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物理シミュレーター

沈降速度・ストークスの法則計算機

粒子径・密度・流体粘度から終端速度をリアルタイム計算。ストークス/アレン/ニュートン域を自動判定し、妨害沈降・遠心沈降にも対応。

パラメータ設定
粒子プリセット
粒子径 d
0.1 μm — 10 mm (対数スケール)
粒子密度 ρp
kg/m³
流体粘度 μ
mPa·s
流体密度 ρf
kg/m³
固体体積分率 φ (妨害沈降)
G値 (遠心:g倍)
×g
沈降深さ h
m
0.00 s
計算結果
終端速度 vt [mm/s]
Reynolds数 Re
抗力係数 CD
Stokes数 Stk
沈降時間 [s]
流動域
可視化
Vt
理論・主要公式

ストークス域 (Re<1):

$$v_t = \frac{d^2(\rho_p - \rho_f)g}{18\mu}$$

Schiller-Naumann相関 (Re<1000):

$$C_D = \frac{24}{Re}\left(1 + 0.15\,Re^{0.687}\right)$$

Richardson-Zaki妨害沈降:

$$v_{t,\text{eff}} = v_t\,(1-\varphi)^n$$

沈降速度・ストークスの法則計算機とは

🙋
「ストークスの法則」って、粒子が液体中を沈む速さを計算する式ですよね?このシミュレーターで何ができるんですか?
🎓
大まかに言うと、粒子の沈む終端速度を、条件に応じて自動で正しい式で計算してくれるツールだよ。例えば、上の「粒子径 d」のスライダーを大きくすると、沈降速度がどう変わるかすぐにわかる。ストークス則が使えるかどうかも、レイノルズ数を見て自動判定してくれるんだ。
🙋
え、ストークス則はいつでも使えないんですか?「中間域」や「ニュートン域」って何が違うんですか?
🎓
そうなんだ。ストークス則は粒子がゆっくり沈む「ストークス域(Re<1)」でしか成り立たない。実務で扱う大きな粒子や粘度の低い液体では、抗力係数が変わってくる。このツールは、広い範囲で使える「Schiller-Naumann相関」で計算しているんだ。パラメータを変えて、グラフの線がカクッと折れる「領域の境目」を探してみるといいよ。
🙋
「固体体積分率 φ」や「G値」って何に使うんですか?アニメーションの沈む速さが変わりました!
🎓
いいところに気づいたね!「固体体積分率」を増やすと、周りに粒子がたくさんいる「妨害沈降」の状態になる。泥水みたいな高濃度スラリーでは沈みにくくなるんだ。それを補正するのがRichardson-Zaki式だよ。「G値」は遠心分離機の強さで、重力の何倍の力で引っ張るか。医薬品の遠心分離では、この値を大きくして分離時間を短縮するんだ。実際にスライダーを動かして、アニメーションの速度やグラフの変化を確かめてみて。

よくある質問

入力値が物理的に非現実的な範囲(例:粒子径が0や負の値、密度差が逆転しているなど)になっていないかご確認ください。また、流体粘度が極端に大きい場合や、計算が収束しない場合はエラー表示が出ます。数値を適切な範囲(例:粒子径1μm〜10mm程度)に調整してください。
計算時に粒子レイノルズ数Reを逐次計算し、Re<1ならストークス域、1≦Re<500ならアレン域、500≦Reならニュートン域と判定します。各域で抗力係数の式が切り替わり、終端速度が再計算されます。結果画面に判定結果も表示されます。
妨害沈降モードでは、粒子群の濃度(体積分率)を追加で入力します。高濃度になると粒子同士の干渉で沈降速度が低下するため、Richardson-Zakiの式などを用いて補正された終端速度を計算します。希薄な条件では単一粒子の結果とほぼ一致します。
遠心加速度を重力加速度の倍数(G)で入力してください。例えば、遠心分離機の回転半径と回転数から求めた相対遠心力(RCF)をgで割った値を入力します。これにより、重力場の代わりに遠心場での終端速度が計算されます。

実世界での応用

廃水処理・シックナー設計:沈殿池(シックナー)で汚泥を分離・濃縮するための滞留時間や槽サイズを決定する際に、粒子群の実効的な沈降速度を計算します。高濃度スラリーでは「妨害沈降」の補正が必須です。

医薬品・食品製造における遠心分離:細胞や結晶、不純物を遠心分離機で分離する際の分離効率や所要時間を概算します。生体試料など粘度が高い流体中の微粒子沈降の設計にも活用されます。

鉱物処理・スラリー輸送:鉱石の粉砕物を水と混ぜたスラリーのパイプライン輸送では、粒子の沈降速度が詰まりの評価指標となります。粒度分布を考慮した分級(サイズ選別)の設計にも応用できます。

大気環境・粉塵沈降:工場から排出される粉塵や火山灰が大気中を沈降する速度を推定し、飛散距離や堆積量の予測に用いられます。この場合は流体が空気となり、密度差が非常に大きいことが特徴です。

よくある誤解と注意点

この計算ツールを使い始める際、特に現場から計算を頼まれた新人さんが陥りがちな落とし穴がいくつかあります。まず一つ目は、「計算結果の単位をそのまま使ってしまう」こと。このツールのデフォルト出力はm/sです。例えば、沈降速度が0.001 m/sと出たら、1 mm/s。沈殿槽の設計で「1時間で何メートル沈むか」を知りたければ、0.001 m/s × 3600秒 = 3.6 m/時と換算する必要があります。単位の見落としは大きな設計ミスに直結します。

二つ目は、「粒子が『球形』であることを忘れる」こと。この計算の根幹であるストークスの法則もSchiller-Naumann相関も、基本は球形粒子が前提です。現場の粉体は針状や板状だったり、凝集してクラスターを形成していたりします。例えば、同じ体積の球形と円盤状粒子では、抗力が大きく異なり沈降速度も変わります。計算結果は「球形と仮定した時の理論値」であり、実測値との乖離を評価する際のベースラインとして捉えましょう。

三つ目は、「流体の物性値の設定を雑に扱う」こと。特に粘度は温度に敏感です。20℃の水の粘度は約1 mPa·sですが、60℃では約0.47 mPa·sと半分近くになります。このツールで「温かい廃水」と「冷たい廃水」の条件を同じ密度で計算してみると、沈降速度が倍近く違う結果になるはずです。実務では、対象プロセスがどの温度帯で動いているかを必ず確認し、その温度での正確な物性値を入力することが鉄則です。