モーダル解析 — CAE用語解説
モーダル解析(固有値解析)
先生、モーダル解析ってNVH設計で絶対に必要って聞きました。具体的にどんな解析ですか?
定義
まず基本的な定義を教えてください。
モーダル解析は、構造の固有振動数と固有モード形状を求める解析だよ。「この部品は何Hzでどんな形に振動するか」を明らかにする。自動車のNVH設計、橋の耐震設計、回転機械の臨界速度設計——全て出発点はモーダル解析なんだ。
固有振動数が分かると何が嬉しいんですか?
加振周波数と固有振動数が一致すると共振して振幅が何十倍にも増幅される。タコマナローズ橋の崩壊は風の渦による加振と橋の固有振動数の一致が原因だよ。設計段階で共振を回避するのがモーダル解析の最大の目的だ。
固有値問題
数学的にはどう定式化されるんですか?
一般化固有値問題として表される。Kが剛性行列、Mが質量行列、ω_iが固有角振動数、φ_iがモード形状ベクトルだ。
ω²がいわゆる固有値ですか?
そう。ω=2πfだから、固有振動数f[Hz]に変換できる。モード形状φは「その周波数でどこがどう動くか」を示す。1次モードは全体的な曲げ、2次は節を持つ変形、と高次ほど複雑になるよ。
固有値ソルバー
大規模モデルだと固有値を求めるのは大変ですよね?どんなソルバーがありますか?
主要な固有値ソルバーを比較すると、こうなるよ。実務ではランチョス法がデファクトスタンダードだ。
| 手法 | 適用範囲 | 特徴 |
|---|---|---|
| Lanczos法 | 大規模、中〜多数モード | 対称行列、最も汎用 |
| Block Lanczos | 大規模、多数モード | Lanczosの並列拡張 |
| Subspace Iteration | 少数モード | ロバスト、低次モード向き |
| AMLS (Automated Multi-Level Substructuring) | 超大規模 | サブ構造分割で高速化 |
| Power法 | 1モードのみ | 最低次固有値に最速 |
ランチョス法が一番使われてるんですね。どのくらいのモードを計算するんですか?
自動車のNVH解析だと0〜500Hzの範囲で200〜500モード。ランチョス法なら100万自由度のモデルでも数時間で計算できる。必要な低次モードだけを効率的に抽出するのが得意なんだ。
固有振動数の計算例(片持ち梁)
理論的な検証に使える計算例ってありますか?
片持ち梁の固有振動数の理論式がある。FEMの結果をこの式と比較するのが検証の定番だよ。
λ_nの値ってどのくらいですか?
λ₁=1.8751、λ₂=4.6941、λ₃=7.8548、λ₄=10.9955。この数値は暗記してるCAEエンジニアも多い。1次と2次の比は(4.6941/1.8751)²≈6.27倍になるから、1次モードが100Hzなら2次は約627Hzだよ。
理論解とFEMを比較してメッシュ収束性を確認するんですね。
まさにそう。片持ち梁のモーダル解析は3分で終わるけど、メッシュ密度・要素タイプ・境界条件の感度を体感できる最良の入門問題だ。ここから始めてみて。
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