クリープ — CAE用語解説
クリープ(Creep)
先生、クリープって高温で変形が進む現象ですよね? FEMでどうモデル化するんですか?
クリープは一定応力下で時間とともにひずみが増加する現象で、金属では融点の約0.3〜0.5倍の温度(絶対温度)から顕著になる。ガスタービン翼、原子炉構造材、発電所の蒸気管——高温長寿命機器には必須の解析だ。FEMではNorton則(ひずみ速度 = A×σ^n)をはじめとするクリープ構成則を時間積分で実装する。AbaqusのCreep MaterialやAnsysのCreep Optionsで定義できる。
定義
クリープには一次・二次・三次ってありますよね? FEMではどこまで解析するんですか?
一次クリープ(遷移)は加工硬化で速度が低下する段階、二次クリープ(定常)は硬化と回復がつり合って速度が一定な段階、三次クリープは組織劣化・微視割れで速度が加速して破断に至る段階だ。実務設計では主に二次クリープ速度を問題にする——Norton則はこの定常クリープを表すモデルだ。三次クリープを扱うには連続損傷力学(CDM)モデルが必要で、Lemaitre・Chabocheモデルがよく使われる。予測したいのが「寸法変化」か「寿命」かで必要なモデルが変わる。
疲労との組み合わせ
高温では疲労とクリープが同時に起きますよね? 両方考慮できるんですか?
それが「クリープ疲労」問題で、最も厳しい高温損傷形態のひとつだ。ガスタービンの熱起動停止サイクルが典型例——起動時の急激な温度変化(熱疲労)と定格運転中の高温クリープが重なる。評価には線形損傷則(Robinson則)でクリープ損傷D_c + 疲労損傷D_f ≤ 1 を確認するのが古典的だが、最近はABCD(Amplitude-frequency-Based Creep Damage)などより精緻なモデルも研究されている。試験データの取得コストが高いから材料データの整備が設計の律速になることが多い。
クリープ解析で実務上よくあるトラブルはありますか?
Norton則の定数A、nの取り扱いがトラブルの元になりやすい。これらは温度依存性が強いから、使用温度範囲でのクリープ試験データが必要だ。材料データブックの値は特定の試験条件(雰囲気、粒径)に依存していることがある。また解析では時間刻みの設定が重要で、クリープひずみが1ステップで増加しすぎると収束が悪くなる。AbaqusのAutomatic Creep Controllerがステップを自動調整してくれるが、初期設定のパラメータTOLERを理解して適切に設定することが大切だ。
関連用語
高温機器の設計はクリープの知識が土台になるんですね!
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