0
載荷 Q [kN]
0
周面摩擦 Qs [kN]
0
先端支持 Qp [kN]
0.0
沈下量 s [mm]
0
極限支持力 Qult [kN]
1.000
群杭効率 η_g
載荷沈下アニメーション(単杭→群杭)
載荷
周面摩擦 Qs 先端支持 Qp 荷重沈下曲線 単杭合計(ゴースト)
深度に対する単位摩擦力分布 fs [kPa]
理論・主要公式

αメソッド(粘土):

$$Q_s = \sum \alpha_i c_{u,i}A_{s,i},\quad \alpha = \begin{cases}1.0 & c_u\le 25\text{ kPa}\\ 0.5 & c_u=100\text{ kPa}\end{cases}$$

SPT-N法(Meyerhof): $Q_{tip}= 400N A_p$,$Q_s = f_s A_s$(fs=2N for sand)

群杭効率(Converse-Labarre):

$$\eta_g = 1 - \frac{\theta[(m-1)n + (n-1)m]}{90mn},\quad \theta=\arctan\!\left(\frac{d}{s}\right)^{\circ}$$

杭基礎支持力計算機とは

🙋
このシミュレーターで「αメソッド」と「βメソッド」って選べますけど、どうやって使い分けるんですか?
🎓
大まかに言うと、土の種類で決めるんだ。粘土のような細粒土にはαメソッド、砂のような粗粒土にはβメソッドを使うよ。このツールでは「計算手法」セレクトで α メソッド(粘土系)・β メソッド(砂質系)・SPT-N 法を直接選べる。α メソッドでは「粘着力 cu」が、β メソッドでは「内部摩擦角 φ」が支持力計算に効いてくるんだ。「杭タイプ」は別の項目で、打込み杭か場所打ち杭かといった施工方法を選ぶものだよ。
🙋
え、そうなんですか!じゃあ、実際の地盤って粘土と砂が混ざってることも多いですよね?そんな時はどう計算するんですか?
🎓
良いところに気が付いたね。実務では、ボーリング調査で得られた地層ごとに計算方法を変えるんだ。このシミュレーターでは「複合層」を選べるといいんだけど、今は単一の土質を想定している。でも考え方は同じで、杭の長さLの間に粘土層と砂層があれば、深さごとにα法とβ法を使い分けて周面摩擦を足し合わせる。上の「杭長 L」や「N値」のスライダーを動かすと、支持力がどう変わるか体感できるよ。
🙋
「群杭効率」って何ですか?単純に杭の本数を増やせば、その分だけ強くなるわけじゃないんですか?
🎓
まさにその通りで、杭をぎっしり並べると、お互いの応力が干渉し合って1本あたりの効率が落ちてしまうんだ。これが群杭効率(1.0以下)だ。例えば、ツールの「行数 m」や「列数 n」を増やしてみてごらん。単杭の支持力の合計に対して、群杭としての総支持力がどう減るかが「Converse-Labarre式」で計算されて表示される。現場では、橋脚の基礎などでこの計算が特に重要になるんだ。

よくある質問

αメソッドは粘性土(粘土・シルト)に適用し、非排水せん断強度cuに係数αを乗じて周面摩擦力を算出します。βメソッドは砂質土(砂・礫)に適用し、有効上載圧と内部摩擦角から算定します。SPT-N法は両方に使えますが、簡易的な設計や事前検討向けです。
必要なパラメータは、杭の本数(n)、杭径(d)、杭中心間距離(s)、および杭の配置パターン(矩形・千鳥など)です。これらの値を入力すると、群杭としての支持力低減率が自動計算され、単杭の支持力に乗じて群杭全体の支持力を求めます。
主な原因として、地盤パラメータ(粘着力cu、内部摩擦角φ'、N値)の入力値が過小である、または有効上載圧の計算に用いる地下水位や土の単位体積重量が実際と異なる可能性があります。また、杭径や根入れ長さの誤入力も影響します。入力値を再確認してください。
本ツールの SPT-N 法(Meyerhof 系)では、周面単位摩擦力を場所打ち杭で fs≈1.5N kPa、打込み杭で fs≈2N kPa、先端支持力を場所打ちで qp≈200N kPa、打込みで qp≈400N kPa の経験式で計算します(N は SPT-N 値)。簡便な事前検討向けで、重要構造物では土質試験に基づく α メソッド・β メソッドの併用を推奨します。

実世界での応用

建築物の基礎設計:高層ビルや大型商業施設の重い荷重を地盤に伝えるため、支持杭や摩擦杭として設計されます。予備設計段階でこのツールのような計算を行い、必要な杭の長さ、太さ、本数を概算します。

橋梁・高架橋の橋脚基礎:河川や軟弱地盤上に橋脚を建設する際、群杭基礎が多用されます。水平力や引抜き力も考慮する必要があり、群杭効率の評価が特に重要です。

太陽光パネル架台・送電鉄塔基礎:比較的軽い構造物でも、軟弱地盤では杭基礎が必要になります。SPT-N値を直接用いた簡便な計算方法が初期検討でよく用いられます。

既存構造物の補強・不同沈下対策:建物の増築時や地盤沈下が発生した場合、既存基礎の周辺に新たに杭を打設して支持力を補強する「杭式アンダーピニング」が行われます。この計画にも支持力計算が不可欠です。

よくある誤解と注意点

まず、「N値さえあれば計算は完璧」と思いがちな点に注意だ。SPT-N法は確かに便利な経験式だが、N値は試験方法や地盤の状態でばらつく。例えば、同じ砂層でも地下水位の有無でN値は大きく変わり、支持力も影響を受ける。ツールで「N値」を変えてみると支持力が大きく変わるのが体感できるはず。実務では、複数のボーリングデータから代表値を慎重に決めることが肝心だ。

次に、パラメータの「粘着力 cu」と「内部摩擦角 φ」の扱い。これは地盤調査報告書からそのまま値を取ってきて入力していないか?特に粘着力$c_u$は、非排水せん断強さ$s_u$とほぼ同義だが、サンプリング方法や試験法(例えば、一軸圧縮試験か圧密非排水試験か)で値が異なる。報告書の脚注を必ず確認しよう。例えば、$c_u = 50 \mathrm{kN/m^2}$とあっても、それがどの試験による値か確認しないと、α法の計算結果が現実とズレる原因になる。

最後に、群杭効率計算の落とし穴。Converse-Labarre式はシンプルで便利だが、万能ではない。この式は主に摩擦杭を密に配置した場合の目安だ。例えば、杭径1m、間隔2.5m(s=2.5m)という比較的密な配置では効率は0.7を切ることもあるが、支持杭(先端支持が主)や杭間隔が広い(sが3d以上)場合は、効率低下は小さくなる。ツールで遊ぶ時は、まず自らの設計条件がこの式の適用範囲内か、考えながらパラメータを変えてみるといい。