乱流壁モデル — CAE用語解説
乱流壁モデル
乱流壁モデルとは何か
乱流壁モデルって、LESで壁近傍を解像しない代わりに使うモデルですか?
そうだ。Wall-Modeled LES(WMLES)は、壁から離れた領域はLESで渦を直接解像するが、壁近傍の粘性底層と緩衝層はモデルで代替する手法だ。完全にLESで解くには壁近傍の格子を y+ < 1 まで細かくする必要があり、高レイノルズ数では計算コストが天文学的になる。
壁近傍をモデルで代替すると精度は落ちないんですか?
ある程度は落ちるが、許容できる範囲内であることが多い。代表的な壁モデルは壁面の対数則を使って壁面せん断応力を補外する方法だ。壁モデルを使うと y+ を30〜100程度まで緩和できるから、コストを桁レベルで下げられる。精度とコストのトレードオフが設計上の判断になる。
IDDESと実務での使い方
IDDESという手法を聞いたことがあります。WMLESと同じですか?
IDDESはImproved DDES(Delayed Detached Eddy Simulation)で、WMLESの機能を取り込んだハイブリッドRANS-LES手法だ。境界層の壁近傍はRANS的に解いて、剥離域や後流域はLES的に解く。さらに境界層内でも壁面ストレスモデルを使って乱流壁モデルとして機能させる工夫が入っている。
複雑ですね。実務でどれを選べばいいですか?
設計検討段階ではRANSかURANSが現実的で、剥離や後流の詳細が必要な場合にIDDES/DESを使う。研究や認証目的でさらに精度が必要ならWMLESを選ぶ。計算コストはRANS < URANS < IDDES < WMLES < Wall-resolved LES の順に増えていく。使用目的と予算に応じて選択するのが正解だ。
壁関数とも違うんですか?
壁関数はRANSで使うもので、壁近傍の格子粗さを許容する代わりに対数則から壁面境界条件を直接与える。原理は壁モデルと似ているが、LESではその上に非定常な大スケール渦の解像が加わる点が根本的に違う。
関連用語
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