減衰比 — CAE用語解説

カテゴリ: 用語集 | 2026-01-15
CAE visualization for damping ratio - technical simulation diagram

減衰比

🧑‍🎓

先生、減衰比ζってモーダル解析でよく出てきますが、物理的にどういう意味ですか?


🎓

減衰比ζは振動系の「振れ止め具合」を表す無次元数だ。ζ = c / (2√(km)) で定義されて(c:減衰係数、k:剛性、m:質量)、ζ < 1 が減衰振動、ζ = 1 が臨界減衰(最速で振れが止まる)、ζ > 1 が過減衰だ。実際の構造はほとんどが ζ = 0.001〜0.05(0.1〜5%)のロスダンピングで、固有振動数付近で応力振幅が静的応答の1/(2ζ)倍に増幅される——これが共振増幅率(Q値)だ。


定義

🧑‍🎓

FEM解析で減衰をどうやって入力するんですか?


🎓

いくつかの方法がある。最も一般的なのがRayleigh減衰で、減衰マトリクス C = αM + βK(α:質量比例係数、β:剛性比例係数)として定義する。2つの固有振動数でのζ値を指定するとα、βが決まる。別の方法として固有モードごとにζを直接指定するモーダル減衰、あるいは材料の損失係数tanδを使う複素剛性法もある。実務では振動試験(ハンマー試験やランダム加振)からロックウェル法(3dB法)で実測した減衰比をFEMに入力する。


減衰の物理と測定

🧑‍🎓

減衰比って材料によって違うんですか? 鋼とコンクリートとゴムでは?


🎓

大きく違う。構造鋼のζは0.002〜0.005(0.2〜0.5%)程度——これが「金属は減衰が小さい」と言われる理由だ。鉄筋コンクリートはひび割れなどで0.03〜0.07(3〜7%)、ゴムや制振材は0.1〜0.5(10〜50%)になる。地震工学では構造物の種類に応じて設計減衰比が規定されていて(鋼構造2%、RC構造5%など)、これがFEMモデルへの入力値の根拠になる。制振ダンパーの設計では減衰比を増やして地震応答を低減することが目標だ。


🧑‍🎓

試験で減衰比を測定するとき、どんな方法が使われますか?


🎓

実験モーダル解析(EMA)が標準だ。加速度センサとインパクトハンマー(またはシェーカー)を使って周波数応答関数(FRF)を計測し、固有振動数付近のピーク形状から減衰比を同定する。3dB法(半値幅法)は最も簡単で、ピーク振幅の1/√2になる周波数幅からζを求める。より精度が必要なときはPolyMAX法など複数モード同定アルゴリズムを使う。自動車のNVH(騒音・振動・ハーシュネス)開発では大規模なEMAが標準作業になっている。


関連用語

🧑‍🎓

減衰比の測定と解析モデルへの反映が振動設計の核心なんですね!


🎓
  • Rayleigh減衰
  • モード減衰
  • ダンピング

  • CAE用語の正確な理解は、チーム内のコミュニケーションの基盤です。 — Project NovaSolverは実務者の学習支援も視野に入れています。

    次世代CAEプロジェクト:開発者と実務者をつなぐ

    Project NovaSolverは、減衰比を含む幅広い解析分野において、実務者の知見を最大限に活かせる環境の実現を探求しています。まだ道半ばですが、共に歩んでいただける方を募集しています。

    お問い合わせ(準備中)
    この記事の評価
    ご回答ありがとうございます!
    参考に
    なった
    もっと
    詳しく
    誤りを
    報告
    参考になった
    0
    もっと詳しく
    0
    誤りを報告
    0
    Written by NovaSolver Contributors
    Anonymous Engineers & AI — サイトマップ
    プロフィールを見る