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振動解析

振動測定・解析ツール

周波数と加速度から速度・変位を瞬時に換算。ISO 10816に基づく機械振動の健全性ゾーン判定と、A特性重み付けフィルタの特性を視覚的に確認できます。

パラメータ設定
周波数 f
Hz
入力量の種類
振幅(加速度)
m/s²
ISO 10816 ゾーン判定
計算結果
加速度 [m/s²]
速度 [mm/s]
変位 [mm]
変位 [μm]
速度 [dB re 1nm/s]
速度 dBA
振動量の比較(3単位系)
A特性重み付けフィルタ特性
理論・主要公式
正弦振動 $a = A\sin(2\pi f t)$ に対して:
$v = \dfrac{a}{2\pi f}$,$d = \dfrac{a}{(2\pi f)^2}$

速度レベル: $L_v = 20\log_{10}\!\left(\dfrac{v}{10^{-9}}\right)$ [dB]

振動測定・解析ツールとは

🙋
振動の「加速度」と「速度」と「変位」って、全部違うものなんですか?シミュレーターで「入力量の種類」を選べるけど、何が変わるんですか?
🎓
そうだね、これらは振動を表す3兄弟みたいなものだ。大まかに言うと、「変位」は揺れ幅「速度」は揺れる速さ「加速度」は速度の変化の激しさだよ。シミュレーターで「入力量」を変えると、君が入力した値(例えば加速度10 m/s²)を基準に、他の2つの値が自動で計算されて表示されるんだ。上の「周波数」スライダーを動かしてみると、関係がよくわかるよ。
🙋
え、周波数を上げると、速度と変位の値がガクンと減りました!同じ加速度なのに、なぜですか?
🎓
いいところに気づいたね!これが振動解析の大事なポイントだ。実務では、例えばモーターの振動を加速度センサーで測ることが多いんだけど、評価規格は速度で決まっていることが多いんだ。高周波で同じ加速度でも、速度や変位は小さくなる。だから、「この機械、振動が大きいな」と感じても、周波数が高いだけなら実際の揺れ幅(変位)は小さい、なんてことがある。このツールは、そういう感覚と数値のギャップを埋めてくれるんだ。
🙋
ISO 10816の評価ゾーン(A〜D)って、すぐに出てきますね。あれはどうやって使うんですか?
🎓
あれは現場で超便利な機能だよ。例えば、君が工場でポンプの振動を測って「速度実効値が4.5 mm/sだった」とする。このツールでパラメータを入力すると、即座に「Zone B」って表示されるだろう?これは「長期連続運転しても大丈夫」というお墨付きだ。逆に、「Zone C(修理要検討)」や「Zone D(危険)」になったら、すぐに保全担当に連絡する、という使い方をするんだ。シミュレーターで加速度の値を大きくしていって、ゾーンが変わる瞬間を確認してみて。

よくある質問

本ツールの換算式は正弦波を前提としています。実際の振動は複数の周波数成分を含むため、単一正弦波と見なせる場合や、特定の周波数成分を抽出した後にご使用ください。複雑な波形の場合はFFT解析などで周波数成分ごとに分解してから換算することを推奨します。
ISO 10816は、定格出力1kW以上の回転機械(ポンプ、ファン、モーターなど)を対象とします。機械の種類や支持方式(剛性/柔性)に応じてゾーン境界値が異なりますので、ツール内で該当する機械クラスを正しく選択してください。小型機器や往復動機械には適用できません。
A特性は主に騒音測定用の周波数重み付けですが、本ツールでは参考表示として提供しています。振動評価ではISO 10816など別の周波数重み付け(例:ISO 2954の10Hz~1kHz帯域)が一般的です。A特性は人間の聴感特性に近いため、振動に伴う騒音の傾向を確認する際にご利用ください。
入力値が物理的に非現実な範囲(例:極端に低い周波数で巨大な加速度)の場合、計算結果が非常に大きな値となり表示範囲を超える可能性があります。また、周波数が0Hzまたは負の値では計算できません。0.1Hz~10,000Hzの範囲で、適切な加速度値を入力してください。

実世界での応用

工場設備の予防保全:モーター、ポンプ、ファンなどの回転機械に振動センサーを取り付け、定期的に速度実効値を測定します。測定値がISO 10816の「Zone B」を超えて「Zone C」に近づいたら、ベアリングの摩耗や軸の不釣り合いを疑い、計画的な修理を行います。これにより、突発的な故障による生産停止を防ぎます。

建物・構造物の耐震評価:地震時の揺れを加速度計で記録し、本ツールのような換算を用いて速度や変位に変換します。得られた変位量が構造物の許容値を超えていないか、または主要構造部材の固有振動数に近い周波数成分が大きく出ていないかを分析し、損傷度の評価や補強の必要性を判断します。

家電製品の静粛性設計:洗濯機の脱水時やエアコンの室外機などから発生する振動は、騒音の原因となります。設計段階で加速度データを取得し、速度レベルに換算して評価します。特に人間の聴覚に合わせたA特性フィルタ(ツール内のグラフで確認可)を適用した値は、実際の騒音感覚に近い指標として用いられます。

風力発電タービンの状態監視:数十メートルものブレードを回す大型タービンでは、ナセル(発電機部分)や歯車箱の振動を常時監視します。周波数分析と組み合わせ、特定の周波数帯域(例えば軸回転数や歯車のかみ合わせ周波数)での振動速度が増加していないかを追跡し、重大故障に至る前の早期警告に役立てます。

よくある誤解と注意点

このツールを使いこなす上で、現場の新人エンジニアがよくハマるポイントを3つ挙げておくよ。まず一つ目は、「測定値の単位と入力値の種類を混同する」こと。例えば、加速度センサーの出力が「10 m/s²」だったからといって、それをそのままツールの「加速度」欄に入力していない?実はセンサー出力はピーク値なのか実効値(RMS)なのか、データシートを確認する必要があるんだ。ISO 10816は速度実効値で評価するから、ここを間違えると評価ゾーンが大きくずれる。入力前に「これはピーク値?RMS?」と必ず自問しよう。

二つ目は、「単一周波数で考えてしまう」落とし穴。ツールのシミュレーションは理解のために単一正弦波を仮定しているけど、実際の機械振動は様々な周波数成分が混ざった複雑な波形だ。例えばポンプの振動には、回転数そのものの1×成分、ベアリングの傷による高周波成分、カバーの共振などが含まれる。ツールで換算した値は「もしこの周波数成分だけが存在したら」という参考値で、実際の評価にはFFTアナライザなどで全周波数帯域の実効値を総合して求める必要がある。

三つ目は、A特性フィルタの適用ミスだ。人間の感覚に近い評価をしたい時に使うA特性フィルタだけど、これを「振動評価の常套手段」だと思っていない?ISO 10816などの機械健全性評価では、原則としてフィルタなしの実効値を使う。A特性は主に人間の振動感覚や騒音に関連する評価で使うもの。ツールで特性を確認できるのは便利だけど、適用する規格が何を要求しているか、まずは確認することが鉄則だ。

使い方ガイド

  1. 振動周波数をfreqSliderで10~10000Hzの範囲で設定します。例えば回転機械の1倍振動(1X)周波数、または軸受の特性周波数を入力してください。
  2. ampSliderで振動振幅を0.1~100mm/sの速度レンジで指定します。一般的な産業用モータの許容値は11.2mm/s以下(ISO 10816-3 Group 2)です。
  3. ツールが自動的に加速度・速度・変位を相互換算し、A特性重み付けフィルタを適用して評価ゾーン(A:良好、B:許容、C:改善必要、D:運転禁止)を判定します。

具体的な計算例

周波数f=50Hz、速度v=7.5mm/sの回転機械を測定した場合:加速度a=v×2πf=7.5×2π×50≒2356m/s²、変位δ=v/(2πf)≒23.9μmと換算されます。ISO 10816-3に照らしこの値はゾーンBに該当し「まだ運転可能だが監視継続」と判定。さらにA特性重み付けで低周波成分を減衰させると約65dBAとなり、騒音との相関確認も可能です。

実務での注意点