渦励振 — CAE用語解説
渦励振
渦励振とは何か
渦励振って橋の橋脚とか煙突が風で揺れる現象ですか?
まさにそうだ。物体が流れの中にあると交互にカルマン渦が放出されて、その渦の周期的な力が物体の振動を引き起こす。これが渦励振だ。特に渦放出の周波数が物体の固有振動数に近づくと「ロックイン」という現象が起き、振動が急激に大きくなる。
ロックインって怖いですね。どんな被害が出るんですか?
1940年にアメリカのタコマナローズ橋が崩落した有名な事故が渦励振(とフラッタ)が複合した例だ。現代でも石油プラントの細長い立管(ライザー管)、煙突、橋梁ケーブル、送電線で渦励振が問題になる。振動疲労によるき裂発生が典型的な障害だ。
CFD-FEM連成解析と設計対策
渦励振はシミュレーションで予測できるんですか?
できるが難しい。流体の渦放出と構造の変形が相互作用するので、CFDとFEMを双方向に連成させる必要がある。非定常CFD(URANS以上の解像度)で渦放出力を計算し、構造モデルに渡して変形量をフィードバックする。解析コストが高いから設計検討では簡易モデルと詳細解析を組み合わせる。
設計上の対策は何がありますか?
いくつかある。ヘリカルフィン(螺旋状のフィン)を物体表面に取り付けて渦放出を乱す方法が煙突や海洋ライザーで標準だ。あるいは固有振動数をストローハル周波数から遠ざけて共振しないように設計するか、制振装置(TMD)を取り付ける。ストローハル数とレイノルズ数から渦放出周波数を予測してから設計するのが基本フローだ。
ストローハル数で周波数が計算できるんですね。
そうだ。f = St * U / D という式で、ストローハル数St(円柱でおよそ0.2)と流速Uと直径Dから渦放出周波数が推算できる。設計初期の素早いリスク評価に使える便利な式だ。
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