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振動解析ツール

1自由度系 周波数応答解析シミュレーター

減衰比・固有振動数を変えてFRF(周波数応答関数)をリアルタイム可視化。共振のメカニズムと動的増幅率を直感的に理解できます。

パラメータ設定
固有振動数 f₀
Hz
系の共振周波数
減衰比 ζ
ζ=0.05 が構造減衰の典型値
周波数範囲 f_max
Hz
共振ピーク条件
r = f/f₀ = 1 のとき最大応答
ピーク値 ≈ 1/(2ζ)
チャート操作
FRFグラフ上をクリック/ドラッグで加振周波数を選択。縦線カーソルで増幅率を確認できます。
計算結果
共振周波数 f_r (Hz)
動的増幅率 Q
半値幅 Δf (Hz)
減衰比 ζ
周波数応答関数 H(f) = X / (F₀/k) f = — Hz | H = —
位相角 φ(f)
マス-バネ-ダンパ アニメーション
加振周波数 f:
Hz
H = —
理論・主要公式

$$|H(\omega)| = \frac{1/k}{\sqrt{(1-r^2)^2 + (2\zeta r)^2}}, \quad r = \frac{\omega}{\omega_n}$$

動的増幅率(DAF):\(r=1\) 共振時は \(1/(2\zeta)\)、\(\zeta=0.05\) なら10倍

$$\omega_n = \sqrt{\frac{k}{m}}, \quad f_n = \frac{\omega_n}{2\pi}$$

固有角振動数・固有振動数の基本関係

$$\phi(\omega) = \arctan\frac{2\zeta r}{1-r^2}$$

位相遅れ:\(r<1\) では 0〜90°、\(r>1\) では 90〜180°

1自由度系 周波数応答解析とは

🙋
「周波数応答解析」って何ですか? 振動の周波数を変えると、構造物の揺れ方がどう変わるということですか?
🎓
その通り!大まかに言うと、外から加わる揺れの「速さ(周波数)」を変えた時に、構造物がどれだけ大きく揺れるか(振幅)、そして揺れがどれだけ遅れるか(位相)を調べる解析だ。例えば自動車が凸凹道を走る時、路面の凸凹の間隔(周波数)によって車体の揺れ方が大きく異なるよね。このシミュレーターでは、上のスライダーで「固有振動数」と「減衰比」を変えて、その関係をすぐにグラフで確認できるんだ。
🙋
「減衰比」のスライダーを動かすとグラフが大きく変わりました!値が小さいと山が鋭くて高くなるけど、これはどういう意味ですか?
🎓
鋭い山は「共振」って現象だよ。減衰比が小さい(例えば0.01)と、構造物の「粘り」が弱いから、外からの揺れの周波数が構造物の「得意な揺れ方(固有振動数)」に近づくと、エネルギーがどんどん蓄積して大きく揺れてしまう。実務では、機械の軸や建物の設計で、この共振を絶対に避けたいんだ。シミュレーターで減衰比を0.1くらいに上げてみて? 山が低く広くなるのがわかるよね。これが制振材の効果だ。
🙋
位相のグラフで、周波数が高くなると180度に近づいています。これって、外からの力と構造物の動きが「逆」になるということですか?
🎓
鋭い観察だね!その通り。低い周波数では力と動きはほぼ同期(位相差0°)してるけど、共振点を過ぎると動きが力に追いつけなくなり、90°遅れる。さらに周波数が高くなると、慣性が支配的になって動きが力と完全に逆位相(180°)になる。例えば、高速で振動する電動ドリルを手で持つと、グリップから伝わる振動と手の動きが逆になって、握りづらく感じる現象に近いね。「固有振動数」のスライダーを動かすと、この位相が急激に変わるポイントも一緒に移動するのが確認できるよ。

よくある質問

減衰比ζ(ゼータ)が小さいほど山は高くなります。ζ=0では理論上無限大になりますが、現実には摩擦や材料内部の減衰により有限値になります。共振点での増幅率は1/(2ζ)で近似でき、例えばζ=0.05なら約10倍の振幅になります。
厳密には異なります。固有振動数は減衰がない場合の自由振動の周波数ですが、共振周波数(振幅が最大になる周波数)は減衰があるとわずかに低くなります。ただし減衰比が小さい実用範囲ではほぼ一致するため、多くの場合同じと扱って問題ありません。
ブラウザの再描画が止まっている可能性があります。ページをリロードするか、別のスライダーを一度動かしてみてください。また、スマートフォンやタブレットではタッチ操作に対応していない場合があるため、PCでのご利用をお勧めします。
基礎的な共振現象の理解には最適ですが、実際の設計では多自由度系や非線形性、モード連成などを考慮する必要があります。本ツールは「1自由度系」という単純化モデルであり、定性的な傾向把握や教育目的としてご活用ください。

実世界での応用

機械・自動車設計:エンジンやモータなどの回転機械は、特定の回転数(周波数)で大きな振動(共振)を起こします。設計段階で固有振動数を計算・調整し、常用回転域からずらす「デチューニング」を行うために、周波数応答解析が不可欠です。

建築・土木構造物:高層ビルや橋梁は、風や地震による周期的な力を受けます。固有振動数と減衰比を適切に設計し、共振による過大な変形を防ぎます。制振ダンパーを設置する際の効果予測にも使われます。

電子機器の耐振動設計:航空機や車載される電子基板は、運転中の振動環境に耐えなければなりません。基板上の重い部品(コネクタ等)の固有振動数を評価し、破損や接触不良を防ぐための支持設計に応用されます。

音響・振動試験:製品の振動試験では、周波数を掃引して共振点を探します。その共振点での応答の大きさ(動的増幅率)と減衰比を測定することで、製品の動的剛性や耐久性を評価します。

よくある誤解と注意点

このシミュレーターを使い始めるとき、いくつか勘違いしやすいポイントがあるよ。まず、「減衰比ζ=0が一番危険」と思いがちだけど、現実には完全なゼロ減衰(非減衰)は存在しない。空気抵抗や材料内部の摩擦で、必ず少しは減衰する。実務で問題になるのは、ζが0.01を切るような極めて小さい値のときだ。例えば、タービンブレードの微少な減衰で、共振時の振幅が設計値の100倍を超えることもある。逆に、ζを大きくしすぎると(例えば0.5以上)、システムの応答が鈍くなりすぎて、制御性やエネルギー効率が悪化するトレードオフがあることも覚えておこう。

次に、「固有振動数は1つ」という思い込み。このツールは1自由度だから固有振動数は1つだけど、実物は無限の自由度を持つ。例えば自動車の車体は、上下のバウンシング、前後のピッチング、左右のローリングなど、複数の固有振動数(モード)を持つ。1次のモード(一番低い周波数)だけ避けても、高次のモードで共振が起きる可能性は残っているんだ。

最後に、パラメータ設定の落とし穴。シミュレーターでは質量m、剛性kを直接触らず、固有振動数f_nと減衰比ζで操作するよね。これは便利だけど、実務で「剛性を2倍にしたら固有振動数はどうなる?」と考えたい時は、数式 $\omega_n = \sqrt{k/m}$ に戻る必要がある。剛性kを2倍にすると、固有振動数は√2倍(約1.414倍)になる。質量と剛性の変化が周波数に与える影響は平方根で効いてくることを、肌感覚で理解しておくことが大事だ。