透水係数計算 戻る
地盤工学

透水係数計算ツール

定水頭・変水頭試験のデータを入力し、土の透水係数 k をダルシー則で計算。土質別典型値との比較と透水計の模式図をリアルタイム表示します。

土質・試験条件
試験パラメータ
試料長さ L (mm)
mm
試料直径 D (mm)
mm
水頭差 h (mm)
mm
流量 Q (cm³/s)
cm³/s
経過時間 t (s)
s
計算結果
計算結果
透水係数 k (m/s)
動水勾配 i
ダルシー速度 v (m/s)
透水性区分
透水計 模式図
土質別 透水係数 比較
理論・主要公式

定水頭: k = QL / (Aht)

ダルシー速度: v = k · i

流量: Q = k · A · i

透水係数計算ツールとは

🙋
透水係数って何ですか?教科書で「k」って出てきたけど、具体的にどうやって求めるんですか?
🎓
大まかに言うと、土が水を通しやすさを表す数字だね。単位はm/sで、砂利なら水がサラサラ通るからkが大きく、粘土ならほとんど通らないからkが非常に小さい。このツールでは、実際の試験データからそのkを計算できるよ。まず上の「土質種別」を「中砂」に変えてみて。典型値が表示されるから、自分で計算した結果と比べてみよう。
🙋
え、そうなんですか!「定水頭」と「変水頭」って試験方法があるみたいですが、どう使い分けるんですか?
🎓
実務では、サラサラ水が通る土か、ほとんど通らない土かで試験方法を選ぶんだ。例えば道路の路盤材として使う砂礫は透水性が高いから「定水頭試験」が向いている。逆に、ダムの遮水壁に使う粘土は「変水頭試験」だね。ツールの「試験方法」を切り替えると、必要なパラメータが変わるよ。変水頭にすると「スタンドパイプ面積a」を入力する欄が出てくるから確認してみて。
🙋
なるほど!でも、試料の大きさ(長さLや直径D)や水頭差hを変えると、計算結果のkは変わるんですか?
🎓
良いところに気づいたね!kは材料そのものの性質だから、理想的な条件なら試料の形や水頭差を変えても同じ値になるはずなんだ。でも実際の試験では誤差が出る。ツールで「試料長さL」のスライダーを大きくしたり小さくしたりして、右側の模式図がどう変わるか確認してみよう。水の通る道のりが変わるのがイメージできるよね。計算式もリアルタイムで変わるから、どういう関係か確認してみて。

よくある質問

透水性の高い砂質土(kが10⁻⁴ m/s以上)には定水頭試験、透水性の低い粘性土(kが10⁻⁵ m/s以下)には変水頭試験が適しています。中間のシルト質土では両方試し、結果が安定する方を採用してください。試験の種類は入力画面で選択できます。
すべての必須項目(試料長、断面積、水頭差、流量または経過時間と水位変化)を入力すると、リアルタイムで透水係数kが計算・表示されます。数値を変更するたびに即座に再計算されるので、試行錯誤しながら最適値を確認できます。
典型値は代表的な土質の一般的な範囲(砂:10⁻³~10⁻⁵ m/s、シルト:10⁻⁵~10⁻⁷ m/s、粘土:10⁻⁷ m/s以下)を示しています。実際の現場では粒度や締固め度で変動するため、あくまで目安としてご利用ください。
はい、入力した試料長、断面積、水頭差の値に応じて模式図の寸法や水位線がリアルタイムで更新されます。図中の矢印で水の流れ方向や動水勾配も可視化されるため、試験の物理的イメージを直感的に理解できます。

実世界での応用

土木・地盤工学: 土留め壁やダムの設計では、地盤の透水性を正確に把握することが安全性に直結します。例えば、掘削工事で周辺の井戸の水位が下がらないよう、遮水壁の設計に透水係数データが使われます。

環境工学: 地下水汚染の拡散予測や、汚染物質の自然浄化能力の評価に不可欠です。透水性の低い粘土層が天然の遮水壁(キャップ)として機能するかどうかを判断する材料となります。

農業・灌漑: 農地の排水性や保水性の評価に利用されます。水はけが良すぎる(kが大きすぎる)土地では水不足に、悪すぎる土地では根腐れを起こすため、適切な作物選定の指標になります。

地熱・エネルギー: 地中熱ヒートポンプシステムの設計では、地盤の熱伝導性と並んで透水係数が重要です。地下水の流動が熱の運搬に影響を与えるため、システム効率の予測に用いられます。

よくある誤解と注意点

このツールを使い始めるとき、特に初学者が陥りがちなポイントがいくつかあります。まず大きな誤解は、「計算されたk値がそのまま現場の値」だと思ってしまうこと。実は、実験室で小さな試料から求めた透水係数(lab k)と、広大な現場地盤の透水係数(field k)は、しばしば1〜2桁も違うことがあります。例えば、礫層には大きな空隙(パイプ状の流路)が局所的に存在することがあり、小さな試験体では捉えきれません。逆に、粘土でも乾燥ひび割れがあれば透水性は上がります。ツールの結果は「目安」と捉え、重要な設計では現場での揚水試験などで確認する必要があります。

次に、単位の統一ミス。これは本当に多いです。試料直径Dを「cm」で、長さLを「m」で、流量Qを「L/min」で入力してしまうと、とんでもないk値が出ます。ツールは内部で単位を処理してくれますが、自分で計算式をいじる際は必ずSI単位系(m, s, m³/s)に揃える癖をつけましょう。例えば、10 cmは0.1 m、1 L/minは約1.67×10⁻⁵ m³/sです。

最後に、試験方法の選択と適用限界。透水性が極端に高い(礫)または低い(微細な粘土)材料では、ダルシー則自体が成り立たない場合があります。礫では流速が速すぎて乱流となり、粘土では水と土粒子の間の電気的な相互作用が無視できなくなります。ツールで砂質土の典型値(10⁻⁴ m/s前後)から大きく外れる値が出た時は、「この試験方法で正しかったか?」「ダルシー則の適用範囲内か?」と一度疑ってみることが大切です。

使い方ガイド

  1. 試験方法を選択:定水頭試験(一定の水頭差を維持)または変水頭試験(時間とともに水頭が低下)を選びます
  2. 試料寸法を入力:試料長さlVal(cm)、断面積sLen(cm²)、またはダイアメータsDiam(mm)を指定します
  3. 水頭差データを入力:定水頭試験ではhVal(cm)、変水頭試験ではh0Val(cm初期水頭)とhead(cm終了水頭)を設定します
  4. 透水時間を入力:定水頭試験ではdVal(秒)、変水頭試験ではt(秒)を記入します
  5. 計算実行ボタンを押下すると、透水係数k(m/s)、動水勾配i、ダルシー速度v(m/s)がリアルタイム表示されます

具体的な計算例

砂質土の定水頭試験:試料長20cm、断面積50cm²、水頭差10cm、透水時間300秒の場合、透水量Q=50cm³となり、k=Q×lVal/(sLen×hVal×dVal)=(50×20)/(50×10×300)=0.00667cm/s≒6.67×10⁻⁵m/sが得られます。粘土質土で同じ条件では通常k=1×10⁻⁷m/s以下となり、土の粒度や圧密度により大きく変動します。変水頭試験(初期水頭80cm、終了水頭20cm、240秒)ではk=2.303×a×lVal/(sLen×t)×log(h0Val/head)の式で精密な低透水性土の評価が可能です

実務での注意点