モデル・パラメータ
モデル選択
Maxwell 応力緩和
$$\sigma(t) = \sigma_0 e^{-t/\tau}, \quad \tau = \frac{\eta}{E_1}$$
KV クリープ
$$\varepsilon(t) = \frac{\sigma_0}{E_1}\left(1 - e^{-t/\tau}\right)$$
クリープ(青:ひずみ ε)または応力緩和(赤:応力 σ)の時間応答。
選択中のモデルの模式図。バネ(弾性要素)とダッシュポット(粘性要素)の接続方法。
E'(貯蔵弾性率)、E''(損失弾性率)、tanδ の角周波数ω依存性。
よくある質問
クリープと応力緩和は何が違いますか?
クリープは「一定応力のもとで変形が時間とともに増える」現象です(例:プラスチック棚に重荷をずっと載せる)。応力緩和は「一定変形のもとで応力が時間とともに減る」現象です(例:ボルトで締めたゴムガスケットの締め付け力が徐々に低下する)。シミュレーターで「応答タイプ」を切り替えてグラフの違いを確認してください。
緩和時間τが材料設計でなぜ重要なのですか?
τは「その材料の特徴的な時間スケール」を定めます。製品の使用時間がτより十分長い場合、材料はほぼ液体的に振る舞います(長期クリープ問題)。使用時間がτより十分短い場合は弾性的に振る舞います。地震(秒オーダー)に対する免震ゴムの設計では、τが地震継続時間と同程度になるよう制振材を設計することがあります。
実材料のτはどのくらいですか?
室温での典型値:シリコーンゴム(τ≈0.1〜10秒)、エポキシ樹脂(τ≈数時間〜数日)、粘着テープ(τ≈数秒〜数分)、コンクリート(τ≈数十年)。温度が上がるとτは大幅に短くなります(アレニウス則)。これが「高温環境でのクリープ問題」が工学的に重要な理由です。
損失係数tanδが高い材料の例は何ですか?
粘着テープの粘着剤(tanδ≈1〜5)、防振ゴム(tanδ≈0.3〜1)、アスファルト(温度依存:高温でtanδ大)、タイヤのゴム(走行域でtanδ=0.1〜0.3)が典型例です。一般に tanδが大きい材料は振動吸収に優れますが、ヒステリシス発熱が多く、タイヤでは転がり抵抗の増加(燃費悪化)につながります。
時温換算則(WLF式)とは何ですか?
高分子材料では「温度を上げることと、測定周波数を下げることは等価」という関係(時温換算則)が成り立ちます。低温・高周波での挙動は高温・低周波での挙動と等価であり、これを利用して広い周波数範囲のデータを少ない実験で取得できます(マスターカーブ)。CAEでは温度依存の粘弾性挙動を予測するために活用されます。
SLSモデルをProny級数で表すとどうなりますか?
SLSの緩和弾性率はG(t) = E₂ + E₁·exp(-t/τ)と書けます。これはProny級数の1項版G(t) = G∞ + Σ Gᵢ·exp(-t/τᵢ)に対応します。AnsysやAbaqusへ入力する際は、ΔG₁=E₁、τ₁=η/E₁、G∞=E₂に換算します。実材料では多項(n=5〜20項)のProny級数を使い、DMAデータに最小二乗フィッティングします。