引張強度 — CAE用語解説
引張強度
先生、材料のカタログに「引張強度 440 MPa」って書いてあったんですけど、これって降伏応力とは違うんですか?
違うよ。降伏応力は材料が塑性変形を始めるポイントで、引張強度(UTS: Ultimate Tensile Strength)は引張試験で荷重が最大になる点の公称応力だ。降伏してからさらに引っ張り続けると加工硬化で応力が上がっていって、UTSに達した後にくびれ(ネッキング)が起きて最終的に破断する。
定義
じゃあ設計で使うのは降伏応力と引張強度のどっちですか?
基本は降伏応力ベースの設計が多い。永久変形が許容できないからね。ただし引張強度も安全率の計算で使うし、ボルトの保証荷重は引張強度の何%という形で規定されてる。例えば強度区分8.8のボルトなら引張強度800 MPa、降伏応力は640 MPaだ。
構造解析における役割
FEMの構造解析ではUTSをどう使うんですか?
弾塑性解析で応力-ひずみ曲線を入力するとき、UTSは曲線の頂点に相当する。衝突解析や板金プレス成形シミュレーションでは、UTS付近での材料挙動が結果に直結するよ。自動車の衝突試験シミュレーションでは、UTSを超えた要素を破断(要素削除)させる判定基準としても使われる。
FEMの基本方程式はこれだ。非線形解析ではKが変形に応じて更新される。
温度が変わるとUTSも変わりますよね? 高温環境ではどう考えればいいですか?
いい着眼点だね。一般的な鋼材は300度を超えるとUTSが急激に落ちる。クリープ域に入ると引張強度よりもクリープ破断強度で評価する必要がある。高温配管やタービンブレードの解析では温度依存の材料データが不可欠だよ。
関連用語
引張強度と一緒に覚えておくべき用語は何ですか?
応力-ひずみ曲線をちゃんと読めるようになれば、降伏応力もUTSも位置関係がわかりますね。引張試験のデータを見直してみます。
その通り。試験データを自分で応力-ひずみ曲線にプロットしてみると理解が深まるよ。特にFEM用にtrue stress-true strainに変換する手順は実務で必ず使うから、早めに慣れておくといいね。
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